【写真】「彩の国功労賞」を贈呈された浦和学院野球部の選手ら=19日午前、さいたま市浦和区の知事公館(埼玉新聞)
春の選抜高校野球大会で初優勝し、埼玉県勢では45年ぶりの全国制覇を成し遂げた浦和学院に19日、県民に夢と感動を与えたとして、県から「彩の国功労賞」、さいたま市から「さいたま市長特別賞」が贈られた。小沢友紀雄校長や森士(おさむ)監督、選手らが県庁とさいたま市役所を訪れ、上田清司知事と清水勇人市長に優勝を報告、表彰を受けた。
県勢の優勝は1968年春の大宮工業以来、2度目の快挙。紫紺の優勝旗を手に登場した浦和学院野球部一行は、職員らから盛大な拍手で歓迎を受けた。山根佑太主将はこれまでの応援に謝意を表し、「夏も日本一を目指して頑張ります」と決意を述べた。
◇浦和学院に彩の国功労賞 「夏にまた日本一を」県から地産黒豚1頭分
【写真】上田清司知事(右)に優勝記念ボールを手渡す浦和学院の山根佑太主将(左)と笑顔の森士監督=19日午前、さいたま市浦和区の知事公館(埼玉新聞)
春の甲子園を初制覇した浦和学院に19日、県から「彩の国功労賞」が贈られた。さいたま市浦和区の知事公館で行われた贈呈式には、小沢友紀雄校長や森士(おさむ)監督、山根佑太主将をはじめ、ベンチ入りした選手らが優勝旗と優勝杯を持って出席。上田清司知事から表彰を受けた選手たちは「夏にもう一度甲子園に戻り、日本一を目指します」と決意を述べた。
同賞は県民に明るい希望と活力を与えることに多大な功績のあった団体・個人を表彰するもの。受賞者は木下サーカス(2002年、12年)に次いで2団体目。式では県高校野球連盟の大塚英男会長から浦和学院の甲子園での活躍が報告された。
上田知事は「県民に夢と感動を与えてくれた。720万人を代表し、心から感謝します。夏の甲子園でも優勝し、名実ともに日本一のチームになることを心から祈っています」と春夏連覇に期待を寄せた。
決勝戦では五回から県のマスコット「コバトン」の縫いぐるみを持って応援したところ、打線が爆発したエピソードを披露。「勝利を呼ぶ鳥になりました」と、コバトンの縁起の良さにも触れた。
山根主将は「たくさんの応援を頂き、ありがとうございました。五回からはコバトンのパワーが全員のバットに乗り移り、決勝の舞台で大きく羽ばたくことができました。夏にもう一度甲子園に戻り、日本一を目指して頑張ります」と力強く述べた。
小沢校長は「優勝できたのは、知事をはじめ応援してくださった皆さんのおかげ。夏に深紅の優勝旗を埼玉県に持ち帰れるよう、今後も応援をよろしくお願いいたします」と述べ、細田徳治県議会議長は「今後も全員野球で県民に感動を与えてください」とエールを送った。
副賞は、埼玉のブランド豚「彩の国黒豚」1頭分の肉(約45キロ)。知事は「黒(星)と苦労を食べ尽くし、残りは白(星)だけになりますよ」とユーモアを交え、山根主将は「おいしくいただきます」と満面の笑みを浮かべた。
浦和学院から県には、優勝記念のペナントと選手全員のサインが入った直径18センチのボールが贈られ、同日から県庁1階の県民案内室に展示された。
◇市民に優勝を報告 さいたま市役所訪問
【写真】多くの人が見守る中、さいたま市に優勝報告をする浦和学院高校野球部の選手たち=19日午後、さいたま市役所(埼玉新聞)
知事公館を訪問した浦和学院の選手らはその後、さいたま市役所に移動。大勢の市民たちが待ち構える中、市役所駐車場に設置された特設会場に優勝旗を持って現れ、市民たちに優勝を報告した。
森士監督は「市民の皆さまに多大なるご支援、ご声援を頂き、選手たちは一戦一戦力をつけ、優勝旗を持ち帰ることができました。優勝するってこんなに素晴らしいことなんだなと、あらためて感じました」と優勝を報告。一人ずつ紹介された選手らは「応援ありがとうございました」と感謝の気持ちを口にした。
清水勇人市長は「爽やかに、前向きにプレーした皆さんの姿は忘れることができません。夏に向けてさらに鍛え、春夏連覇を」と選手たちをたたえ、夏の大会での活躍を期待。同校と森監督に市長特別賞が贈られた。
会場を訪れた同市南区の主婦(53)は「優勝はすごい。並の努力ではなかったと思う」と感激した様子。同市浦和区のパート桂嶋玲子さん(47)は「ずっと優勝旗を持って帰ってきてほしいと思っていたので、夢みたい。夏はまず県代表になって、深紅の優勝旗を」と話していた。
(埼玉新聞)