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“一戦必勝” 森ウラガク(5)痛感した強豪校との差

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【写真】「やるからには、日本一になるという強い決意を持ってやろう」とナインに気合を入れる浦和学院の森士監督=1月27日、浦和学院高校(埼玉新聞)

 全国の地区大会優勝校が参加する明治神宮大会に関東王者として臨んだ浦和学院は、初戦で東海大会覇者の愛工大名電(愛知)に1-8で敗れた。選抜大会で優勝経験のある伝統校に終盤、力の差を見せつけられた。

 1-0とリードして迎えた八回、ここまで好投していた先発涌本が1死二塁のピンチを招き、渡邊に交代した。だが、左腕は四球で傷口を広げると一、二塁からノーサインで重盗を決められ、スクイズ野選で同点。さらに犠飛、適時打で2点を奪われ逆転を許した。九回にも5点を追加されて万事休す。八、九回だけで5盗塁、バント安打など、機動力を使った攻撃に後手に回った。

 打線も相手の最速147キロ左腕・濱田から7安打を放ったが、高めの直球に手を出し1得点のみ。関東大会後、選手たちに気の緩みがあったのも事実で、森監督は「この1試合に、わがチームが凝縮されていた。本当の意味での地力がなかった」と振り返った。

 悔しさを今後の糧にするため、敗戦翌日、結果を伝える本紙記事の見出しを“屈辱的な大敗”と書き換え、コピーしてグラウンドをはじめ、食堂、寮、教室など常に目に入る場所に貼り付けた。全国屈指の左腕に3三振を喫した佐藤は、「私生活から自分たちの取り組みが甘かった。でもプラスに考えたら、次の成長につなげられるチャンスだと思う」と前を向く。

 現在、個々の能力アップに励むナイン。野手は多い日で昨年までの倍の2千スイング、投手陣は投げ込み以外にフィールディング練習にも心血を注ぐ。技術を磨くのと同時に、どんな状況にも臆せず立ち向かえる精神力も養っている。

 1月27日、2年連続8度目の選抜大会出場を決めた。ただ全国制覇を目標に掲げるチームにとっては、序章にすぎない。甲子園では5大会連続で初戦敗退中と厳しい現実に直面しているが、主将の笹川は「全国で勝てる浦学を見せて、日本一を取りに行く」。森監督も「一戦必勝の積み重ね。やるからには優勝を目指す」と、その表情は強い決意に満ちている。

 関東大会で見せた“一戦ごとに強くなるんだ”という向上心を忘れず、ひたむきに取り組めば必ず道は開ける。浦和学院ナインには、それだけの力があると信じている。(おわり)

(埼玉新聞)

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