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浦和学院、前橋育英に競り勝ち4強 3年連続のセンバツへ前進

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【写真】5回裏浦和学院2死一、二塁、渡邊の中前適時打で逆転のホームを踏んだ二塁走者の服部が雄たけびを上げる=30日、上毛新聞敷島球場(埼玉新聞)

 高校野球の第65回秋季関東大会第3日は30日、群馬県上毛新聞敷島球場などで準々決勝4試合を行い、埼玉代表の花咲徳栄、浦和学院がそろって4強に進出。花咲徳栄は3年ぶり、浦和学院は3年連続となる来春の第85回選抜大会出場が確実となった。県勢2校が準決勝に進出するのは2002年の浦和学院と花咲徳栄以来、10年ぶり。

 来春の選抜大会出場が懸かる大一番で、勝ち方こそ違うが花咲徳栄、浦和学院ともに持ち味を発揮した。

 県大会準優勝の浦和学院は、前橋育英(群馬1位)に5-3で逆転勝ち。これまで同様、接戦をしぶとくものにした。

 一回に山根、高田の連続二塁打で先制したが、五回に1年生左腕小島が押し出し死球、適時打で逆転を許した。

 だがその裏、1死満塁から木暮の左犠飛ですぐさま同点。なおも2死一、二塁から代打渡邊の中前打で勝ち越し、西川の左前打で突き放した。六回には敵失で5点目。八回に1点を返されたが九回の2死満塁のピンチでは小島が落ち着いて投ゴロに打ち取った。

 第4日は31日、上毛新聞敷島球場で準決勝を行い、花咲徳栄は常総学院(茨城1位)と激突(10時)、浦和学院は宇都宮商(栃木2位)と顔を合わせる(12時30分)。ともに決勝進出を果たせば、史上初の県勢同士の決勝となる。

◇勝負分けた「冷静さ」

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【写真】5回裏浦和学院2死一、二塁、代打渡邊が中前に逆転の適時打を放つ(埼玉新聞)

 会心のゲームではなかった。打っては12安打の相手を下回る9安打。守りでも好守備はあったものの、失策と記録に残らないミスが失点に直結。

 それでも粘り強く勝って3年連続の選抜出場に大きく前進した。森監督は「不思議な勝ちだった。まだ秋。お互いにミスだらけで、最終的にチャンスで落ち着いて自分たちの野球を取り戻した方が勝つ」とひと安心した。

 逆転された後、五回の攻撃が鍵だった。相手投手の突然の乱調に乗じ、3四球で1死満塁。ここで5番木暮が2球目を捉え左犠飛で同点とし、続く代打渡邊は初球を中前に運ぶ逆転適時打。さらに西川も3球目に左前適時打を放った。「ファーストストライクから打ちにいった」と木暮。西川は「相手は球が散らばっていた」。ストライクが入らない隙を見逃さず、すべてファーストストライクの直球を狙い打ち、好球必打で再逆転した。

 守備のミスもあったが、「いつも(守備に)助けてもらっている。切れるのではなく、気持ちを切り替えて投げた」と先発小島。七、八回の得点圏のピンチと、九回2死満塁の一打同点の場面も落ち着いて切り抜けた。

 主将の高田は「びしっと締められる勝ちではない」と反省。しかし、勝ったからこそ課題を次に生かすチャンスが広がった。森監督が「まだ発展途上」というチームの未来はもう少し先にある。

◇初球を迷わず一振り 渡邊

 本来投手の浦和学院・渡邊が代打で貴重な逆転打を放った。五回に木暮の犠飛で同点に追い付いた直後、2死一、二塁で打席を告げられると、初球の直球を迷わず振り抜き、中前適時打とした。

 序盤からベンチ裏で代打の準備をし、相手投手の四球連発も「見ていなかった」。その中で「球が速かったので短く持ってコンパクトに振った」と自分の打撃に徹した。

 昨年は左のセットアッパーとして関東大会優勝に貢献。今秋の県大会決勝では約1年ぶりの公式戦登板も果たした。背番号9で、外野手の控えとして打撃センスもある。「必死だったチームに貢献できた」と打席で期待に応え、笑顔を見せた。

◇好走塁キラリ 大きな追加点 竹村

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【写真】6回裏浦和学院2死三塁、竹村が敵失の間に5点目の生還を果たす(埼玉新聞)

 浦和学院のリードオフマン竹村がきらりと光る好走塁で大きな5点目を奪った。六回1死から安打で出塁し、犠打で二進した直後。「投手が制球を乱し、打者に気がいっていた。球場も注目していない。狙い目だった」

 次打者の投球前、投手がマウンドで落ち着く間を取り、三塁手がベースに付いていないのを見ると一気に三盗した。結局は敵失で生還。三塁を陥れたことが違いを生み、「打てなければ走塁、守備がある」と納得した。

 それでも副主将は「エラーもあって、試合が終わったら得点が上だったというだけ。反省して次につなげたい」と冷静。課題を見つめながら関東3連覇を視野に入れた。

(埼玉新聞)

◇浦和学院・小島、3失点で完投

 浦和学院はエースの小島が12安打されながらも3失点で完投した。「投球内容には満足していないが、チームが勝てたことがうれしい」とほっとした表情だった。

 今夏の全国選手権大会でも登板したが、思うような投球はできなかった。4強入りで来春の選抜大会出場に大きく前進。「次に出た時に借りを返したい」と大舞台での雪辱を誓った。

(サンスポ)

◇ミスにも気持ち切り替え 浦和学院・高田涼太主将(2年)

 こん身の一打だった。

 一回裏2死二塁。好機を迎え、自らにこう言い聞かせた。「小島(投手)を助け、チームのために打ってやる」。直球を振り抜くと、鋭い打球が左中間を破った。「4番の責任は果たせたと思う」。貴重な先制打をこう振り返った。

 夏の甲子園に出場。3回戦で敗れて惜しくも8強入りを逃した。その時の悔しさが原動力になっている。毎朝の全体練習前に、1人バットを振り込んできた。

 準々決勝前日の29日、チームに帯同している明石飛真前主将に言われた言葉を大事にしている。「一つのミスで負ける。とにかく一つ一つのプレーを大切にしろ」。この日の試合も守備の乱れがあったが「気持ちを切り替えろ」と仲間を鼓舞し続けた。

 目指す3連覇まであと2勝となった。「試合ができる喜びを感じながら、相手に向かっていくだけ」。チームのけん引役が、力強く前を見据えた。

◇3年生指導に感謝 浦和学院・森士監督

 夏(の甲子園)が終わって時間がない中、何とかここまでたどり着けた。毎日後輩を指導してくれた3年生の思いが実を結んだ。3年生に感謝したい。次も一球に集中する浦学の野球をしたい。

◇3連覇を目指す 浦和学院・高田涼太主将

 外野のミスなどがあり、悔いの残る勝ちだった。だが、みんなすぐに気持ちを切り替えられたことはよかった。関東大会3連覇を目指しているが、まずは一つ一つの試合を勝っていきたい。

(毎日新聞埼玉版)

■準々決勝(10月30日)

前橋育英
000020010=3
10003100x=5
浦和学院

【浦】小島-高田
【前】高橋光-小川

▽二塁打 山根、高田(浦)板垣(前)

【浦和学院】
⑥竹 村4-1-0
⑧服 部2-0-0
⑦山 根3-1-0
②高 田3-3-1
⑤木 暮1-0-1
⑨斎 藤2-0-0
H渡 邊2-1-1
③西 川4-1-1
①小 島3-0-0
④ 贄 4-2-0

(打数-安打-打点)

安 打:浦9、前12
失 策:浦1、前2
三 振:浦3、前1
四死球:浦5、前3
犠 打:浦4、前2
盗 塁:浦1、前0
併 殺:浦1、前0
残 塁:浦8、前11

 浦和学院が相手投手の乱調とミスを突き前橋育英に逆転勝ちした。

 浦和学院は五回に先発小島が4安打を浴びて2失点し逆転されたが、直後に3四球で1死満塁とし、木暮の左犠飛で同点。さらに渡邊が中前に逆転打を放ち、西川の適時打でこの回3得点した。六回にも敵失で加点した。

 小島は12安打を許しながら九回2死満塁を打ち取るなど要所を締めた。

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dilemma
dilemma
2012年10月31日 12:07 AM

頑張れー

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