春夏狙う共栄軸に混戦 全国高校野球埼玉大会あす開幕

 第101回全国高校野球選手権埼玉大会は10日、県営大宮球場で連合4チームを含めた152チーム(163校)が参加して開幕する。

 優勝争いは、春夏連続の甲子園出場と県内3冠が懸かるAシード春日部共栄を中心に、初のAシードから挑む浦和実、春季関東大会で県勢唯一の4強入りを果たしたBシード山村学園、さらに昨夏の南・北埼玉大会王者のノーシード浦和学院とCシード花咲徳栄が加わり、混戦模様だ。

 昨秋の県大会で準優勝し、春も4強入りしたBシード東農大三のほか、昌平、埼玉栄ら地力のあるCシード勢、聖望学園、市川越、上尾(いずれもDシード)などの実力校が虎視眈々と頂点を狙う。

 1校の甲子園切符を懸けた熱戦の行方を四つのゾーンに分けて探った。

春日部共栄-昌平ゾーン「本命に迫る実力校」

 総合力で一歩リードするAシード春日部共栄をCシード昌平、Dシードの聖望学園と松山、ノーシード川口などが追う展開になりそうだ。

 春日部共栄は、エース右腕村田が頼もしい。最速147キロを誇り、スタミナも申し分なく連投にも強い。ただ夏のマウンドは未経験。平尾、村田、石崎の主軸ら切れ目のない打線が早めに援護できるか。序盤から、ふじみ野、栄北など侮れない相手との戦いが続くが、右腕武藤や右横手投げの三枝ら控え投手の力も借りて終盤戦に備えたい。

 本命崩しの1番手に挙げられる昌平も投打のバランスがいい。プロ注目のエース左腕米山は最速143キロの直球とスライダーが生命線。打線は千田、渡辺、吉野哲の昨年の主力に、強打者の1年生吉野創が加わり厚みを増した。下級生で形成する上位、中軸は勢いに乗ったら手が付けられない。

 聖望学園は柱不在の投手陣を、長打に小技や足を絡めた多彩な攻撃と野手の守備力で補う。聖望学園と初戦で激突する川口は昨秋、今春ともに地区予選敗退と苦しんでいるが、夏に強いイメージがある。昨夏の南埼玉大会で準優勝へ導いた右サイドのエース岩城と捕手高橋のバッテリーが健在で、不気味な存在。

 春季県大会3回戦で春日部共栄を苦しめた松山は、エース左腕吉田の復調が好材料。だが、滝島監督の教え子の加藤監督が指揮を執る小鹿野との初戦から気が抜けない。3回戦で対戦しそうな武南も2年生が主体ながら、力のある好チームだ。

花咲徳栄-東農大三ゾーン「2強が再び激突か」

 前人未到の5年連続の甲子園出場を狙うCシード花咲徳栄と、秋春と2季連続で関東大会に駒を進めたBシード東農大三の2強が軸になりそうだ。準々決勝で春の再現なるか。

 花咲徳栄の打力は頭一つ抜けている。昨夏の甲子園を経験した橋本吏、韮沢、井上、羽佐田の2~5番が中核を成す攻撃陣の破壊力は全国でもトップクラスだ。ただ、投手陣に絶対的な柱がいない分だけ、春の準々決勝で東農大三に敗れたときのように失策が絡むと苦しい。無駄な失点を極力抑え、打ち勝ちたい。

 投手力で上回る東農大三は、春季県大会で花咲徳栄打線を相手に5失点完投したエース右腕飯島の出来が鍵を握る。野手兼任の2番手井口は右スリークオーターから140キロ前後の速球で打たせて取る。打線に派手さはないが、1番加納らが積極的に仕掛けて、そつなく点を重ねる。

 春季県大会2回戦で浦和学院を撃破したDシード叡明は、右横手投げの滝口とエース右腕中村一が試合をつくる。強化を図ってきた打線が機能すれば、春以上の躍進も狙える。同じくDシードの所沢商は、エース右腕甲田将がキレのある直球と制球力で打たせて取る。粘り強く接戦に持ち込み勝機を広げたい。

 昨秋の県大会で浦和学院を破った白岡は、春に雪辱されたが延長十二回の接戦を演じ実力を証明した。秀明英光も春季県大会2回戦で山村学園と延長十二回を戦った実力の持ち主。このほか、市浦和、本庄東、伊奈学園、正智深谷も侮れない。

西武台-山村学園ゾーン「新鋭充実で頭一つ」

 投打に戦力が充実している創部12年目のBシード山村学園が4強入りへ最有力候補。Cシード西武台、熊谷商と川口市立のDシードの伝統校が追い掛ける構図だ。

 山村学園は、3度目の夏を迎える左腕和田が絶対的な柱だ。マウンド経験は豊富で頼れるが、1年生右腕小泉や、右腕伊織と左腕河部の両3年生も力があり、エースを適度に温存しながら戦えるのが強み。3番小林ら関東大会で一皮むけた打線は勝負どころで一気に畳み掛ける迫力がある。

 春季県大会準々決勝で山村学園に惜敗した西武台は、準々決勝で雪辱の機会をうかがう。1番加藤を筆頭に、足を絡めた機動力野球は魅力だ。エース左腕神山のほか、井原、松岡の両右腕、左腕増田ら投手層も厚い。

 川口市立は、身長186センチから投げ下ろすエース左腕中島に期待。春から調子を上げてきた打線がつながれば上位撃破の可能性を秘めている。熊谷商のエース右腕関口は最速145キロを誇る注目の速球派。伝統の強打と、どこからでも走れる機動力で勝負する。

 ノーシードにも実力校が潜んでいる。

 昨秋県4強の立教新座は長打力のある吉沢を軸に連打で打ち勝つ。昨夏の北埼玉大会4強の滑川総合は積極的な走塁で好機を広げ点をもぎ取る野球。本庄第一はフルスイングを徹底する打撃力が売りだ。創部2年目で初出場の浦和麗明は1、2年生のみだがエース右腕沢野と捕手吉沢を中心にまとまりがあり、初戦の2回戦で西武台に挑む。

浦和実-埼玉栄ゾーン「最激戦区、波乱含み」

 Aシード浦和実、Cシード埼玉栄、市川越と上尾のDシード勢に、ノーシードの浦和学院が加わった最激戦区だ。ほかにも、川越東や大宮東などの実力校がひしめき、どこが4強入りしても不思議ではない。

 投手力で優位に立つ浦和実は、県内随一の直球の威力を誇る2年生右腕豆田からエース右腕三田につなぐ必勝の継投に、復帰した右腕久野が加わり、さらに充実した。リードする捕手竹内は打線の中軸も担う攻守の要。攻撃陣の援護が鍵になり、浦和学院が待ち構える4回戦が最大のヤマ場と言っていい。

 その浦和学院は昨秋、今春ともに県大会2回戦で敗退したものの、左腕下薗、右腕美又ら投手陣は県内屈指。捕手畑、二塁手後藤、遊撃手中前と、昨夏の甲子園8強を経験した野手を中心に要所で一本出れば、混戦を勝ち抜くだけの地力は十分に備えている。

 埼玉栄は強打者の1番北口が攻撃陣をけん引する。さらに、昨夏から4番に座る長距離砲の和田は得点源で佐々木、江城と好打者が続く打線は強力。市川越はエース左腕和田を軸にした投手力が武器。機動力と長打力を兼ね備える1番杉や、原田、瀬良、木口ら中軸に勝負強さがある。

 昨夏の北埼玉大会準優勝の上尾はエース左腕寺山と右腕松山の2枚を中心とした堅守と二階堂、小林が軸になる打線に注目だ。大宮東のエース島村は最速143キロの好右腕。昨夏の南埼玉大会4強の川越東、同8強の朝霞も意地を見せたい。

(埼玉新聞)



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