第95回全国高校野球選手権記念大会(8日から15日間・甲子園)に出場する仙台育英(宮城)が6日、西宮市の津門中央公園野球場で約2時間の練習を行った。5日の抽選会で第3日(10日)に浦和学院との対戦も決まり、ナインは気合十分。プロ注目の主将・上林誠知外野手(3年)は親友の聖光学院・園部聡内野手(3年)のアドバイスを受け、打倒・浦和学院を誓った。
東北スラッガー・ホットラインでセンバツV左腕を粉砕だ。仙台育英・上林が6日、浦和学院のエース小島和哉(2年)の攻略に自信を見せた。
5日の抽選会で対戦が決まり、上林は早速、動画サイト「You Tube」で小島の映像をチェックした。見たのは埼玉大会準々決勝の埼玉平成戦、小島が完全試合を達成した試合だった。
「左バッターが少なかったので、参考にはならなかったけれど、右(打者)へはインコースを攻めて、ほとんど詰まらせていた。(育英の右打者には)『ポイントを前にして打っていけ』とアドバイスした」と対策を立てた。
さらに、信頼できる情報を入手した。同じ東北のプロ注目選手の聖光学院・園部からの情報だった。昨夏、ともに2年生ながら4番を務めた2人は甲子園の開会式で意気投合。以来、メールなどで、連絡を取ってきた。上林は、園部に福島大会準々決勝で戦う学法石川の攻略法を伝えるなど情報交換している。
前夜、園部から「大丈夫なの(笑)」とのメールを受けた上林は「お前らの借りはオレが返す」と返信したという。その後のやりとりで小島攻略法が見えた。昨夏、甲子園で浦和学院に敗れた聖光学院は、今年6月に練習試合で小島と対戦している。「園部が『基本は外だけど、左打者にもイン(コース)を突いてくる』と言っていた」と上林は明かした。
自ら見た映像と、親友からの生きた情報を掛け合わせて、小島攻略をイメージした。「真っすぐの質はいい。高めを見極められれば変化球は対応できる」。上林は抽選会で園部とがっちり握手をして、決勝での対戦を約束した。約束をかなえるために、親友の手助けを生かして、浦和学院に勝つ。
(スポーツ報知)
◇仙台育英・上林、絆で浦和学院・小島打ち
東北の絆で、センバツ優勝投手を撃破する。第95回全国高校野球選手権記念大会(8日開幕)に出場する仙台育英(宮城)が6日、兵庫・西宮市内で練習を行った。前日5日の組み合わせ抽選会で、センバツ優勝校の浦和学院(埼玉)との対戦が決定。上林誠知主将(3年)は、浦和学院の左腕エース小島和哉(2年)と対戦経験がある聖光学院(福島)・園部聡内野手(3年)から、メールで「小島対策」を伝授されたことを明かした。
センバツ王者との対戦が決まり会場が最も沸いた5日の抽選会後、仙台育英・上林の携帯電話に1通のメールが届いた。「大丈夫なの? 笑」。送信者は、ともにプロから注目される聖光学院の主砲・園部だった。昨夏、連絡先を交換した球友からのメールに上林は「いつも向こうからくるんですよ」といたずらっぽく笑った。
やりとりは続いた。聖光学院は6月に浦和学院と練習試合を実施。センバツ優勝左腕の小島と対峙(たいじ)した園部は「左バッターにもインコース(の直球)がくるよ。高めの見極めができればいいぞ」と経験をもとに攻略のヒントを送った。
小島は、今夏の埼玉大会で完全試合を達成した今大会屈指の左腕。伸びのある直球で右打者の内角をえぐる「クロスファイア」が武器だ。左打者は角度をつけた外角が脅威となる。上林も完全試合の映像を動画サイトで見たが「右打者には内角が基本だけど(映像の中に)左打者が少なくて」と情報収集に困っていただけに、園部からの「左打者にも内角がくる」は、これ以上ないアドバイスになった。
この日は、通常(18・44メートル)よりも打撃投手を4~5メートル前に出し、内外角に投げ分けてくる小島を想定して打ち込んだ。佐々木順一朗監督(53)は「イメージはつくらないといけない」と、今日7日から左利きの打撃投手で練習を行う意向だ。園部と「一緒に頑張ろう」と誓い合った上林は「直球待ちのスライダー対応でいけると思う」と早くも小島攻略のイメージを膨らませている。東北の“仲間”の力も借りながら、難敵を撃破する。
(日刊スポーツ)
◇仙台育英・上林、聖光・園部から小島攻略法聞いた!
打倒浦学に、みちのくのスラッガーがタッグを組んだ。8日に開幕する第95回全国高校野球選手権大会で、第3日第4試合で浦和学院(埼玉)と対戦する仙台育英(宮城)が6日、兵庫・西宮市の津門中央公園野球場で2時間の練習を行った。フリー打撃中心の練習を終えたプロ注目の主砲、上林誠知(せいじ)主将(3年)は、5日の組み合わせ後に聖光学院(福島)の長距離砲、園部聡内野手(3年)から浦和学院・小島和哉投手(2年)の攻略法をメールでアドバイスされたことを明かした。
今年のみちのくを代表する強打者2人が、ガッチリと手を組んでいた。5日、「優勝候補同士の一戦」とうたわれる組み合わせが決まった後のこと。上林の携帯電話に、メールが届いた。
「大丈夫なの?(笑)」
差出人は、上林と同じく、今秋ドラフト候補の聖光学院4番・園部だった。メールし合う中で、浦和学院の完全男、小島の情報をもらった。右打者のインコースを突く制球力が生命線の左腕。6月に練習試合で対戦していた園部から、上林はその印象を伝えられた。
「左(打者)もインが来るぞ。真っすぐの質がいいけど、高めを見極められれば大丈夫。変化球は見極められる」
2人のメールのやりとりは、そろって出場した昨夏の甲子園からだ。「ほとんど向こうから(先に)来るんですが」と上林は笑う。
7月、地方大会中のこと。聖光学院の最大の難敵といわれた、準々決勝学法石川(福島)戦の直前。園部は大会前に同校と練習試合をした上林に、投手のイメージを聞いたという。2回までに8点を奪われた聖光学院の10-9での大逆転勝利は、2人のタッグが陰ながら力を発揮した形だ。
上林は前日すでに、埼玉平成戦で完全試合を遂げた小島の投球を動画サイトで確認していた。「左打者が少ないのであまり(自分には)参考になりませんでしたが、右にはインコース攻めでほとんど詰まっていた。だから(チームの)右には『ポイントを前にして打て』と言いました」。
そんな対策を案じる中で、冷やかし交じりの?熱いメールが届いた。昨夏に続き練習試合も浦和学院に敗れた園部に「お前らの借りは俺らが返すよ」と返信したという。
助言を受け、この日のフリー打撃で鋭い当たりを繰り返した上林は「(投手の)右も左も変わらないでしょう。(優勝した秋の)神宮では全試合左でしたし」と余裕たっぷりに言い放った。
チャンスにめっぽう強い左の上林と、強靭(きょうじん)なスイングで長打を量産する右の園部。2人合わせて高校通算81本塁打(上林23本、園部58本)の、チームを超えた最強タッグがセンバツV校を攻略する。
(サンスポ)