◇県民歓喜、悲願の頂点 県勢45年ぶりの快挙
春夏合わせ、浦和学院としては20度目、森監督にとっても18度目の甲子園挑戦で悲願の全国制覇に輝いた。県勢としては1968年の大宮工以来、45年ぶり2度目の栄冠獲得。埼玉県民も特別な”春”の訪れに、心を躍らせた。
甲子園での全5試合のスコアは初戦の2回戦・土佐(高知)戦から4-0、11-1、10-0、5-1、17-1。大会タイ記録の3試合連続本塁打を放った 4番高田がけん引した強力打線と、制球力抜群の2年生エース・左腕小島を看板に、初の頂点に上り詰めたチームとは思えないほど、その戦いぶりは盤石だっ た。
チーム打率は3割5分1厘で総得点は42。山形中央との3回戦から決勝までは4試合連続2桁安打、うち3試合は2桁得点を奪った。投手陣は小島がほぼ一人で投げ抜き、42回を自責点3(防御率0・64)。バックも5試合で1失策と左腕を強力に援護した。
中でも済美(愛媛)との決勝は、圧巻のひと言だった。0-1の五回に、プロ注目の剛腕・安楽に襲い掛かり5連打を含む8安打7得点。その後も着実に加点すると、小島も1失点に抑え完投。18安打を放ち、17-1という歴史的大勝で初優勝に花を添えた。決勝戦での16点差は、選抜大会史上2番目の得点差だった。
優勝の瞬間、マウンドで人さし指を突き上げて、喜びを爆発させた浦和学院ナイン。感極まり泣く選手もいた。インタビュー台に立った森監督は「本当にうれしいのひと言。選手がよくやってくれました。夢のようですね」と、至福の表情でまな弟子たちに賛辞の言葉を贈った。
(埼玉新聞)