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浦学、投手戦劇的幕切れ 王者の示す「底力」 4強出そろう

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【写真】延長12回裏浦和学院無死三塁、木暮が中前にサヨナラ打を放つ(埼玉新聞)

 (2日・県営大宮ほか)

 第5日は2球場で準々決勝4試合を行い、選抜大会優勝の浦和学院、同出場の花咲徳栄、昨年準優勝の埼玉栄、鷲宮がそれぞれ勝ち、準決勝へ進出した。4強入りは浦和学院が3年ぶり17度目、花咲徳栄が2年ぶり9度目、埼玉栄が2年連続8度目、鷲宮が7年ぶり6度目。

 Aシード浦和学院は同点の延長十二回、無死三塁から木暮の中前打で春日部共栄に2-1でサヨナラ勝ち。同花咲徳栄は14安打7得点で市川口に7-2と快勝した。

 埼玉栄は神山の先頭打者本塁打などで4点を挙げ、28年ぶりの4強を狙った川越工を4-3で破った。鷲宮は三回までに7点のリードを奪い、Bシード川越東を7-4で退けた。

 4日の準決勝は、県営大宮で花咲徳栄-埼玉栄(10時)鷲宮-浦和学院(12時30分)のカードで争われる。

◇王者の示す「底力」

 圧倒的な勝ちっぷりで日本一までに上り詰めた浦和学院にとって、一進一退の攻防は選抜大会を通じても今季初。むしろ終始押され気味だった。

 そんな状況でも延長十二回に木暮の中前打できっちりとサヨナラ勝ち。森監督も「常にこういう試合を想定して練習を積んでいる。慌てずに、やるべきことを集中してやってくれた。ナイスゲーム」とうなずいた。

 先発山口が一回に3連打で1点を先制されたが二回に酒本の左越え二塁打ですぐさま同点に追い付く。

 だが春日部共栄・左腕金子の強気の投球に大苦戦。甲子園を席巻した強力打線が六~九回まで三者凡退と沈黙していた。

 それでも、毎回のように走者を得点圏に許しながらも山口が「球に気持ちが乗った」と、強気の内角直球勝負で2点目を与えない。バックも好守連発で右腕を助けると、延長十二回に決着した。

 先頭の高田が二塁打と敵失で三進すると、木暮が「投手の足元に打ち返した」と直球を中前に運び、終止符を打った。

 主将の山根は「相手投手への対応能力をもっと高めなければ」と反省したが、王者がこの試合で示した底力は、「さすが」というしかない。

◇共栄、好投金子12回力尽く

 春日部共栄の本多監督は浦和学院戦を相撲に例え、「横綱相手にこちらが引いたら一気に土俵から出される」と語っていた。つまり真っ向勝負を挑むと。

 先発の2年生左腕金子がその言葉通りの投球で好投した。二回に1失点したが、「内角で詰まらせる」と強力打線に臆せず、内角に同じ腕の振りから直球とカーブを投げ込み、翻弄(ほんろう)。九回まで3安打に抑えた。

 ただ打線が一回に3連打で1点を先制したものの、その後は得点できず。得点圏に10度走者を置き、押し気味に試合を進めたが、決定打が出なかった。特に九、十一回は1死三塁で藤原、三浦の中軸が凡退した。

 金子も十二回に力尽きた。それでも本多監督は「金子は完璧だった」と称賛。金子は「ここぞの場面では抑えられる投手になりたい」と夏への成長を誓った。

■準々決勝(5月2日)

春日部共栄
100000000000 =1
010000000001x=2
浦和学院
(延長12回)

【浦】山口-高田
【春】金子-守屋

▽三塁打 山本(春)
▽二塁打 守屋、金子(春)高田2、酒本(浦)

▽投手成績
山口 12回、被安打7、9奪三振、与四死球9、失点1、自責点1

【浦和学院】
⑥ 竹 村5-1-0
④  贄 4-0-0
H3西 川1-1-0
⑧ 山 根4-0-0
② 高 田3-2-0
⑤ 木 暮4-1-1
⑨ 大 西3-1-0
H 伊 藤1-0-0
94酒 井0-0-0
③7酒 本4-1-1
① 山 口4-0-0
⑦9服 部4-1-0

(打数-安打-打点)

安 打:浦8、春7
失 策:浦0、春1
三 振:浦5、春9
四死球:浦2、春9
犠 打:浦2、春5
盗 塁:浦0、春1
併 殺:浦0、春1
残 塁:浦6、春15

 浦和学院・山口、春日部共栄・金子の投げ合いとなった好試合は、浦和学院がサヨナラ勝ち。同点の延長十二回、先頭の高田が二塁打と失策で三塁へ進むと、木暮が中前打を放った。山口は速球がさえ1失点完投。春日部共栄は15残塁と、金子を援護できず。

(埼玉新聞)

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