【写真】1回裏、先制2ランを放ちガッツポーズの浦和学院・高田=甲子園(サンスポ)
第2試合は浦和学院(埼玉)が北照(北海道)に大勝し、春の大会では1992年以来21年ぶりの4強進出を決めた。2年生左腕の小島が7回1安打無失点の好投。攻めては4番・高田が2試合連続の本塁打を放つなど2戦連続の2桁安打で相手を圧倒した。準決勝で敦賀気比(福井)と対戦する。
浦和学院は初回、一死一塁から山根の安打性の当たりが一走を直撃して二死となる不運も、続く4番・高田が左翼席に先制の2点本塁打を叩き込んだ。
五回には左前打、四球と一前犠打で一死二、三塁のチャンス。だが、打者・贄のときに三走が飛び出し、三本間で挟まれタッチアウト。状況が二死二塁と変わったが、贄が右中間を破る適時三塁打で3点目を奪うと、続く山根の遊ゴロを遊撃手がエラーし、4-0とした。
七回にも6点を追加した。3四球で一死満塁とし、山根が走者一掃の左越え3点二塁打。さらに一、二塁から木暮の左前打を左翼手が後逸し、打者走者も一気に生還して10-0とした。
先発小島は7回1安打無失点で2番手・山口にスイッチ。見事に完封リレーをみせた。打線も10安打10得点で大量援護に成功するなど投打がかみ合い快勝した。
北照は先発大串が8四球と乱調。野手も失点につながる失策が目立ち、打ってもわずか1安打に終わり完敗した。
◇浦和学院・森監督、4強に感慨深げ
浦和学院の森監督は、1992年以来の4強入りに感慨深げだ。初出場の当時は、監督就任1年目で、無我夢中で勝ち上がっていったという。一勝の重みを深く感じる今だからこそ「努力で怖さを乗り越えたから、またここまで来られたかな」と神妙な面持ちだった。
再びたどり着いた準決勝の舞台。「(決勝は)私自身が見た世界がない。(準決勝は)気がぶつかり合う試合になると思うので、楽しみにしている」と必勝を誓った。
(サンスポ)
◇浦和学院・高田が先制弾 今大会2発目
浦和学院の高田が3回戦の山形中央戦に続き、大会2本目の本塁打。1回2死一塁から3球目の外よりの直球を鋭く振り抜いて、左翼席まで運んだ。「振ったら入った。たまたまという感じです」。後の打席が無安打だったこともあり、本人はニコリともせずに振り返った。ただ、インタビュー台の隣にいた2年生エースの小島は「すごいっす」。先輩の先制弾に感謝していた。
○森監督(浦) 就任1年目の64回大会(1992年)以来の4強。「だいぶ時間はかかった。その先は見たことがないが、たかぶらず今まで通りにやりたい」
○贄(浦) 5回2死二塁で三塁打。「1死二、三塁でスクイズを失敗してしまったけど、悪いムードにならないように気持ちを切り替えて打てた」
(朝日新聞)
◇浦学・小島7回0封「1球1球」
浦和学院(埼玉)が、10安打10得点の快勝で、21年ぶりの4強進出を決めた。
先発の小島和哉投手が7回1安打無失点と好投。打撃陣は1回に4番高田涼太内野手(3年)が2試合連続の2ランを放ち先制すると、7回は打者9人で6点を奪って試合を決めた。
小島は「甘く入ると長打がある。1球、1球思いを込めて投げました。優勝を目指していく中で、次の試合も最高のパフォーマンスがしたい」と意気込んだ。
(日刊スポーツ)
◇乱れなかった制球力 浦和学院の小島、冬場に鍛錬
自慢の制球力が、浦和学院に4強入りをもたらした。左腕エース小島。打者へ食い込むような内角直球で北照打線を次々と詰まらせ、「一人一人の打者に集中できた。きょうは出来過ぎなぐらい」。7回を1安打無失点に封じた。
2点リードの四回、1死二塁の場面。ここまでの2試合で6打数5安打と当たっていた北照の3番吉田が打席に。この日唯一の三振を3球で奪う。一度たりとも相手に流れを渡さず、好調な打線は五回以降に8得点と火を噴いた。
昨夏は1年生ながら甲子園のマウンドを経験。スタミナが課題だと自覚し、冬場は両足首に1キロの重りを着けてノックを受け続けた。今大会3試合目の先発も、球威が衰えないのは徹底的に鍛えて培った基礎体力を備えているからだ。
準決勝では強力打線の敦賀気比と対戦する。「内角をどんどん突いていく自分の投球を貫きたい」。2年生で唯一の先発メンバーだが、その口ぶりは自信に満ちていた。
(時事通信)
◇「打たないわけにいかない」 浦和学院・山根佑太中堅手(3年)
「打点にこだわっていく」。試合前、力強くそう言い切った。そして、七回1死満塁の絶好機に回ってきた打席。甘く入ってきた変化球を見逃さなかった。打球は左翼手の頭上を越え、走者一掃の適時二塁打。「みんながつないでくれたチャンス。打たないわけにいかなかった」。
主将に指名されたのは昨年12月。それまでもリーダー役は務めており、不安はなかったが、「主将」という立場は想像以上に難しかった。もともと口数が多い方でもなく、「自分の考え方がなかなかみんなに浸透しなかった」。そんな自分にできたのは「プレーで伝えること」だったという。
試合を決定づける七回の打撃も「しっかりと準備をしたおかげ」。相手が変化球が良い投手だからこそ「変化球を打てば投げる球がなくなる」と、移動時間もビデオで研究し、球の軌道を頭に描いて素振りを行った。
こうした主将としての責任感は自身のプレーにも好影響を与えた。好機で打席が回ってくると「みんながつないでくれた。ありがたい」と感謝の気持ちがあふれ、不思議と緊張しなくなる。その結果、今大会は3試合で15打数8安打6打点、毎試合打点を挙げる活躍だ。
初出場以来、21年ぶりの4強入りを果たしたが、「今日の試合は過去のこと。切り替えていく」。目標の日本一へ向けて、主将がプレーでチームを引っ張る。
(産経新聞埼玉版)