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石巻の少年野球チーム「鹿妻・子鹿クラブ」を浦学に招待

 2月1日深夜に到着した石巻市の少年野球チーム「鹿妻・子鹿スポーツ少年団」一行は、「あっ」という間の楽しいひとときを過ごし、3日13時30分浦和を出発、19時過ぎ無事に石巻に着きました。お互い、短か過ぎる時間の寂しさを感じながらも、参加した誰もが、密度の濃い交流に「大満足」を表現してくれました。

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【写真左】小学生から激励の色紙を受け取る2年生山口・西川のバッテリー
【写真右】参加した両チームの全員で記念撮影

 昨年に引き続き、浦学の校歌を3番まで暗記して唄える「鹿妻っ子」がやってきた。石巻交流活動の一環として、浦学ふぁみり~皆様の義援金から成り立っている招待である。

 本来の予定日12月7日、出発直前に震度5を超える余震。津波警報発令により来校が延期されていた。浦学に行けずに涙を流してくれた子もいたそうだ。また、野球部員も再会を楽しみに、3年生は大学入寮を当日に控えながらも全員が参加。6名が一緒に宿泊してくれた。

 「あっ」と言う間の2日間、参加者全員が別れを惜しんだが、3年生は、「来年も来ますから、子どもたちが来たら呼んで下さい」と話してくれた。

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【写真左】交流開始のセレモニー。現5年生で新キャプテンの小野君が元気に挨拶。3年生の元主将明石君が返礼した。
【写真右】練習開始。交流活動を昨年から浦学で2回、石巻でも2回経験し、浦学の体操も慣れたもの

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【写真左】まずはノックから。1・2年生は選抜に向けて練習のため、3年生が子どもたちと一緒に練習。
【写真右】練習試合。浦学3年生チームは、右打者は左で、左打者は右打ちで対戦したが、好投手嶋田君から三振の山。

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【写真左】最終回に追いつかれ延長戦。ゲームの結果は7-6で辛勝(喝//)。最後は両チームが仲良く握手。
【写真右】甘えん坊の「鹿妻っ子」。12月に石巻で交換した垂れ幕は、毎日の練習で飾られている。

浦学ふぁみり~の思いが食事にも

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【写真左】1日目夕食、ハンバーグ&海老フライ
【写真右】2日目昼食、節分にちなんで恵方巻とけんちんうどん

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【写真左】最終日は「恵方巻」。森監督の粋な計らいで、投球練習場で団らんのお弁当。ブルペンでは、本気の投球練習中。
【写真右】浦学ふぁみり~義援金からは、ウィンドブレーカーが手渡された。3年生から子鹿クラブスタッフへ。

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【写真左】寒い石巻では、「少しでも温かく」。ウィンドブレーカーを子どもたちに手渡す3年生。
【写真右】鹿妻っ子からは、3年生一人一人にフルネーム入りの手紙が返礼された。パートナーは大喜び。

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【写真左】最後に、子鹿クラブから1・2年生に「甲子園頑張れ!!」の色紙が小野主将から西川代表へ手渡された。
【写真右】遊楽社田村社長の企画提案で、100名分の豆が用意された。「福は内」。紅白戦の敗者が鬼役となった。

この瞬間が、一番辛い。でも「また必ず逢える」。お互い成長した姿で…。
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 震災から約2年が経過する。進まぬ復興に、「復旧すら進んでいない、瓦礫を取り除いただけ」という声が多い。確かに暗い夜道、女子高生が一人自転車で帰って行く。小学生が一人歩いている。そこに電灯はない。壊れた住宅からの「物とり」泥棒も増えているという。いろいろな声が聞こえてくる。

 でも、「鹿妻っ子」たちはとても元気に「野球」をする。石巻はとても野球が盛ん。小学生のクラブチームでも毎日練習。休みは週1日だけ。礼儀正しく、元気な集団。「何かしてあげたい」と、思わせてくれる。子どもたちだけではない。スタッフや保護者も同じ。礼儀正しく、恩を忘れない人たち。

 鹿妻・子鹿クラブスポーツ少年団とは、震災後の5月30日に初対面、その後交流を続けている。昨春は、片道15時間かけて甲子園応援にも駆け付けてくれた。震災が生んだ交流。何とも皮肉だが、お互いポジティブに前に進んでいくしかない。浦和に来た子どもたちは、本当に嬉しそうだから…。学校も野球部も、生徒たちみんなが、そして関係する浦学ふぁみり~の多くが誠心誠意対応してくれた。コーディネート役をしていてこんなに嬉しいことはない。

 24年12月7日、17時15分埼玉でも震度5の余震が発生した。予感は的中、津波警報が出た。「残念、無念」。「来たい」という申し出があっても「来ないで下さい」と断るつもりだった。(なぜなら、準備のことを気にして、「警報」の中、来ることが予測できたからだ。)警報が解け、20時過ぎ「苦渋の決断をして、中止にしました。」双方が涙をこらえていた。「自然は、こんな楽しみまで奪うのか」。私も、ぶつける矛先がなかった。悔しかった。でも、数日後「中止でないですよ。『延期ですから』」と言える自分がいた。

 「浦学さんとは長くお付き合いをしたい、これ以上は甘えられない」と、今回のバス代は自分たちで工面された。食事も「ほかほか弁当を手配だけして下さい、代金は払います」と、代表の言葉は前向きだった。「5年後、10年後も招待してほしいのです。だから、小遣いを貯めてきました」。こんなやり取りの中で、交流活動は続いている。

 多くの浦学ふぁみり~の皆様の協力があって成立する交流活動。今回も、石巻からお越しになった32名の方々に、ほんの少しの幸福な時間を提供できたと思う。この場をお借りして、報告と感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。(東日本大震災対策本部 渉外担当 車谷)

協賛

食事 株式会社遊楽社様(12月の中止分の負担、食材・人件費の大半)
賞品 株式会社ベースマン様(ビンゴの景品を盛り沢山)
寝具 山下寝具様(12月の中止分をすべて負担)
寄贈 野球部父母会様(ボール5ダース)
寄贈 株式会社ベースマン様(ボールケース、バットケース)

以上

↓(株)ベースマン様より、ビンゴの景品としてたくさんのスポーツ用品を寄贈いただきました。
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↓子鹿クラブからいただいた色紙
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↓活動の様子をクリックしてご覧ください。
25.2.3 子鹿クラブ来たる.pdf

↓子鹿クラブからいただいた色紙
子鹿クラブ色紙PDF1.pdf
子鹿クラブ色紙PDF2.pdf

(浦和学院高校公式ホームページより)

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