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センバツ:浦学V、障害者「勇気もらった」 野球教室で交流

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【写真】昨秋開かれた野球教室で浦和学院の選手たちとキャッチボールする清水さん(左手前)=さいたま市大宮区の県営大宮球場で2012年11月24日(毎日新聞)

 第85回記念センバツ大会の浦和学院(埼玉)優勝から一夜明けた4日、地元・埼玉の関係者は改めて喜びをかみしめた。野球部員たちは2年前から野球教室を通じて障害のある人たちと交流を重ねており、教室の参加者たちは甲子園で躍動するナインの姿に「力をもらった」「励みになる」と語る。

 浦学野球部の3年生は毎秋、さいたま市内で開かれる障害者とのスポーツ交流会「ふれあい野球教室」(埼玉県障害者スポーツ協会など主催)に先生役として参加、ボールの握り方やキャッチボール、バッティングなどを教えてきた。

 生まれつきの脳性まひで、車椅子生活を送るさいたま市岩槻区の清水直也さん(21)も参加者の一人。「車椅子と同じ目線でキャッチボールを教えてくれた。元気で礼儀正しくて優しい、憧れの浦学が優勝してくれてうれしい」と選手たちの活躍をたたえた。

 小学生の時からの高校野球ファン。今大会の浦学ナインの姿に、グラウンドを駆け回る自分の姿を重ねた。これまでは就職しようと真剣に考えたことはなかったが、ハローワークに行ってみようと決意した。「悩み苦しむことは多いが、日本一を成し遂げた浦学に勇気をもらった。私も一歩前に進みたい」

 知的障害があり、同じソフトボールチームに所属する町田篤史さん(38)=春日部市、佐藤達哉さん(35)=越谷市=らも野球教室の参加者。3日の決勝をテレビ越しに応援した町田さんは「絶対に優勝すると信じてた。力をもらったし、見習う部分がいっぱいある」、佐藤さんは「野球を教えてくれたチームが優勝。励みになる」とそれぞれ笑顔を見せた。

 浦学野球部の田村雅樹コーチ(36)は「人に教えることで、気持ちや技術を伝える難しさが分かる。選手にも貴重な機会」と語る。優勝メンバーの3年生は、今秋の野球教室に参加する予定だ。

(毎日新聞)

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