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浦和学院、群抜くチーム力 埼玉大会を振り返って

 第94回全国高校野球選手権埼玉大会は、浦和学院が4年ぶり11回目の優勝を決め、閉幕した。今大会から認められた部員不足の学校同士の連合チームをはじめ、157チームが熱戦を繰り広げた。期間中は天候に恵まれ、日程の変更はなかった。

 選手層が厚い浦和学院は、投打のかみ合ったチーム力で群を抜いていた。7試合でチーム打率は0.350。好調な打線に加え、足技や犠打も巧みに使った。投手陣の好調さも目立ち、5試合で失点はゼロ、大会での失点も2に抑えた。バックも堅い守備を見せ、失策は3だった。

 聖望学園は小林健、小島らが重要な場面で勝負強さを見せた。準々決勝の狭山ケ丘戦は0―2の9回1死から3点を返して逆転サヨナラ勝ち。5回戦以降をほぼ1人で投げ抜いた2年生のエース川畑は、ゆったりしたフォームから切れのある直球と変化球の制球が抜群だった。今夏の経験は来夏の優勝争いの力になるに違いない。

 川畑に引けをとらない圧巻の投球を見せたのは、47年ぶりの決勝進出を目前にして敗れた川口のエース高窪だ。全6試合55イニングを一人で投げ抜き、チームを4強に導いた。抜群のコーナーワークで浦和学院打線も苦しめた。

 昨年準優勝の春日部共栄は投手陣が踏ん張った。浦和学院を9回1点差まで追いつめた昨夏王者の花咲徳栄は2年生中心。来夏、雪辱を果たせるか期待が集まる。古豪熊谷商は準々決勝の春日部共栄戦で小野が満塁本塁打で追いつめた。狭山ケ丘、昌平も善戦した。

 春季県大会準優勝の埼玉栄は4回戦で姿を消したが、2回戦でエース本間が無安打無得点試合。優勝した南稜は春の機動力が影を潜め、3回戦で坂戸西に負けた。連合チームの「越生・鶴ケ島清風」「福岡・自由の森・上尾鷹の台」は短期間ながらチームをまとめ上げ、健闘した。

 8月8日の選手権大会開幕を待つ浦和学院以外はもう新チームが始動している。新たに8月1日から、星野が県高野連に加盟して公式戦に挑む。来夏の埼玉大会も熱くなりそうだ。

(朝日新聞埼玉版)

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