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浦和学院「全国王者際立つ風格」 猛暑の中155チーム行進

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【写真】青空の下、155チームの球児たちが熱気あふれる行進を見せた=10日、県営大宮球場(埼玉新聞)

 第95回全国高校野球選手権記念埼玉大会は10日、県営大宮球場で開会式を行い、連合2チームを含む155チームの選手たちが行進一歩一歩に、今夏に懸ける思いを表現し熱戦が幕を開けた。開幕戦は大宮西が秀明英光に1-0で競り勝った。

 この日のさいたま市の最高気温は36・5度。入場行進の始まった午前11時も33・1度と猛暑の中、ファンファーレが鳴り響くと、先頭の昨年優勝のAシード浦和学院が、まずは選抜大会で日本一に輝いた行進を披露した。続いて、組み合わせ順に次々と選手が登場。2958人の球児たちのハキハキとした行進に、詰め掛けた1万6千人からは大きな拍手が送られた。

 開会式で祝辞を述べた上田清司知事は、選抜大会で浦和学院が県勢では45年ぶりに優勝した快挙を挙げて、「浦和学院と五分の戦いをしているチームが埼玉にはたくさんある。常に甲子園で、埼玉県勢が優勝争いに加わることは間違いない」と整列する選手たちを激励した。

 全国覇者が出場する大会は珍しい。各有力校は一戦必勝を掲げながらも「打倒ウラガク」へ意気込みを示した。

 選抜大会に出場したAシード花咲徳栄の根建洸太主将は「優勝は考えず一戦ずつ」とした上で、「ウラガクを意識せざるをえない」と、決勝まで勝ち上がってライバルを蹴散らすつもりだ。

 春季県大会で3位と躍進したBシード鷲宮。小林颯太主将は「春(の結果)はいろいろな面で自信になった。決勝まで行ってリベンジしたい」と誓う。同準々決勝で浦和学院と延長十二回の激闘を演じたCシード春日部共栄の藤原暁和主将は「小島投手を打ち崩して、まずは埼玉で優勝する」と8年ぶりの甲子園出場へ気合は十分だ。昨年準優勝のDシード聖望学園の川畑諒太投手は「ウラガクを倒して甲子園に行きたい」と短い言葉に決意を込めた。

 154チーム分の気迫を受けて立つ浦和学院の高田涼太三塁手は「どこのチームも集大成で、簡単には勝てない。優勝を見据えた中で一戦必勝で戦いたい」と、スタイルを変えるつもりはない。

 優勝するのは浦和学院か、それとも。一枚の夢切符を目指し繰り広げられる球児たちの筋書きのないドラマ。結末は今月28日。見逃せない。

◇全国王者、際立つ風格 浦和学院

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【写真】春夏甲子園制覇が懸かる昨年の覇者・浦和学院の山根主将が優勝旗を返還する=県営大宮(埼玉新聞)

 威風堂々―。選抜大会優勝校で今春から公式戦14連勝中の浦和学院は、王者の名に恥じない見事な行進だった。甲子園を席巻したおなじみの白地に縦じまのユニホームは県営大宮の芝の上でも鮮やかに映えた。

 万雷の拍手、そしてスタンドを埋め尽くした観衆の視線が降り注ぐ中、連覇とともに史上初の4季連続甲子園出場を狙うAシード浦和学院が先頭で登場。「全員で足をそろえ、一つになっている姿を見せます」というプラカードを持つ記録員・木藤を先導に、中堅手久保の掛け声に合わせ全員で大役を務めあげた。

 開会式に先立って選抜優勝旗を観衆に披露した主将の山根は「歩く時の姿勢など、緊張しました」と苦笑いしたが、大会の優勝旗を返還し「また自分たちが取りにくる。あとは試合をするのみです」と実感のこもった精悍(せいかん)な顔つきだった。

 現チームの主力は下級生の時からメンバーに入っていた選手が多い。

 2年生エースの左腕小島は「去年は先輩に付いていくだけだった。今年は自分の投球で3年生を勝たせたい。まずは埼玉で一番を取ることが目標です」。開会式で3年連続で行進した遊撃手竹村も「2年半の集大成を見せる意気込みです」と頼もしい表情。選抜甲子園の3戦連発など、今大会でも注目を集める4番の高田は「勝ちたい。やる気に満ちあふれています」と静かに闘志を燃やす。

 1年間、それぞれが成長して戻ってきた舞台から、浦和学院の夏物語がプレーボールだ。

◇所沢中央の中野主将 大役に手応え十分

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【写真】力強く選手宣誓する所沢中央の中野秋嵩主将(埼玉新聞)

 仲間と積み重ねてきた2年半の全てをプレーに込めて―。

 力強くはっきりとした口調で選手宣誓の大役を務め上げた所沢中央の中野秋嵩主将。高校球児の代表にふさわしい堂々とした立ち居振る舞いで「緊張したけどしっかりとできた。自分に100点をあげたい」と誇らしげに笑った。

 宣誓文は自ら原文を考え、チームメートや村上監督、柴田部長らと相談しながら手を加えた。6月末に原稿が完成すると、満員のスタンドをイメージしながら頭の中で繰り返し反復。7日のチーム激励会でお披露目した。

 開会式当日の朝には村上監督から「しっかり元気にやればいいんだよ」と優しく背中を押され、「はっきり言えばかむことはない」と心を落ち着かせた。

 11日の初戦に向けて「これで試合に集中できる。全員が一生懸命全力でやりたい」と気合十分。掛け替えのない仲間たちと挑む最高の舞台。決して色あせることのない夏が幕を開けた。

■選手宣誓全文

 宣誓、私たちはフェアプレーの精神と日頃関わる方々への感謝を忘れず、一球一瞬に思いを込め、最高の仲間と全力でプレーします。2013年夏、いつまでも色あせない舞台にすることを誓います。

◇高間、鈴木氏を功労者表彰

 県高野連は10日、地方大会の運営などに尽力した「功労者表彰」に選ばれた県高野連専務理事の高間薫氏と、「育成功労賞」に選ばれた志木監督の鈴木和彦氏を表彰した。

 高間氏は「全チームが大会に出られるような環境づくりをしてきた。(受賞は)恐縮している」、鈴木氏は「正々堂々とフェアプレーを教えてきた。予想もしない賞で光栄」と喜びを語った。

 高間氏は浦和学院野球部長を務め、1997年から県高野連の役員。58歳。鈴木氏は川越、川越初雁の監督を歴任した。58歳。

(埼玉新聞)

◇浦和学院 春夏連覇へ気合「どんな相手でも全力」

 浦和学院は史上8校目の春夏連覇を目指す。午前11時から行われた開会式で155校の先頭を堂々と行進した。

 主将の山根は「目標は日本一。一戦一戦どんな相手が来ようと全力を出していく」と王者に慢心はない。12日に志木との初戦を迎える。2年生エース左腕・小島は「1日でも長く3年生と試合をできるようにしたい」と表情を引き締めた。

(スポニチ)

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