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埼玉大会159校参加 あす開幕 甲子園へ頂点に立つのは?

 第93回全国高校野球選手権埼玉大会は9日、県営大宮球場で開幕。昨年と同数の159チームが参加し、27日の決勝まで甲子園への切符を懸けて熱戦を繰り広げる。絶対的な力を持つチームがなく、優勝争いは読みにくいが、中心となるのは春の県大会優勝の花咲徳栄、同準優勝の上尾のAシード勢に加え、春の選抜大会に出場したDシード浦和学院、昨秋の関東大会代表のCシード春日部共栄あたりか。あとは戦力が接近しており、伏兵が勝ち上がる可能性も十分にある。激戦の大会の行方を展望した。

◇花咲徳栄-市川口ゾーン 「徳栄優位も強敵混在」

 花咲徳栄が一歩リードするが、序盤から好チームとの戦いが続く。シードが早めに敗れるようだと一気に混戦になる。

 花咲徳栄は準優勝した昨夏の主力であり、俊足で長打力も持つ大塚と田中が健在。周りを固める白石らも成長。投手は右上の北川と右横の沢幡が春の大会で自信を得た。

 しかし、初戦の富士見は左腕川口、4番谷口ら昨夏の主力が多数残る強敵。勝っても、本格派右腕菅原を擁する春日部東、その後も昨年Bシードの坂戸西、右腕根岸が大黒柱の川越工などと当たる可能性が高い。

 春に浦和学院を破ったCシード市川口は山本、古川大ら活発な打線が特長。初戦は気が抜けないが、武南が来そうな4回戦までは十分に行ける。

 Dシード所沢北は羽田と原の最速130キロ台の直球を投げる両右腕が自慢。このブロックには昨秋に8強進出を阻まれた朝霞がおり、順当であれば4回戦で再戦となる。

 Dシード立教新座は遊撃手で4番の星野が攻守の要。4回戦で当たりそうな南稜は昨夏16強の主力だった野川、斉藤らが残り、潜在能力を秘める。

◇大宮東-桶川ゾーン 「本命浦学に挑む桶川」

 桶川、大宮東など上位シードも力は備えているが、Dシード浦和学院を中心とした展開になっていくのは間違いない。

 浦和学院の打力は県内随一。小林、沼田、日高の中軸は強力で、下位まで強打者が並んでいる。2年生右腕佐藤が投打の軸となるのは疑いなく、左腕中山らほかの投手陣の貢献が重要になる。

 3回戦で投打にまとまる西武文理、4回戦で武蔵越生や、正智深谷との対戦になりそうだが、5回戦までは順当だろう。

 Bシード桶川は針谷、畑野らを中心とした攻撃野球が身上。左腕武藤も頼もしい。だが、松山との初戦から接戦を強いられ、その後も浦和北、越谷北など簡単ではない。

 Cシードの大宮東は今川、高山、福田の中軸が魅力。左腕吉嶺ら投手次第で上位も望める。左腕加嶋を擁し昨秋8強入りした慶応志木と当たりそうな3回戦がヤマとなる。

 Dシード埼玉栄は右腕松本、4番石田を中心に総合力で勝負。岩沢、神谷ら強力打線の栄北はダークホース。この勝者が、右腕出羽の評判が高い伊奈学園か、秀明英光と5回戦進出を争う構図か。

◇浦和実-市川越ゾーン 「浦実らシードに地力」

 秋春4強の浦和実などシード中心の展開か。だが、シードの力が拮抗しており、昨年覇者の本庄一も交え、どこが4強に入ってもおかしくない。

 Bシード浦和実は技巧派の左腕早川、速球を持つ右腕鈴木ら2年生が主力を担い、稲垣、上地ら中軸の3年生が支える。油断は禁物だが、ベスト16までは危なげない。

 ここと8強入りを懸けて争う一番手はDシード大宮西。エース安本は右横からの速球が力強く、西浦ら打線も強力だ。だが、3回戦で当たりそうな川越東は猿田、城下ら昨年4強の主力が残り、打力は前チーム以上だ。

 Cシード市川越は左腕エース大岩根が鍵。打線は桑山、早川を中心に援護したい。このブロックには本庄一がおり、順当なら4回戦で昨年の準々決勝の再戦となる。本庄一は甲子園のマウンドに立った左腕設楽らが経験を生かせるか。昨年8強の西武台も侮れない。

 昨秋の関東大会代表のDシード鷲宮は直球の切れがいい左腕増渕に期待。打力は劣るため左腕栗田、捕手遠藤らバッテリーが鍵。4回戦で対戦が有力な蕨には要注意だ。

◇春日部共栄-上尾ゾーン 「上尾、共栄に精鋭絡む」

 Aシードの上尾、Cシード春日部共栄の実力校に、Dシード狭山ヶ丘とノーシードの聖望学園が絡む流れが予想される。

 上尾は球の切れで勝負する三宅と、変化球がいい伊藤の両左腕が軸。佐藤、新井の1、2番が出て、勝木田ら中軸がかえす先行型に持ち込みたい。5回戦までに難所となるのは、右腕中里の評価が高い越谷南あたりか。

 春日部共栄は本格派右腕竹崎が真価を見せられるか。小泉、鎌田ら強打者ぞろいの打線がエースを助け、救援陣も待機する。警戒さえ怠らなければベスト16進出は堅い。

 台風の目となりそうなのが狭山ヶ丘だ。打線は俊足巧打の佐久間を筆頭に好打者が並び、右腕エース桜井岳ら投手陣にも安定感がある。右腕仲を擁する昨年16強の所沢商との初戦は好カード。蓮田松韻も伏兵的存在だ。

 Dシード川口は中村、柳沢らを中心とした機動力野球が売り。だが、3回戦で対戦が見込まれる昌平は難敵。4回戦で当たりそうな聖望学園は秋春とも実力を出せていないが、右腕滝瀬、中軸の村田ら選手の質は高く、化ける可能性はある。

◇10日県営大宮の試合時間を変更

 県高野連は7日、越谷東の出場辞退により、10日の県営大宮球場の試合時間の変更を発表した。

 第2試合に予定されていた狭山ヶ丘-所沢商の試合開始が11時30分からが10時、第3試合だった越谷総合-川越初雁が14時から12時30分に繰り上がる。第1試合の所沢北-越谷東は没収試合で所沢北の不戦勝となる。

 越谷東は抽選会に参加しているため、参加チーム数は159チームで変わらない。

(埼玉新聞)

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