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<浦和学院だより>16強懸け大一番 きょう聖光学院戦

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【写真】守備練習で威勢良くグラウンドに飛び出す(前列左から)石橋、西岡、緑川ら浦和学院ナイン=16日午前、兵庫県伊丹市の伊丹スポーツセンター(埼玉新聞)

 第94回全国高校野球選手権大会で8年ぶりに初戦を突破した浦和学院は17日、兵庫県西宮市の甲子園球場での第1試合で、26年ぶりの16強入りを懸け6年連続出場の聖光学院(福島)と2回戦を争う。

 チームは前日の16日、伊丹市内などで最終調整。自身初となる夏の甲子園2勝が懸かる森監督は「過去も未来も気にしないで、目の前の一戦に集中したい」と冷静に話し、一戦必勝を強調した。

 浦和学院は11日の1回戦で高崎商(群馬)に6-0で快勝。エース佐藤はバックの守備にも助けられ完封した。聖光学院は1回戦で昨年の王者・日大三(西東京)を2-1で下した。ともに投打が安定しており、接戦となりそうだ。

◇16強懸け大一番

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【写真】スクイズ練習で三塁走者の明石(左)が本塁に滑り込む(埼玉新聞)

 チームは17日、26年ぶりの16強入りを懸け聖光学院(福島)との2回戦に挑む。前日の16日、兵庫県伊丹市の伊丹スポーツセンターなどで約4時間の最終調整を行った。

 透き通る青空の下、ナインはいつもと同じ内容の練習に取り組んだ。アップ、キャッチボールのほか森監督が自らノックバットを握ったシートノック。続いて行ったシート打撃では右投手を徹底的に打ち込み、最後には走者を二、三塁に置いてのスクイズ練習を繰り返した。佐藤、山口、小島の投手陣はブルペンで調整した。

 大一番に向け、森監督は「初戦から間が空いたが、気を抜かずにしっかりやってきた。大会を通して、明日の試合は大事な試合になる」と力を込める。捕手の林崎も「普段通りのプレーができるかどうかだと思う。我慢強く戦って、最後に1点勝っていればいい」と、平常心を貫けるかをポイントとして挙げた。

◇2回戦へ準備万端 佐藤

 1回戦で完封したエース佐藤が勝負の2回戦へ気合十分。「今までやってきたことを全力でやるだけ」。この日の練習では正捕手林崎を相手にブルペンで48球を投じ、準備万端といった感じだ。

 1回戦後、踏み出す左足がインステップする癖を森監督から矯正され、「球持ち、球筋とも良くなってきた」とさらに自信を深めた。聖光学院打線は低めの変化球を見極めてくるだけに「内の真っすぐを有効に使い、ボール球をうまく振らせたい」。エースはしっかりと青写真を描いている。

◇俊足の1番竹村「チャンス回す」

 1番ショートで俊足―。走攻守でポイントとなりそうなのが竹村だ。

 1回戦でも0-0の六回、二塁走者だった背番号6がノーサインで三塁を陥れたところから先制点は生まれ、チームは活気づいた。「機動力を生かして死球でも何でもいいから塁に出て、上位にチャンスを回す」。リードオフマンとしての自覚、資質を兼ね備える。

 守備面でも相手が足を絡めてくることを想定。「セカンドと連係して、焦ったらダメ。一つずつ慌てずに処理したい」と準備に怠りはない。

◇新たな歴史への分岐点

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【写真】大声を出して練習を盛り上げる選手たち(左から)服部、渡邊剛、笹川、佐藤、石橋=16日午前、兵庫県伊丹市の伊丹スポーツセンター(埼玉新聞)

 「ここを越えられるかどうか」。森監督は聖光学院との2回戦をこう位置付ける。新たな歴史を刻むのか、それとも今までと同じ道を歩むのか。浦和学院にとっては一つのヤマ場となる。

 6年連続出場の聖光学院は、1回戦で昨夏の覇者・日大三(西東京)を2-1で撃破。派手さはないが攻守にしぶとく接戦に強い。選抜大会にも出場し、今年の浦和学院と似ている印象だ。だからこそ主将の明石は気合を込める。「気持ちと気持ちのぶつかり合い。負けるわけにはいかない」

 勝負の鍵を握るのが相手エース・右腕岡野の攻略。聖光学院とは6月30日に練習試合で対戦し、4-1で勝ったが、五回からマウンドに上がった岡野からはわずか2安打。奪った1点も相手のミスによるものだった。

 森監督が「今回こそ間違いなくロー(スコア)ゲームの接戦になる」と力説するように、岡野が決め球とする高速スライダーを見極め、少ない好機を確実に生かせるか。スクイズでも何でもいい。得点をもぎ取る、勝利への執念で上回りたい。

 チームとしては初出場でベスト4に入った1986年以来、森監督にとっては初となる夏の甲子園2勝目が懸かる。指揮官は「『過去の先輩たちの歴史を塗り替えるんだ』という向上心を持って、練習に取り組んできた成果を出してほしい」。大一番だからこそ、培ってきたナインの底力に大きな期待を寄せている。

(埼玉新聞)

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