強豪校にピッチングマシン人気 浦和学院など続々導入

 150キロの豪速球やボールが微妙に変化する「ツーシーム」など、15通りの球種・球速を投げ分けられるピッチングマシンが、高校野球の打撃レベルをさらに進化させている。浦和学院や智弁和歌山、大阪桐蔭と、導入した甲子園常連校も増加している。

繰り出す15通りの球種・球速

 開発・製造したのは足利市問屋町のスナガ開発。ゴルフ練習場やバッティングセンターといったスポーツレジャー施設の開発や機器類の製造をしている。日進月歩の開発競争が続くピッチングマシンの世界で、指折りの技術力をアピールしてきた。

 1978年に第1号機を世に送り出した後、アーム式マシンや縦型2ローターマシンなどの製品を次々と開発。2年間の研究開発を経て2010年に登場させたのが、Y字型に配置された3ローター式で15通りの球種・球速を投げ分ける「SR-91」だった。

 15年ほど前から、打者の手元で直球が微妙に変化してミートをはずすツーシームなどの球種が大リーグや日本のプロ野球でも広がっていた。一方、同社営業部の塙泰明さん(35)によると、従来のピッチングマシンはカーブやシュートなど3、4種類しか対応できなかった。多彩な変化球をマシンで再現できないか――社内で模索が続いていた。

 そんな時、ローターの動きと球種の関係を研究していた金沢大工学部の研究グループを知った。金沢大側は理論面から、スナガ側はマシン機能などの技術面から共同研究に取り組んだ。

 研究が結実したSR-91は、ローターにサスペンションを設けることでボールの傷み具合や縫い目の状態に影響されず、変化球を一定の球筋に保てるように。タッチパネル操作で70~150キロの球速と、カーブやシュート、シンカー、フォーク、ツーシームなど多彩な球種が可能になった。

 発売前には智弁和歌山の選手にマシンの性能を確かめてもらった。「甲子園クラスになると140キロを投げる投手は当たり前になってきた。このマシンでは150キロも可能」と塙さん。導入したある高校はライバル校の投手の投球パターンをマシンで再現して練習に励んだという。

 地元栃木の白鴎大足利の藤田慎二監督は「140キロの速球で練習しているが、球のばらつきがないので選手たちも思い切って踏み込んで打つことができる」と話す。価格は1台240万円で簡単には導入できないが、健大高崎など群馬県勢が積極的に導入しており、埼玉では浦和学院が使っている。

 現在、球速と球種の組み合わせを500通りに変えられる機種を開発中で、今年末から来年初めに販売予定だ。

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