父が米国人、母が日本人の18歳。「3位の高評価にびっくりした」。実は進学する大学も決まっていた。指名された時の興奮が、今も消えない。
埼玉・浦和学院高入学時から、潜在能力は群を抜いた。1年生の秋、監督室に呼びだされた。多くのプロ選手を育てた森士(おさむ)監督から「お前には、浦学初のメジャーリーガーになってほしい」と言われたほどだ。
片手で5個のボールをつかめ、足のサイズは30センチ。2メートル近い上背に長い手足、85キロのスリムな体形はダルビッシュ(日)をほうふつとさせる。「ダルビッシュさんほど器用ではないので、ぼくは大胆に。高い身長は他の人には得られない財産。生かしたい」。三振を奪って、ほえる時、投手のやりがいを感じる。
甲子園には出場できず、背番号「1」をつけたのも3年生の春の時だけ。好不調の波が大きいのが弱点だったが、球団は大化けして右腕の柱にと期待する。
動画サイトで、プロ選手の高校時代の活躍を見るのが趣味だ。先輩となる杉内の甲子園でのノーヒット・ノーランの投球がお気に入り。「高校野球を見ていると、必死さが伝わる」。プロの世界でも、浦学で培った気迫を武器に投げるのみだ。
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みなみ・たかき 1992年10月生まれ。米ミズーリ州出身、東京育ち。武蔵府中シニア時代から投手で全国8強。浦和学院高では2010年春の関東大会優勝に貢献。10年夏は埼玉大会4強。197センチ、85キロ、右投げ右打ち。
(朝日新聞コラム「スポーツ人物館 プロ野球新人編」より)