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4年後プロの舞台を 浦学・佐藤、笹川両選手 大学野球で技磨く

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【写真】大学に進学し、4年後のプロ入りを目指す浦和学院の佐藤拓也(左)と笹川晃平=同校グラウンド(埼玉新聞)

 11日でプロ野球志望届が締め切られた。春夏の甲子園を連覇した右腕藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、160キロ右腕大谷翔平(花巻東)らが届け出る中、18歳以下の世界選手権(8月30日~9月8日・韓国)で日本代表として彼らと共に戦った浦和学院3年の佐藤拓也と笹川晃平は提出せず、大学野球へ進む道を選んだ。実力を蓄え「4年後のプロ入りを目指します」と、声をそろえ力強く拳を握る2人。浦和学院が全国に誇った左右のスラッガーが見詰める未来は。

 夏の甲子園の激闘から2カ月。2人の姿は浦和学院グラウンドにあった。後輩たちにアドバイスしながら、自らの技を磨くため鍛錬を積んでいる。

◇2人の日本代表は初

 佐藤はエースとして春夏合わせ2完封を含む、甲子園4勝。左の好3番打者としても強烈な印象を残した。右翼手で5番を務めた笹川は右の長距離砲として夏の1、2回戦では豪快な本塁打を連発。一躍注目選手に名を連ねた。

 高校野球を振り返り「日本一になりたかったが、やり尽くしたので悔いはない」と佐藤。一方の笹川は「大事な試合で打てなかった。チームを勝たせられる選手になりたい」と誓う。表情は対照的だが、共にチームを今春の選抜では10年ぶりの8強、夏は26年ぶりの16強へと導いた。その活躍が認められ、18歳以下世界選手権日本代表20人に選出。浦和学院から2人が選ばれるのは初の快挙だった。

◇大学進学に迷いなし

 日本代表で戦った20人のうち、8人がプロ志望届を提出したが、佐藤と笹川は大学進学に迷いはなかった。世界選手権で実際に体感した超高校級の選手たちとの差について「野球に対する考え方、取り組む意識、姿勢がまだまだ甘い」と口をそろえた上で、佐藤は「今のままではプロでは通用しない。大学での4年間でしっかり成長してから挑戦したい」。笹川も「甲子園の結果はたまたまで、県大会では打てていなかった。自分の特長もまだ明確ではない」。

 注目される進路先だが、佐藤は東京六大学リーグの立教大(新座市)への進学が決まっており、笹川は東都リーグの強豪・東洋大(川越市)への進学を希望している。

◇恩師からも太鼓判

 エースとして名をはせた佐藤も大学では野手に専念する可能性が高い。“走・攻・守”三拍子そろった選手を目指す2人に、森士(おさむ)監督も「彼らなら可能性があると思う。過去の教え子と比べても心身ともに期待を込めて送り出せる。自分の目標とするところを目指して頑張ってもらいたい」と太鼓判を押す。

 恩師のエールを受け「人間力、生活習慣などウラガクで学んだことを生かしたい。その上で技術を磨き、プロで活躍できる選手になる」と佐藤。笹川も「勝負根性、技術、自信を付けて即戦力としていきたい」と並々ならぬ決意だ。そして「プロの舞台で戦おう」と視線を合わせた。

 共に謙虚で向上心の塊。“強打・浦和学院”のシンボルだった左右のスラッガーが、大学野球でどんな成長を遂げるのか。4年後が今から楽しみでならない。

【両選手のプロフィール】

■佐藤拓也
 1994年8月12日生まれ。茨城県鹿嶋市出身。投手、中堅手。右投左打。171センチ、71キロ。小学1年から野球を始めた。小柄ながらパンチ力を秘め、シュアで巧みな打撃が持ち味。甲子園7試合の通算成績・投手=51回12失点、防御率2.12、打者=25打数10安打5打点1本塁打、打率4割。目標の選手は青木宣親(大リーグ・ブルワーズ)

■笹川晃平
 1994年4月21日生まれ。茨城県古河市出身。右翼手。右投右打。181センチ、79キロ。小学2年から野球を始め、浦和学院では1年秋の県大会からベンチ入り。抜群の打撃センスに力強さを兼ね備え、広角に打ち分けられるのが強み。甲子園7試合の通算成績は24打数11安打8打点2本塁打、打率4割5分8厘。目標の選手は内川聖一(福岡ソフトバンク)

(埼玉新聞)

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