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浦学・小島、貫録の完封 きょう決勝 春季高校野球県大会

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【写真】鷲宮打線を被安打2、無四球で完封した浦和学院のエース小島(埼玉新聞)

 (4日・県営大宮)

 第6日は準決勝を行い、ともに選抜大会に出場した浦和学院と花咲徳栄のAシード勢が勝って、決勝へ駒を進めた。関東大会出場(18~22日・栃木)への推薦出場が決まっている浦和学院は3年ぶり14度目、関東大会への出場権を得た花咲徳栄は2年ぶり7度目。決勝進出は浦和学院が3年ぶり12度目、花咲徳栄は2年ぶり7度目。

 浦和学院はエース小島が鷲宮打線に三塁すら踏ませず、被安打2、無四球で3-0と完封。打線は三回に竹村の適時二塁打で先制すると六、七回に1点ずつを追加した。

 秋春連覇を狙う花咲徳栄は、埼玉栄との接戦を3-1で制した。一回に楠本の二塁打と捕逸で2点を先制すると、2-1の九回には松本の左犠飛でダメ押し。右腕小暮は4安打で1失点完投。

 最終日は5日、関東大会への最後の1枠を懸けて埼玉栄-鷲宮(10時)の3位決定戦と、花咲徳栄-浦和学院の決勝(12時30分)を実施する。

◇実力示す“初登板”

 鷲宮の先頭打者を三球三振に仕留めると、埼玉の高校野球ファンで埋まった県営大宮球場で、久々の浦和学院“小島劇場”が開演した。

 4月3日の選抜大会決勝の済美戦以来、1カ月ぶりのマウンド。練習試合でも1度も投げていない。「投げたくてうずうずしてました。楽しかったです」。2安打無四球完封した日本一の左腕は、三塁を踏ませず貫録の投球だった。

 甲子園のリプレーを見ているようだった。最速134キロの直球を打者の内角に投げ込む。97球のうち直球の割合は8割を超えた。許した2安打も詰まった当たり。文句の付けようがなかった。

 特筆すべきは、打者30人に対し、一度も3ボールまでいかなかった点だ。制球力にはさらに磨きが掛かっていた。逆球は皆無に等しく、「真っすぐで押していこうと思っていた。しっかり打者の内に投げられた。球の質も良かったと思います」。いつも自己評価が厳しい背番号1の表情も、充実感でたっぷりだった。

 選抜大会から凱旋(がいせん)後2週間はノースローで、痛めていた左膝の治療に専念。無事に回復した後はシート打撃にもほとんど登板せず、ブルペンでじっくり調整し、いつ出番が巡ってきてもいいように備えていた。

 2日の準々決勝の春日部共栄後の夜に、森監督から「投げたいか」と聞かれ「投げたいです」と即答。登板が実現した。

 相変わらず、あどけない笑顔が印象的な左腕。県内レベルでは完全に頭一つ以上抜け出している。夏の日本一に向けて、一歩ずつ確実に成長の階段を上っている。

◇鷲宮、奇襲も力負け

 鷲宮が浦和学院相手に奇襲を仕掛けた。準決勝のマウンドに登ったのは地区大会初戦から5試合を一人で投げ抜いてきたエース大塚ではなく、2年生右腕橋本。公式戦初登板だった。

 「打たれて当然。結果にこだわらずがむしゃらに投げた」とクセのある直球とスライダーを軸に8回3失点で完投。敗れはしたが、大観衆が見守る中で日本一の強力打線に立ち向かい「投げるごとに楽しくなった。もっと投げたかった」と強心臓ぶりを発揮してチームに勇気を与えた。

 打線は小島の鋭い直球を攻略できなかった。チーム初安打の塚本も「手元での回転がすごい」と舌を巻いた。マシン打撃では得ることのできない生きた球との対戦経験は夏への大きな糧となった。

 関東大会出場を懸け、埼玉栄との3位決定戦に臨む。柿原監督は「一度負ければ終わりの高校野球でチャンスをもらえた」と見据える。「気持ちを切り替えて明日はバットで結果を残したい」と橋本。貫いてきた“先手必勝”で7年ぶりの出場権を狙う。

◇先発投手の出来が鍵 決勝見どころ

 文字通り選抜出場校同士の頂上決戦は、昨秋から通じて3度目の対戦。県大会決勝では花咲徳栄が8-2で圧勝し、関東大会決勝では浦和学院が延長十回の末、3-2でサヨナラ勝ちした。

 先発投手の出来が鍵を握りそうだ。花咲徳栄は浦和学院キラーの左腕小栗、浦和学院は右腕山口か。山口は延長十二回を完投した準々決勝の春日部共栄戦のように積極的に内角を突きたい。花咲徳栄は継投が予想される。リードして右腕関口につなげられるか。

 打線はともに準決勝ではつながりを欠いた。特に花咲徳栄は11安打で3得点。ただ安打は出ているだけに、無安打だった4番若月に一本が出れば乗っていけそうだ。浦和学院は、踏み込んで中堅に打ち返す持ち味を発揮できるか。最も振れている5番木暮の前に走者を置きたい。

■準決勝(5月4日)

鷲宮
000000000=0
00100110x=3
浦和学院

【浦】小島-高田
【鷲】橋本-塚本

▽二塁打 竹村(浦)

▽投手成績
小島 9回、被安打2、8奪三振、与四死球0、失点0、自責点0

【浦和学院】
⑥竹 村3-2-1
④ 贄 3-0-0
⑧山 根4-1-1
②高 田2-0-0
⑤木 暮4-2-0
⑨斎 藤2-0-1
③酒 本3-0-0
①小 島2-1-0
⑦服 部3-2-0

(打数-安打-打点)

安 打:浦8、鷲2
失 策:浦1、鷲0
三 振:浦3、鷲8
四死球:浦6、鷲0
犠 打:浦4、鷲2
盗 塁:浦1、鷲0
併 殺:浦0、鷲0
残 塁:浦9、鷲3

 浦和学院の左腕小島が2安打完封した。小島は直球を主体に打者の内角を突く投球で無四球、三塁を踏ませなかった。打線は三回に竹村の二塁打で先制すると六、七回に1点を追加した。鷲宮は先発橋本が力投したが、打線は2度の1死二塁を生かせず。

(埼玉新聞)

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