第97回全国高校野球選手権地方大会展望 関東・東京編

◇埼玉「浦和学院、左の二枚看板」

 今春の選抜4強で、春の関東大会も制した浦和学院が最右翼。川越東と聖望学園が続く。浦和学院は制球力が強みの江口、鋭いスライダーを持つ小倉の両左腕が二枚看板。春の関東大会で打率4割超の荒木らが下位に控える打線も切れ目がない。

 昨秋と今春の県大会で決勝に進んだ川越東は、1番福岡を皮切りにしたつなぐ打線で、春の関東大会4試合でチーム計43安打。左腕高橋ら投手陣も同大会決勝まで2失点と安定している。

 切れのある投球が持ち味の右腕松本が大黒柱の聖望学園、本格派右腕の落合を擁する成徳大深谷のほか、昨夏覇者の春日部共栄、公立校の市川越も上位をうかがう。

◇茨城「常総学院、得意の機動力」

 今春の選抜8強の常総学院が一歩リード。昨秋と今春の県大会で準優勝の明秀日立や、石岡一、霞ヶ浦、土浦湖北などの実力校が優勝争いに絡みそうだ。

 常総学院は、スライダーが切れる左腕鈴木が健在。1試合5盗塁の選抜大会記録を持つ宇草、竹内を中心に機動力を生かした攻めをみせる。明秀日立は孫大、大友、津山の3投手が軸。青森の光星学院(現八戸学院光星)を春夏8回甲子園に導いた金沢監督の采配も注目される。

 昨秋、今春の県大会4強の石岡一は木村、高崎の両投手を中心に守りが堅い。霞ヶ浦は総合力がある。土浦湖北は、角度のある直球が持ち味のエース大関友がカギを握る。

◇栃木「作新学院、つながる打線」

 5連覇をめざす作新学院が頭一つ抜け、國學院栃木が追う。この2校に、佐野日大や昨秋の県大会覇者の宇津野南などの実力校が挑む構図だ。

 昨夏の甲子園経験者が多く残る作新学院は総合力で春の県大会を制した。6打点の主将吉沢、俊足巧打の添田を軸に、下位打線も長打が期待できる。投げては左腕宮下らが粘投。1年夏から甲子園で投げた右腕の朝山は春の公式戦では4球しか投げなかった。

 國學院栃木は機動力を武器に春の県大会準優勝。右横手投げの渡辺は打撃でも打率6割超と光った。

 強打者大下を擁する白鴎大足利や、文星芸大付のほか、栃木、足利の公立勢も上位を狙う。

◇群馬「前橋育英・健大高崎に力」

 昨秋、今春の県大会決勝を戦った前橋育英と健大高崎を軸に、昨春の選抜8強の桐生第一が迫る。太田東、高崎商、伊勢崎清明、富岡など力のある公立勢も控え、混戦が予想される。

 2年前の夏の甲子園で、初出場ながら全国制覇した前橋育英は、エース久保田が制球力に磨きをかけた。森田、井古田、兵頭には長打力もあり、春の県大会決勝では3併殺と守備も堅い。

 健大高崎は3季連続の甲子園出場を狙う。左の川井、右の橋詰に続く3番手投手が連戦でのカギを握る。柴引、柘植ら主軸は勝負強く長打も期待できる。

 桐生第一は経験豊富な右腕山田を中心に守り勝つ。俊足好打の吉田、柳谷らが好機を作る。

◇千葉「専大松戸、充実の三本柱」

 春の県大会を連覇した専大松戸や今春の選抜に出場した木更津総合、昨夏覇者の東海大望洋など実力校がそろい、激戦の様相だ。

 専大松戸は球速140キロ超の原のほか、角谷、春の県大会決勝で完投した稲荷田と投手陣が充実。昨夏から主軸の渡辺、高田が引っ張る打線は、春の県大会決勝で15安打10得点と強力だ。

 木更津総合は早川、鈴木の左右の二本柱を擁し、小池、檜村の二遊間を中心に守備は堅い。東海大望洋は甲子園を経験したエース原田を捕手峯尾のバッテリーを軸に、連覇を狙う。

 昨秋の県大会準優勝の松戸国際や、春の県大会で準優勝した沼南など公立勢にも注目が集まる。

◇東東京「二松学舎大付、経験強み」

 昨夏代表で今春の選抜にも出場した二松学舎大付が一歩リード。春の都大会4強の関東一、同8強の帝京、江戸川が続く。

 二松学舎大付は昨夏から2季連続で甲子園を経験した主将北本、2年生バッテリーの左腕大江と捕手今村らを中心に連覇をめざす。関東一のオコエは俊足巧打。右腕田辺、左腕阿部ら投手陣の仕上がりがカギを握る。

 帝京は投打のバランスがいい。稲毛田、伊藤は変化球が多彩で、攻撃では小技が光る。江戸川は都立勢で唯一、春の都大会8強。粘り強い守備が持ち味だ。

 秋春の都大会16強の墨田工も有力。修徳と城東は勢いがある。速球派投手を擁する東亜学園と堀越も上位をうかがう。

◇西東京「東海大菅生・日大三競う」

 今春の選抜出場の東海大菅生、春の都大会優勝の日大三、打線に厚みがある早稲田実を中心に混戦模様だ。

 東海大菅生は投打の軸、勝俣を中心に手堅く勝負強い。日大三は春の都大会決勝で25得点するなど伝統の強力打線が健在だ。

 早稲田実は強打の捕手加藤と、注目の1年生清宮が打線の主軸を担う。佼成学園は140キロ超の小玉を擁して春の都大会準優勝。八王子の左腕横森も制球がよい。いずれも2番手以降の投手が課題で、継投のタイミングが勝負を分けそう。

 昨夏代表の日大鶴ヶ丘、投手陣がそろう早大学院、機動力がある国士舘のほか、一昨年夏準優勝した都立の日野も上位を狙う。

◇神奈川「打倒東海大相模へ全力」

 混戦模様だが、昨夏優勝の東海大相模が一歩リード。昨夏の神奈川大会決勝で20奪三振の右腕吉田と、背番号1の左腕小笠原はともに140キロを超える直球と、スライダーが持ち味。打線にも切れ目がない。

 恩地と中川が投打の柱の桐光学園、慶応、横浜隼人ら強豪校が「打倒相模」を掲げて挑む。ノーシードから優勝を目指す横浜も投手陣が充実し、188センチの長身右腕の望月を擁する横浜創学館にも注目だ。

 公立にも期待がかかる。春の県大会準優勝の相模原は、140キロ超の速球で勝負する宮崎がカギを握る。春の県大会で、昨秋を制した平塚学園を下して初めて4強入りした橘は、勢いを夏につなげられるか。

◇山梨「東海大甲府、右腕にキレ」

 春の関東関東大会出場の4校を中心に強豪校の実力が伯仲し、混戦が予想される。

 春の県大会を制した東海大甲府は球のキレで勝負する右腕菊地を軸に連覇を狙う。五十嵐、平尾ら守備陣も堅い。選手層の厚さも強みだ。

 帝京三はエース茶谷が投打の柱。中尾も完投能力がある。関東大会で本塁打を放った山本ら打撃陣とかみ合うと強さを見せる。

 昨夏準優勝の日本航空は2年生エース片岡が冬を越えて成長し、安定感を見せる。春の県大会準優勝の甲府工も公立の強豪校として注目だ。

 昨夏4強の日川、山梨学院大付、好投手石原を擁する甲府城西も上位進出が期待できる。

(朝日新聞より関東・東京地区のみ抜粋)

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