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いま輝いて:第83回センバツ(6)佐藤拓也投手(浦和学院・1年)

◇「エースで1番」不動

 かつて「エースで4番」は、高校野球の定番だった。投打の役割分担が進む前のことだが、そんな時代でも「エースで1番」は、まずお目にかかれなかった。1番は打席が多く回り塁に出ることも増える。そこに投手を入れるには相当な決断が必要だが、監督として15回目の甲子園を迎える森士(おさむ)監督(46)は「1番打者で背番号1は不動です」と揺るがない。

 バネの強さが光り、抜群の野球勘をみせる。構えたバットのヘッドが動かないフォームから、シャープな振りで広角に打ち分ける。秋の公式戦11試合で打率4割2分9厘。安打の3分の1は長打で、チーム最多の17打点を稼いだ。50メートル6秒0の俊足はノーサインでの盗塁を許される。

 投手としては、テークバックの小さいフォームで地肩の強さがうかがえる。速球は130キロ台だが内外角を突く制球がさえる。カットボール、ツーシームなども有効だ。

 入学直後は内野を守ったが、投手にこだわる強い気持ちに、新チームになると森監督から「投球練習もしておきなさい」と声がかかった。昨秋の関東大会は全3試合を完投勝ち。優勝に貢献した。

 「中学の軟式では投手が1番が当たり前。自分のリズムで野球ができる」。童顔だが、冬場の走り込みで体を鍛えて「下半身が大きくなった」背番号1の目標は「全国で1番」。目指すは「1」づくしでの全国制覇だ。

■人物略歴

◇さとう・たくや

 94年8月生まれ、茨城県鹿嶋市出身。右投げ左打ち。171センチ、73キロ。鹿島中時代(軟式)に投手で関東大会8強。

(毎日新聞)

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