浦和学院のセンバツ出場が決まり、野球部の練習場に通う日々だ。坊主頭の選手たち。最初は皆同じに映ったが、練習の合間に言葉を交わすうち、それぞれの顔が分かってきた。
県内各地から通う選手がいる一方、遠く広島や茨城の親元を離れて寮暮らしの選手がいる。肉親を亡くすつらい経験を心の内にしまい込み、白球を追う選手もいた。
練習内容にも目を奪われた。「地獄の8丁目」と名付けられた練習では、グラウンドを約300メートル全力で走り、腹筋や背筋を数十回こなし、再び全力疾走。これを2時間繰り返す。見ているだけで倒れそうになったが、苦しい表情さえ見せない選手もいて、心打たれた。
コーチは日々、「みんなに応援されるようなチームになれ」と選手を鼓舞する。読む人が「ウラガク」を応援したいと思うような記事を書かなければと、思った。
(毎日新聞埼玉版)