【写真左】体感速度約150キロの球を処理する選手
【写真右】打撃練習をする選手=兵庫県西宮市の野球場(以上朝日新聞埼玉版)
第84回選抜高校野球大会で浦和学院(埼玉)は4強進出をかけ、9日目の第1試合で大阪桐蔭(大阪)と対戦する。大阪桐蔭の主戦は「ナニワのダルビッシュ」の異名を持つ藤浪晋太郎投手(3年)。強豪相手にどう立ち向かうか――。好投を続ける投手陣と、強力打線に期待が集まっている。
藤浪投手の武器は、197センチの長身から投げおろす最速150キロの直球だ。
浦和学院の選手たちは28日、兵庫県西宮市の野球場で森士(おさむ)監督からノックを受けるなどして、約2時間にわたって汗を流した。
グラウンド脇に設置されたバッティングマシンは、通常よりもホームから3メートル近い位置。球速設定は140キロで、体感速度は約150キロにもなるという。
選手たちは捕手用のマスクをつけてマシンに向かい、球を見極めながらバントで球の威力をじかに感じていた。
森監督は「好投手を擁する優勝候補のチーム。しかし、未完成の部分もある。総力戦で4、5点勝負になれば勝機も見えてくる」と分析。明石飛真主将(3年)は「実力では相手が上だが、気持ちで負けないようにしたい。速い球にも自分たちのスイングに徹したい」と意気込みを話した。
浦和学院が大阪桐蔭を破ると、選抜での4強入りは1992年の第64回大会以来。県勢では聖望学園が準優勝した2008年以来となる。
大阪桐蔭の藤浪投手は、1回戦で花巻東(岩手)の大谷翔平投手(3年)との注目投手同士の対決を制し、2回戦では九州学院(熊本)打線を6安打3失点に抑えた。直球の威力を高めようと「冬の練習では股関節の柔軟体操と走り込みに力を入れた」という。
打線の威力も十分だ。大会前までのチーム打率は今大会出場校トップの3割9分2厘。長打数は54本を誇る。1番・森友哉選手(2年)はチーム1の5割7分1厘を記録し、3本塁打と長打力もある。ほかにも打率4割超の打者が4人そろう。
一方、守備面に不安がある。西谷浩一監督は冬の間、選手一人ひとりに課題を与え、連係プレーの確認に力を入れた。水本弦主将(3年)は「全員が前に出て捕ることを心がける。失敗を恐れず、思い切りやりたい」と意気込む。
(朝日新聞埼玉版)