【写真】10安打を打たれながらも完封した浦和学院のエース小島(埼玉新聞)
(19日・宇都宮清原ほか)
第2日は2球場で2回戦の残り6試合を行い、選抜大会の覇者で県大会優勝の浦和学院は日大三(東京)を2-0の完封で下し、3年ぶりのベスト8進出。県大会準優勝の花咲徳栄はドクターK・左腕松井擁する桐光学園(神奈川)に、同3位の鷲宮は東海大望洋(千葉)に、それぞれ3-4、1-2で惜敗した。
浦和学院は2年生エース・左腕小島が日大三に10安打を浴びながらも、要所を締める粘りの投球。打線は、八回に暴投と服部の左翼線への二塁打で2点を奪った。
花咲徳栄は松本の2点二塁打などで奪った3点のリードを守り切れず、延長十二回に右腕関口がサヨナラ打を許した。鷲宮は一回に2点を先制されると、四回に塚本の中前適時打で1点返したがあと一歩及ばなかった。
第3日は2球場で準々決勝4試合を実施。浦和学院は4強入りを懸け、山梨学院大付(山梨1位)と対戦する(10時・栃木県総合運動公園野球場)。
◇被安打10も要所で冷静 不調の中「1番」の仕事
被安打10の完封劇―。出来がどれだけ悪かろうが、味方の援護があるまでは決して相手に本塁を踏ませない。それが1番を背負う男の宿命だ。そういう意味で浦和学院の2年生左腕小島はエースらしい仕事ぶりだった。
風邪で喉に痛みがあったことに加え、いつもより土の硬いマウンドに苦労し右足への体重の乗りが甘い。その影響もあって一、二回はいずれも先頭を四球で歩かせた。この時点で本来の姿ではないのは一目瞭然だった。
それでも、どんどん振ってくる日大三打線に対し、「長打を打たれなければ点は取られない。安打数は気にならなかった」。ある程度、走者を背負うことは想定内。二回以降は毎回となる10安打を浴びたが、五回の1死二、三塁を防ぐなどエースを支えたのは生命線の内角直球だ。「悪いなりにまとめられて良かったです」と相好を崩した。
「ピンチでも周りが見えるようになった」。選抜大会を投げ抜いた経験もしっかりと生かされていて、ここぞの場面で打者に向かう集中力もやはりピカイチだった。
とは言え、投球内容に納得しているはずがなかった。「負けていい試合など1試合もない。優勝するまで、目の前の試合に全力で投げる」。次戦で、左腕がどのように修正してくるか注目だ。
◇貴重な一打 粘投支え
浦和学院・服部の一打が、粘投する小島の気持ちを楽にさせた。
八回、1点を先制しなおも無死三塁。是が非でももう1点を欲しい場面で2死となったが、「小島が投げてくれている。何としてもかえしたい」と低めのスライダーに泳ぎながらも、うまくバットに乗せた。打球は左翼線に落ちる適時二塁打。貴重な追加点に塁上でガッツポーズも飛び出した。
県大会から好調を維持する9番打者。「投手が楽に投げられるように、もっと振っていきたい」と、強い決意で準々決勝に臨むつもりでいる。
■2回戦(5月19日)
浦和学院
000000020=2
000000000=0
日大三
【浦】小島-西川
【日】大場-湯本、鈴木
▽二塁打 湯本(日)木暮、服部(浦)
▽投手成績
小島(浦)9回、被安打10、3奪三振、与四死球4、失点0、自責点0
大場(日)9回、被安打4、3奪三振、与四死球2、失点2、自責点1
【浦和学院】
⑥ 竹 村3-0-0
④ 贄 4-1-0
⑧ 山 根4-0-0
⑤ 高 田4-0-0
③ 木 暮3-1-0
⑨ 斎 藤2-0-0
R9石 森0-0-0
② 西 川3-1-0
① 小 島2-0-0
⑦ 服 部3-1-1
【日大三】
⑧ 石 田3-1-0
⑨ 稲 見5-2-0
④ 河 津5-1-0
③ 佐々木4-1-0
⑦ 戸 所3-2-0
R7釘 宮0-0-0
⑤ 太 田3-0-0
① 大 場4-1-0
② 湯 本3-1-0
H 森 1-0-0
2 鈴 木0-0-0
⑥ 船 山2-0-0
H 広 谷1-1-0
R 新 井0-0-0
(打数-安打-打点)
安 打:浦4、日10
失 策:浦0、日1
三 振:浦3、日3
四死球:浦2、日4
犠 打:浦2、日2
盗 塁:浦1、日1
併 殺:浦0、日1
残 塁:浦3、日13
浦和学院がエース小島の力投で日大三に完封勝ちした。
小島は二回以降、毎回となる10安打を浴びたが五回の1死二、三塁をしのぐなど、内角の直球を決め球に打たせて取り本塁を踏ませなかった。打線は八回、木暮の二塁打と敵失などで無死一、三塁を築くと暴投、服部の二塁打で2点を奪い逃げ切った。だが4安打と振るわず援護が遅かった。
(埼玉新聞)