夏の日本一を目指すホシの人気サウスポーが登場!招待試合が行われた熊本で、2人の熱~い野球トークが交わされました。2年生の小島クンは憧れの松井先輩と会えるとあって、取材前からソワソワ…。でも最後はとても仲良くなり、夏の健闘を誓い合ったのでした。次の再会は夏の甲子園決勝戦だね!
◇初対面の対談は、小島クンがガチガチに緊張…
―今日は夢のコラボが実現したね!
小島 は、はじめまして。オジマです(カチコチ)
松井 (爆笑)硬い、硬い!!
小島 僕、松井さんに話しかけようと思ってたんですよー!
松井 え、いつ?
小島 夏の甲子園です。松井さんの噂を聞いていて、開会式で見かけたんです。でも話しかけられなかったんです。
松井 そうなの!?
小島 そうです!浦学の中でも噂になってました。スゴイ、ヤバイ、って。
松井 そうだったんだ。小島君、昨夏、甲子園の天理戦で投げていたでしょ?1年で投げていたのですごいなって思ってたよ。
小島 アリガトウゴザイマス!
―こうして顔を合わせるのは初めてなんだね!お互い見て…どう?
松井 え?…細い(笑)。
小島 全然違いますね。ガタイが…。ふくらはぎ(を見ながら)、太いっす!
◇疲労回復のコツは?(松井)どうしたら三振とれますか?(小島)
―今日の対談は、小島君は松井君からいろいろ学び、松井君は小島君から、全国制覇へのノウハウを伝授してもらいたいということで実現したんですよ。
2人 はい~(ニコニコ)。
―聞いてみたいことはある?
松井 あります!センバツで連投してたよね?疲労回復とかどうだったの?
小島 えっと、試合が終わった後、お風呂に行くんですけど、そのときにサウナと水風呂を交互に入るんです。そうすると疲労回復が早いです。あとは針治療です。
松井 へ~大会中に針やってたんだ?
―春5試合の疲労はどうだった?
小島 気比と済美の間が結構きつかったです。やっぱり準々決勝くらいから、体がきつくなりましたね。
―松井君は、昨夏4試合完投したけれど、疲労はどうだったの?
松井 自分はもう、ヤバイっすよもう~(顔をくちゃくちゃにして)。自分もけっこう水風呂行きました。あとはOBの方がマッサージしてくれました。サプリメント、アミノ酸とクエン酸が筋肉にいいらしいので、それを取ったり、あと、朝はミネラルを取ったりしました。
小島 ウチは野球専用の強化食(プロテイン)があるんです~
松井 一緒だ!あれ、疲れてるとき、うまいべー?
―体に効いてるってことだよね?
松井 効きますね。試合終わってから、みんなでロッカーでプロテインを作って、「お疲れ様でした~」って乾杯したあと、一気に飲む。毎回やってました(笑)。この儀式、ウチでめっちゃハマりましたよ~。
―桐光学園らしいエピソードだね~。では、逆に小島君から松井君に聞きたいことはありますか?
小島 あります!あの~、どうやったらあんなに三振取れるんですか!これ一番聞きたかったんですよ!取りに行っているんですか?
松井 うん。取りに行くね。狙うときは狙う。ランナーが三塁にいたら、とりあえず全部取りに行く(サラリ)。
小島 …はぁ(ため息)。狙って取れるっていうのがすごいです。
―すごいね。松井君は三振タイプ、小島君は打たせて取るタイプということですね。
松井 でも、小島君のインコースヤバいっすよね!
小島 いやぁ~(照)。
松井 左バッターのインコースに投げるのは難しいのにすごいよ。
―松井君は三振を取ることについて、どんな考えを持っているの?
松井 決して狙ってるわけじゃないんです。いい追い込み方をして、で…。打たせに行ったボールがファウルになるくらいだったら、三振取った方がいいかなと思っています。
―なるほど~。小島君、今の聞いてどう思いますか?
小島 いや~取れないですよ!
松井 変化球は投げないの?
小島 森先生(監督)は、内の真っすぐで勝負しなさいって言います。
松井 すげえ!(声大)
―小島君の武器、インズバ!ですよね。
松井 あれ!すげえ!(さらに声大)
小島 自分、速い球投げられないので…。
松井 いや、インコースを突くことはとても大事なことだと思うよ!
―ここまで聞くと、2人は似ているようで、全然違うことがわかるね!
◇松井さんも浦学のノックやります?(小島)エッ、あ、大丈夫です(汗)!(松井)
小島 あの、自分、正月休みの間、携帯のトップ画像を松井さんにしてたんですよ。
松井 うそ!どの写真?
小島 投げ終わった後のクロスの写真です。それ自分の中のトップです!
松井 あ~(苦笑)。自分としては、静止してる写真の方が好きだけど…。
小島 森先生からも松井さんを目指してやれ。全部まねしろ!って言われているんですよ。
松井 …(照)。
―でも小島君のフィールディングのうまさはお手本になるよね。
小島 試合前のノックのおかげです。
松井 え、試合前にやるの?ノックを?投げる日はやらないでしょ?
小島 いえ。先発のときもピッチングやってても降りてってノック入ります。
松井 先発する試合も?そうなの!?
小島 結構、体力使いますよ。
松井 すごいな…。
―やってみる?
松井 エッ、あ、自分、大丈夫です(即答)。
―浦学ピッチャー陣のフィールディングのうまさは、この練習が土台になっているんですね。
◇小島vs桐光学園 松井vs浦和学院 さてどうなる!?
―さて、ここからは仮想トークです。もし、甲子園の決勝でこの2人が対戦するとします。2人がベストピッチをしたとして「ウチのバッターはこう打ちますよ!」っていうのをイメージして欲しいんですが~。
2人 うーん(考え込む)。
―小島君vs桐光学園打線はどうでしょう?
松井 あ~(ニコニコ)。インコースの真っすぐってイメージが強いので、打つのは右バッターですね。水海、植草、(山田)マサシ…かな。
―おお~。
松井 水海は実はバントが一番うまいんですよ。打てなくても、つないでくれると思います。
―自分も打者で打つ?
松井 え?無理、無理、無理!(笑)
小島 (ニコニコ)
―小島君はどう?松井君vs浦学打線はどうなるかな?
小島 どうですかね~。打つとしたら山根さんかな。松井さんの球は、バットに当たらないですよね。だからみんな、バット短く持って立つと思います。
―山根君が打てそうだって理由は?
小島 ソフトボール出身だからです!
松井 確かに。ソフトボール出身は速球に強いよね。
小島 山根さんの前に竹村さん、服部さんが出塁できれば、好機はあると思います!
松井 竹村君って1番でしょ?やっぱり1番打者は出したくないな~。(この話題でしばらく談義が続く…)
―いいねー!早く対決見たいね。夏の頂点を目指す2人にとって、夏まで習得したいことって何ですか?
松井 左のインコースですね。左を使ったら球数を減らせると思うので。
小島 自分はたくさんあります。ありすぎます(笑)。変化球の精度を上げること、あとは真っすぐのスピードを上げること。多少甘く入ったら打たれちゃうんです。関東大会のとき、三高(日大三)戦で甘く入ったところを打たれたんです。
松井 三高はヤバい!
小島 自分、松井さんみたく球が速くないんで…。どうしたら速くなりますか?
松井 自分では速いってイメージじゃないんだけど…。思い切って腕振ったら出たっていうか…。
小島 自分、こないだやっと139出たんですよ。これがマックスです。
◇夏の決勝戦を誓って、エール交換!
―ホシ的な質問になるんだけど、注目されていることについての気持ちはどうですか?
小島 自分たちは、ここまでセンバツ、春の県、関東大会と負けずに来ているので、浮ついた気持ちじゃ夏は勝てないと森先生から言われています。
―ずっと勝ち続けているんだもんね。
松井 それ、すごいっすよね。
―桐光学園は秋負けて、長い冬になったわけですが、くじけそうになったことはないですか?
松井 全然ないです!(きっぱり)
―全然!?
松井 その分、長い時間体作りができたので、よかったと思っています。
―前向きな考え方だね~。
小島 そうですね!(感心)
―人気についてはどうですか?今日の招待試合(熊本)でも大勢のお客さんから注目されていたけれど?
松井 自分は、野呂先生(監督)から「応援される選手になりなさい」って言われています。注目されることは悪いことじゃないので…。
小島 (松井君を見て、無言で感心)
―じゃあ最後にエールの交換です。お互いメッセージを贈ってもらえますか?
小島 ハイ!自分はずっと目標にしていきます。松井さんのようになれるよう、目指して頑張ります!
―では、松井君。
松井 え~っと…。(ポリポリ)1日1日を悔いなく…。過ごして下さい。
小島 ありがとうございました!松井さん、今度僕らと一緒にクリチャートレーニングしましょう。
松井 なに?クリチャー???
小島 動物の動きを取り入れたトレーニングです。自分でもできるんですから、松井さんにもできますよ!
松井 え、無理でしょ…(青い顔)。
―続きは、夏の甲子園決勝で!
◆小島和哉(おじま・かずや)浦和学院・投手・2年。/1996年7月7日生まれ。埼玉県鴻巣市出身。174センチ、74キロ。左投左打右書。小1時に兄の影響で野球を始め、赤見台中時代は行田シニアで関東大会出場。浦和学院では1年秋からエース。1年夏に甲子園出場。天理戦で3回を投げる(失点3)。2年春のセンバツで5試合全先発を務め防御率0・64で全国制覇。チームはセンバツから公式戦14連勝無敗中。50メートル6秒5。遠投98メートル。家族は両親、兄。O型。
◆松井裕樹(まつい・ゆうき)/1995年10月30日生まれ。神奈川県横浜市出身。174センチ、76キロ。左投左打左書。小2時に元石川サンダーボルトで野球を始め、山内中時代は青葉緑東シニアで全日本選手権優勝。桐光学園では1年秋からエース。2年夏に甲子園出場。1回戦の今治西戦で1試合22K、10者連続三振の大会記録を達成。春季県大会は準優勝。MAX147キロ。50メートル7秒。遠投105メートル。家族は両親、弟。A型。
輝け甲子園の星 2013年7月号
(日刊スポーツ出版社)