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浦和学院が関東連覇 習志野に4―0で快勝

◇浦和学院が関東連覇 東洋大はリーグ優勝

 埼玉県勢が19日、高校、学生野球でそろって優勝した。浦和学院が春季関東高校野球大会、川越市を拠点に活動している東洋大が東都大学野球春季リーグ1部で2季ぶり15度目の頂点に立った。

 茨城県の水戸市民球場で行われた第62回春季関東高校野球大会最終日で埼玉代表の浦和学院が4-0で習志野(千葉)を下し、2年連続3度目の優勝に輝いた。同大会での県勢の連覇は、1948年の春季関東新制高校野球大会を制した熊谷と、翌年の第1回春季関東高校野球大会で優勝した本庄以来61年ぶり。同一校では県勢初。他県を含めた同一校の連覇も第49、50回大会を制した横浜(神奈川)以来12年ぶり2校目となった。

 浦和学院は決勝で習志野を投打に圧倒した。左腕・萩原大-右腕・南の両投手の継投で相手打線を4安打に封じると、打っては三回に敵失で先制。五回には3番・星の右翼線への2点適時二塁打が飛び出し、六回にも8番・南の右犠飛で追加点を奪った。

 花咲徳栄に敗れ、春季県大会の連覇を逃した浦和学院は今大会、1回戦で水戸桜ノ牧(茨城)に13-4で快勝すると、2回戦では桐光学園(神奈川)との接戦を3-2で制した。続く準々決勝で日川(山梨)を11-4で退け、準決勝は7-6で前橋商(群馬)に逆転勝ちした。

 森士監督は「5試合をやって体力的に目いっぱいだったが、連覇は素直にうれしい。選手に感謝したい」と話した。

◇浦和学院 投打に磐石 戦力厚く2年連続頂点

(19日・水戸市民)

 最終日は決勝が行われ、浦和学院が4-0で習志野(千葉1位)を下し、2年連続3度目の優勝を果たした。

 浦和学院は三回1死三塁で石田の一ゴロが敵失を誘い先制。五回には2死二、三塁の好機をつくり、星の2点二塁打で加点した。六回にも南の犠飛で得点した。

 投げては先発の萩原大が一回1死満塁のピンチを切り抜け、波に乗った。五回から継投した南は四球で崩れかけたが、1安打しか許さず、最後まで投げ切った。

 【戦評】

 投打に磐石の戦いを見せた浦和学院が習志野に付け入る隙を与えず快勝した。

 浦和学院は登板した2人がそれぞれ最初のピンチを抑えて流れを引き寄せた。先発の萩原大は一回1死満塁とされたが、右飛でタッチアップを狙った三塁走者を海野が捕殺。五回から継投した南は連続四球で無死一、二塁としたが、続く3人を連続で三振に打ち取った。打線は三回に敵失で先制すると、五回に星が右翼線を抜ける2点二塁打。六回にも南の右犠飛で着実に加点した。

◇誓い果たす一打 勝利へ一直線

 エースとの誓いを果たした。準決勝で無安打と結果を出せなかった3番の星は、同じく2回5失点で降板した南に「絶対抑えると言ってくれたので、自分も絶対打つと言った」と約束。五回2死二、三塁で勝利を手繰り寄せる適時二塁打を放った。

 県大会では1番を任され、10打席以上ではチーム一の打率4割2分3厘をマーク。今大会も19打数8安打と好調を持続した。主将も担う背番号8は「投手が崩れたとき、しっかり守ってどれだけ点を取れるか」と夏への課題を挙げ、引き締めた。

◇強気な陰の立役者

 五回から登板した南が連続四球を出すと、すかさずマウンド上にナインが集まった。中心にいたのは捕手の久保だ。続投を志願したエースに「ど真ん中に投げてこい。投げるなら抑えろよ」と気合を入れると、ナインには「守ってやろうぜ」と明るく一声。直球を主体に変化球を交えた配球で3者三振に打ち取った。

 南、阿部、萩原大の投手陣をリードし、連覇の陰の立役者になった。「メンタル面で強くなってほしい」と3人への注文も忘れない。強気な女房役は欠かせない存在だ。

◇際立つ強さ 夏へ加速

 試合前、浦和学院の森士監督は話していた。「去年の優勝もきのうの勝利も過去。未来に向けてのきょう一日がある」。あくまで本番は夏―。習志野を破っての春の関東連覇は、その布石を打つ意味で重要な1勝となった。

 投手陣は今大会5試合で南が15回、阿部が15回、萩原大が11回と一人に頼らず、分担して投げたことが収穫だ。決勝で先発した萩原大は一回のピンチを「絶対0点で抑えてやる」と併殺で脱出。準々決勝の日川戦(山梨)でコールド勝ちが決まる七回に3失点した汚名を返上した。

 五回から登板の南は先頭から連続四球を与えたが、その後は3者連続三振。習志野打線をわずか1安打に封じ、阿部の投入を準備していたベンチを安心させた。準決勝で好救援した阿部も含めて全員が役割を果たした。

 県大会から組み替えた打線は調子の戻った石田が1番に復帰し、星、原、久保の中軸が固まった。下位に落ちた萩原大が復調すればさらに厚みが増す。加えて1年生の石橋、佐藤や、これまで控えだった海野、沼田などベンチ入り18人中16人を起用。森監督も「次への経験になった」とうなずく。

 これで日本代表仕様のユニホームを着用してから無敗。指揮官は「今大会限定。また着る機会があったら」と夏は元に戻すつもりだが、その陰で着々と戦力強化を進める“ウラガクジャパン”の強さは際立っていた。「目標は全国制覇だけれど、一戦一戦、目の前の敵を倒す」と主将の星。この勢いを加速させ、真夏の戦いに挑む。

◇ピンチ切り抜けテンポ良く快投

 五回から先発の萩原大に代わりマウンドに上がった南。先発した準決勝では二回途中5失点で降板しただけに、「きょうは絶対に抑えてやろう」と意気込んで臨んだ。

 「力んでしまった」。いきなり打者2人に四球を与えたが、捕手の久保に喝(かつ)を入れられ、「冷静になれた」と後続を三者連続三振でピンチを切り抜けた。

 以降はテンポの良い投球で、習志野打線を1安打に抑えた。夏に向けてエースは「安定した力を出せるように練習します」とさらなる飛躍を誓った。

(埼玉新聞)

◇大会連覇うれしい 森士・浦和学院監督

 大会連覇は素直にうれしい。選手に感謝している。連戦で疲労が蓄積している中、どこまで勝利への気持ちを強く持てるかが決勝戦のテーマだった。夏につながる戦いができたと思う。

◇集中力持続が課題 星稜太・浦和学院主将

 守りからリズムを作って先制する野球ができた。公式戦で強いチームと対戦できたことは収穫。終盤での集中力を持続させることが課題。夏が目標なので決勝戦は強化練習。いい通過点となった。

(毎日新聞埼玉版抜粋)

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