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◇浦学、打ち勝って連覇 徳栄に6-4

 秋季高校野球大会最終日は4日、県営大宮球場で決勝と3位決定戦が行われ、2年連続の選抜大会出場を狙う浦和学院が花咲徳栄に6-4で打ち勝ち、2年連続14度目の栄冠に輝いた。3位決定戦は春日部共栄が狭山ヶ丘を3-1で下し、5年ぶり13度目の関東大会出場を決めた。関東大会は31日に県営大宮、市営大宮球場で開幕し、11月4日に決勝が実施される予定。組み合わせ抽選会は21日に行われる。

浦和学院―花咲徳栄 3回裏浦和学院無死一塁、諏訪の二塁打で一塁走者杉山(右)が生還する。捕手野本=4日、県営大宮球場

浦和学院―花咲徳栄 3回裏浦和学院無死一塁、諏訪の二塁打で一塁走者杉山(右)が生還する。捕手野本=4日、県営大宮球場

 浦和学院は一回に諏訪の右前適時打で先制すると、三回に諏訪の適時打と幸喜のスクイズで2点を追加。四、五回にも犠飛で着実に加点し、七回2死二塁では梶山が右前適時打。投手陣は辻、大沢、榊原の継投で逃げ切った。

 春夏連続の甲子園出場を目差した今夏の大会は、準決勝で白岡に1-4と屈辱の敗戦を喫した。選抜大会4強の強力打線が沈黙し、公立校の勢いにのみ込まれた。森監督は「負けることへの危機感、侮りという部分で、僕と選手たちの間に溝があった。経験の差で理解はできなくとも、理解しようという意識が欲しかった」と振り返る。

 ナインに不足していた”意識”の向上を課題に始動した新チーム。昨季から主力の諏訪が主将として声をからして鼓舞し続け、引退した3年生も毎日練習に参加して下級生を支え続けた。エース右腕の榊原は「3年生のためにも、上へつながる大会に勝つことができて良かった」と先輩たちへの感謝を口にする。

 諏訪は「自分が声を掛けるとつなげてくれる」と、まとまりの良さを特長に挙げる。指揮官は選抜大会4強の前チームと比べ、「伸びしろは今年が勝る」と期待を込める一方で、「現段階での仕上がりは去年の方が上」と現状を見つめる。関東大会まで1カ月弱、勝ち進むことで手にした時間が、ナインの成長を加速させることは間違いない。

◇浦学、2年連続14度目V 果敢に攻撃 前半決着
浦和学院-花咲徳栄 1回裏浦和学院無死一、三塁、諏訪が右前に先制適時打を放つ。捕手野本

浦和学院-花咲徳栄 1回裏浦和学院無死一、三塁、諏訪が右前に先制適時打を放つ。捕手野本

 秋の決勝で7度目の顔合わせとなった両雄の激突は、浦和学院の長年培ってきた勝負強さに軍配が上がった。

 県大会出場校による投票で第1、第2シードに推された2強が前評判通りに勝ち上がり、相まみえた決勝。県内屈指のエース左腕高橋昂を温存した花咲徳栄に対し、浦和学院打線は序盤から果敢に攻め立てた。

 一回の攻撃。先頭の家盛が四球を選び、杉山が右前に運ぶヒットエンドラン。無死一、三塁の好機をつくり、諏訪の右前適時打で難なく先制点をもぎ取った。

 三回無死一塁の場面でも一塁走者杉山が果敢にスタートを切ると、諏訪が右中間へ適時二塁打。本塁への悪送球を逃さず諏訪が三塁へ進み、幸喜がきっちりスクイズを決めた。機動力を絡めた攻撃で2点を加え、四、五回も犠飛で差を広げた。

 土壇場まで追い詰められた準々決勝の川越東戦でナインは力不足を痛感した。「優勝は森先生のおかげで、自分たちの力ではない。最後に校歌を歌えたことが不思議」と主将の諏訪。それでも自分たちの現状を把握し、役割を徹底して戦うことができたのは大きな強みだ。優勝の喜びに浸ることなく、試合後はすぐさまベンチで反省会を開いた。

 今夏の甲子園8強のライバルを破った森監督だったが、「高橋君との対戦を果たせなかった。彼を意識したチームづくりをしないといけない」と本音を隠さない。「きょうの勝利は本当の喜びに達していない。お互いに真剣勝負をするときは必ず訪れる。楽しみは取っておきたい」。互いに切磋琢磨(せっさたくま)した戦いを来夏まで見据えていた。

◇諏訪主将、打力でけん引

 昨夏の悔しさを誰よりも知る浦和学院の主将で3番の諏訪が先制、勝ち越し打を含む4安打2打点で打線をけん引した。

 一回、前を打つ家盛と杉山の1年生コンビが無死一、三塁の好機をつくると、「狙っていた」という直球が内に甘く入ってくるのを見逃さず右前へ痛烈な適時打。花咲徳栄の先発清水にいきなり先制パンチを浴びせた。

 同点に追い付かれた後の三回には先頭の杉山が死球で出塁。ここで森監督のヒットエンドランのサインに応えて外角の直球を右中間に運び、一塁から一気に杉山が生還して勝ち越しに成功した。

 六回は3打点目こそ逃したが中前打、八回にも左前打を放って得点機を演出した。それでも最後は2点差で逃げ切る形になり、「自分たちの甘いところが出て八回に3ランを打たれた。偶然ではなく必然」と受け止める。

 前チームから残るレギュラーの1人として優勝にも満足せず気を引き締める。関東大会へ「きょうは最後まで集中力がなくてふがいない結果になった。今のチーム状況では足りない」と残り1カ月での成長を誓った。

◇辻、初先発 力投も反省

 公式戦初先発だった浦和学院の辻は七回まで1失点で試合をつくったものの、八回に浴びた3ランを反省した。

 1死から安打と四球でピンチを招き、「走者を出してからの四球がよくなかった」と振り返る。決勝の舞台にも臆せず「みんなの力でここまで来られたので少しでも力になりたかった」と変化球を軸に打たせて取る投球を見せた。

 準々決勝の川越東戦では好救援してサヨナラ勝ちを呼び込んだ。関東での登板を見据え「チームに流れを持ってくる投球をしたい」と意気込んだ。

◇貴重な打点 チーム鼓舞 梶山

 浦和学院の7番梶山が貴重な中押し点、ダメ押し点をたたき出した。

 五回1死一、三塁、中犠飛でチーム5点目を稼ぐと、七回2死二塁では右前打で6点目。最後は追い上げられたため、結果的に大きな2打点だった。序盤から小刻みに加点し、「(森監督から)一回ごとの戦いだと言われていた。また次の回に追加点、という気持ちだった」と好機を生かした。

 守っては捕手として3投手をリード。次の目標の関東制覇へ「課題を克服して優勝できるように頑張りたい」と意識した。

◇甘さと遅れ 課題明確 花咲徳栄

 花咲徳栄は絶対的エース・左腕高橋昂を疲労を考慮して休ませ、1年生右腕清水を先発マウンドに送り込んだ。

 その時点である程度の失点は覚悟の上で、いかに点を奪うかが焦点だった。だがプレーボールからどこかちぐはぐでリズムが生まれない。

 八回に隈本の3ランで一矢報いたもののエンジンのかかりは遅く、4-6のスコア以上の完敗。岩井監督は「打ち合いになって勝てるチームにまだなっていない」と渋い表情で回想し、続けて「根性とか粘り(がない)という言葉で片付けたくない。準備不足。メンタル面の甘さ」と精神面の弱さも指摘した。気持ちが引けて勝てるほど浦和学院は優しくなかった。

 夏の甲子園大会に出場した新チームの始動は準々決勝で東海大相模(神奈川)に敗れた2日後の8月19日。あらゆる面での仕上がり、整備が遅れていることは確かに否めない。この状況で関東切符を勝ち取ったことは、何にも代え難い収穫と言える。

 それでも前チームからのレギュラーで主将の岡崎は「それは言い訳にはしたくない。3点取られたら4点、10点取られたら11点取れるような攻撃力をつけたい」と足元と今後を見詰める。高橋昂は今月31日に開幕する関東大会へ「トクハル史上2季連続の甲子園出場は達成できてない。新しい歴史を自分たちの代でつくりたい」。敗戦を肥やしに、心身両面での成長を目指す。

(埼玉新聞)

◇チーム導く一打 主将の覚悟示す 浦学・諏訪選手
一回裏浦和学院無死一、三塁、諏訪は右前へ先制適時打を放つ

一回裏浦和学院無死一、三塁、諏訪は右前へ先制適時打を放つ

 一回裏無死一、三塁。1年生コンビが安打などで好機をつくった。浦和学院の3番を打つ諏訪賢吉(ただよし)主将(2年)は心に決めて打席に入った。「主将としての覚悟を示す」

 待っていた内角直球を右前にはじき返す。先制点に思わず塁上でガッツポーズが出た。

 決勝前、引退後も練習のサポートをしてくれている3年生から声をかけられた。「花咲徳栄の方が上なんだから割り切ってやるしかないよ」。言葉に助けられ、のびのびとした打撃でこの試合4安打。チームを引っ張る結果を出し、夏の埼玉代表を破った。

 しかし、試合後は反省の言葉が続いた。終盤の相手の3点本塁打は「チーム全体に流れていた甘いムードをとめられなかった自分のせい」。優勝しても浦和学院の選手は喜びの表情を抑えていた。諏訪主将は「次は関東制覇を目指します」。早くも1カ月後に気持ちは向いていた。

(朝日新聞埼玉版)

◇諏訪主将、夏を糧にチーム引っ張る

201510050804 初回無死一、三塁から内角の直球を右前にはじき返し先制すると、ベース上で「シャーッ」と雄たけびを上げて、右拳を握った。「新チームを引っ張り、イケイケのリズムにしたかった」と試合後、ほおを緩ませた。三回には勝ち越しの適時打も放ち、4安打2打点と勝利に大きく貢献した。

 今夏の県大会では、優勝最有力候補だったが、準決勝で敗れた。レギュラーとして出場し、4打数2安打と活躍したが、ショックは大きかった。負けた翌日から、新チームの練習が始まった。「試合に出ていた経験があるので、今後は自分がみんなを支える」と気持ちを切り替えた。

 自ら率先して動き、つらい時こそ声を掛けることを意識した。同じく昨年からスタメンでライバル関係の幸喜勇諮(こうきゆうし)選手(二年)は諏訪主将を「チームをまとめようとしているのが日々の練習で伝わってくる」と話す。

 関東大会まで残り約一カ月。「大会の会場が埼玉なのでやりやすい。関東制覇します」と力強く語った。

(東京新聞埼玉版)

 試合結果
 県大会決勝 10月4日(県営大宮球場)
TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
花咲徳栄 0 0 1 0 0 0 0 3 0 4 6 1
浦和学院 1 0 2 1 1 0 1 0 x 6 13 0
【花】 清水、瀧口-野本
【浦】 辻、大澤、榊原-梶山
隈本(花)
諏訪、山本、杉山(浦)
 浦和学院打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
家盛 1 0 1
杉山 3 2 0
諏訪 5 4 2
前田 4 0 0
幸喜 3 1 1
武富 0 0 0
9 小澤 4 2 0
1 榊原 0 0 0
梶山 3 2 2
山本 4 1 0
1 1 0
1 大澤 0 0 0
H9 仲田 1 0 0
29 13 6
 花咲徳栄打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
千丸 5 1 0
高橋哉 4 1 0
岡崎 3 2 1
隈本 4 2 3
楠本 2 0 0
山本 4 0 0
西銘 4 0 0
清水 2 0 0
H 西川 1 0 0
1 瀧口 0 0 0
H 大林 1 0 0
野本 3 0 0
33 6 4
 投手成績
TEAM 選手名 被安打 奪三振 四死球 失点 自責点
浦和学院 7 1/3 6 4 3 4 4
大澤 0 2/3 0 0 1 0 0
榊原 1 0 0 0 0 0
花咲徳栄 清水 6 11 0 3 5 4
瀧口 2 2 2 3 1 1
TEAM 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 併殺 残塁
浦和学院 2 6 6 0 0 0 11
花咲徳栄 4 4 0 0 1 1 6

 13安打で6点を奪った浦和学院が花咲徳栄に打ち勝った。一回に諏訪の適時打で先制すると、三回には無死一塁から再び諏訪が右中間へ適時二塁打。相手の中継が乱れる間に諏訪が三進し、幸喜のスクイズも決まった。四、五回と犠飛で突き放し、七回にも2死二塁から梶山が右前適時打を放った。投げては辻、大澤、榊原の継投で逃げ切った。

 花咲徳栄は先発の右腕清水が6回5失点。5点を追う八回に隈本の右越え3ランで追い上げたが及ばなかった。

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