◇浦学、初戦は大宮西 高校野球100年目の夏・埼玉代表へ157チーム決戦 |
7月10日に県営大宮球場で開幕する第97回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が23日、さいたま市大宮区の市民会館おおみやで行われ、出場157チームの対戦相手が決まった。ことしは夏の全国選手権大会の前身となる全国中等学校優勝大会が始まって100年の節目の年。どこが埼玉代表として甲子園の土を踏むのか、注目が集まる。
選抜大会4強で、2年ぶりの栄冠を目指すAシード浦和学院は、初戦の2回戦で大宮西の挑戦を受ける。今チームは昨秋の県大会、春季県大会を制し県内無敗。関東大会も秋春優勝している。今大会でも優勝候補筆頭に挙げられる。渡辺亮太主将は、「今までやってきたことを発揮して、一戦必勝で臨みたい」と抱負を語った。
春季県、関東大会で準優勝し、春夏通じて初の甲子園出場を狙うAシード川越東は川越と対戦。6年ぶりの頂点を目指すBシード聖望学園は狭山経済と、同じくBシードの成徳大深谷は所沢北とそれぞれ2回戦で顔を合わせる。
昨夏覇者の春日部共栄は2回戦で早大本庄と激突。同準優勝の市川越は星野と2回戦を争う。
選手宣誓は、第97回大会にちなんで、97番カードを引き当てた深谷の江原敬登主将が務める。連合チームは2チームが出場。今大会は熱中症対策のため、これまで五回終了時に行っていたグラウンド整備を三、六回終了時に行う。
開会式は午前11時、開幕試合は午後1時30分にプレーボール。順調に日程を消化すれば決勝は28日の午前10時から県営大宮球場で実施され、優勝校が全国高校選手権(8月6~20日・甲子園)の出場権を獲得する。
◇いざ夏の陣、狙うは主役 |
第97回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が23日、さいたま市民会館おおみやで行われ、出場157チームの対戦カードが決定した。
選抜大会4強で春季県大会を3連覇し、2年ぶりの栄冠を目指す浦和学院は初戦の2回戦で大宮西と対戦することになった。
浦和学院と春季県大会準優勝の川越東がAシード、同3、4位の聖望学園と成徳大深谷がBシードで、春の順位に基づいて聖望学園が川越東ゾーン、成徳大深谷が浦和学院ゾーンに収まった。続いて同16強以上のC、Dシード勢、その後ノーシード校が予備抽選順にくじを引いた。
シード勢は2回戦から登場。川越東は川越の挑戦を受け、6年ぶりの優勝を狙う聖望学園は狭山経済と、成徳大深谷は所沢北とそれぞれ顔を合わせる。昨夏王者の春日部共栄は早大本庄と対戦。開幕戦は開智と新座総合が激突する。
選手宣誓は第97回大会にちなんで、97番カードを引いた深谷の江原敬登主将が務める。大会は7月10日に県営大宮球場で開幕。順調に日程を消化すると決勝は28日に同球場で実施し、優勝校が大会創設100周年を迎える全国選手権大会(8月6~20日・甲子園)の出場権を獲得する。
◇夏の借りは夏に返す 浦和学院 |
選抜大会4強で春夏連続甲子園出場を目指す浦和学院の初戦の相手は大宮西に決まった。抽選会の1週間前に主将に任命された渡辺は、「どのチームも必死に食らい付いてくる。“敵は我にあり”の気持ちで戦いたい」と、気負いはない。
関東大会優勝から約1カ月、チーム状態について渡辺は「この土日の練習試合でようやく上がってきた」と話し、開幕に向けては「頭を心を整理して、自分たちの野球をしたい」とチーム力を仕上げていくという。
3連覇が懸かった昨夏は、選抜優勝投手のエース小島(早大)を擁しながら、3回戦で川口にまさかの敗退。今チームは悔しさを忘れずに努力を積み重ね、選抜大会ベスト4の結果を残した。
しかし、やはり選手たちの最大の目標は、集大成となる夏での結果。「先輩たちの思いを受け継ぎ、勝負根性をテーマに練習してきた。夏の借りは夏に返す」と渡辺は力を込める。
開幕まで残り2週間余り。渡辺は「自分たちの代は人数が多く、あっという間に最後の夏。ワクワクする気持ちも大きい。やってやりたい」。“大本命”が夏の舞台を沸かせることは間違いない。
◇一戦必勝で頂点狙う 川越東 |
秋、春の県大会、関東大会を準優勝した川越東は最後の夏に虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う。主将の大南は「春から今まであっという間だったが楽しみ」と開幕を待ちきれない様子だ。
チームは関東大会を終え、県外の強豪校と練習試合を重ねた。春は登板機会の少なかったエース左腕高橋も「調子は上向いている」と大南。就任3年目の渡辺監督が目指す1点をもぎ取る野球も浸透し「選手の意識がまとまった」と万全の状態だ。決勝で3度敗れた浦和学院と対戦するには、決勝まで勝ち進まなければならないが、「一戦必勝でやる」と目の前の敵に集中するつもりだ。
大南は、「向かっていく姿勢でいくのはどのチームにも同じ。浦学への苦手意識はない」と、最後の夏に最高の形でリベンジすると誓った。
◇悲願へ、反省から成長 聖望学園 |
春の県大会で3位になった聖望学園。関東大会ではタイブレークの末、強豪作新学院にサヨナラ負けを喫した。その反省から主将の滝島祐は「走塁が課題」とし、徹底して練習を積んできた。
守備はエース右腕松本を中心に粘り強い。最近の練習試合では、先の塁を奪う走塁が攻撃に生かされ始め、滝島祐は「先制点を奪われても、点を返し粘れるようになった」と成長を口にする。
順当に勝ち上がれば、準々決勝で昨年覇者の春日部共栄と顔を合わせる。滝島祐は「どこが相手でも自分たちの野球をすれば勝てる」と自信満々だ。反省から成長した聖望学園が6年ぶりの悲願を目指す。
◇プライド持ち戦う 成徳大深谷 |
春季県大会で初めて4強入りし、Bシードで臨む成徳大深谷は初戦の2回戦で好チームの所沢北との対戦が決定。主将の高橋は「相手はつぶしにくるけど、自分たちはチャレンジャーというプライドを持って戦う」と春と同じ心構えを説いた。
この日の抽選会を意識して、前日には3年生17人全員が五厘刈りにして気合を入れ直した。捕手吉田は「どんな戦いになっても、最後まで全力を出し切りたい」と力を込め、4番江花も「成徳らしさを出せば勝てる」。狙うは春以上の躍進だ。
◇目標は聖地へ帰る 昨夏王者の春日部共栄 |
2年連続甲子園切符を目指す春日部共栄。最近では練習の中で「連覇するぞ」という声が飛び交うことが多くなったそうだが、主将の清水は「相手は特に意識せず、自分たちの野球を貫き通したい」と足元を見つめる。
昨秋と今春はともに8強止まり。壁を破り、その先の大目標を達成するためには、まずは守備の安定は大前提。その上で前チームに比べて打線の破壊力で劣る分、関谷、清水の1、2番やエースで4番を担う高野といった甲子園経験者が攻撃でも引っ張りたい。
けがで春の大会を欠場し、最後の夏に懸ける遊撃手清水は「目標は甲子園に帰ること。悔いは残さない」と拳を握った。
◇挑戦者のつもりで 昨夏初戦敗退の花咲徳栄 |
昨夏は開幕戦でまさかの敗戦を喫した花咲徳栄は、初戦の2回戦で春日部工と顔を合わせる。何があってもおかしくない夏の怖さはどこのチームよりも身に染みている。主将の米沢は「優勝を狙ってはいるが、一戦一戦先を見ずに戦っていきたい」と引き締める。
岩井監督は「どこが来てもいいように準備はしてきた。夏は挑戦者のつもりで楽しみたい」と自信をにじませる。米沢は「去年ああいう思いをしてしまった分、今年は絶対甲子園に行きたい」と力を込めた。
◇熱戦の開幕カード 開智-新座総合 |
埼玉の高校球児が甲子園を目指す熱き戦いは、開智と新座総合のカードで幕を開ける。
昨秋は部員不足で不出場だったが、1年生10人を加え16人で挑む開智の横山主将は「埼玉の1試合目。締まりのある試合で絶対に勝ちたい」と意気込む。対する新座総合も部員は18人と決して多くはない。開幕戦を狙っていたという古内主将は「いい緊張感を持って、勝ちたい」と応戦した。
両校は今チームになってから公式戦は未勝利。どちらが1勝を挙げ、波に乗っていくか注目だ。
◇創部2年目で初出場「夏もまず一つ」 細田学園 |
一度味わった勝利の味を夏の舞台で。創部2年目の細田学園が夏の大会初出場で初の勝利を目指す。主将の原嶋は「春の地区で初勝利を挙げたので、夏もまず一つ勝ちたい」と抱負を述べた。
初戦の相手となる坂戸西について原嶋は「春に練習試合をして大敗した」と話し、初戦は苦戦を強いられそうだ。冬場は専用のグラウンドがなく、素振りやランニングなど、基礎的な練習しかできなかったが、「全員野球で頑張りたい。成長した姿を見せたい」と力を込めた。
◇若生監督が復帰 初陣は好カード 埼玉栄 |
東北(宮城)九州国際大付(福岡)を甲子園準優勝に導いた若生正広氏が4月1日付で監督に復帰した埼玉栄は上尾との対戦が決まり、1回戦屈指の好カードで夏の初陣を迎える。
チームスタッフが充実したことで練習の効率も向上し、つなぐ打撃と投手中心の守備にも磨きがかかった。「細かい部分を徹底することが大事だと強く感じた」と主将の秋山。山田コーチも「若生監督の野球が浸透してきた。3年生を中心にまとまっている」とナインの成長を実感していた。
◇選手宣誓、予想外も「緊張せずに」 深谷・江原主将 |
選手宣誓の大役を深谷の江原主将が引き当てた。選手宣誓の97番札を引き、「うれしかったが、初めての経験なので緊張します」と少しこわばった表情を見せた。
抽選前、まだ決まっていない選手宣誓の97番を見て、「やってもいいかな」と考えていた。札を引き、「97番深谷」と読み上げられると、会場内は大きな拍手に包まれ、照れくさそうに壇上を後にした。江原は「予想外でした。本当に引いてしまうとは」と驚く。
チームは部員不足で2年ぶりの単独出場になる。記念すべき復活の夏での大役に「人前で話すのは苦手ではない。大きな声でハキハキと話す」とし、宣誓文は「チームのみんなや監督と相談して決める。緊張しないように準備します」と引き締まった表情で語った。
◇やるからには勝つ 大宮西 |
選抜4強で関東王者の浦和学院の隣、2番くじを引いたのは大宮西だった。湧き上がった歓声とは対照的に一瞬、苦笑いしながら視線を合わせた鈴木監督と主将の長岡だったが、指揮官は「光栄です。一番やってみたいチーム。いいところを引いた」と大歓迎した。
右上のエース小原のテンポの良さが守備に好循環をもたらし、少ないだろう好機を生かせられれば浦学といえど同じ高校生。チャンスはある。長岡は「気持ちで上回る。やるからには勝つ」と気合満点の表情で誓った。
◇一強も強豪虎視眈々 展望 |
第97回大会の組み合わせが決まった。選抜大会4強で2年ぶりの栄冠を狙うAシード浦和学院は比較的戦いやすいゾーンとなったと言っていい。秋春連続で県、関東大会準優勝のAシード川越東のゾーンには花咲徳栄、投打のタレントがそろうBシード聖望学園のゾーンには、連覇を目指す春日部共栄と強豪校が入った。初のBシード成徳大深谷のゾーンにも実力校がひしめいている。組み合わせから大会を展望する。
◇浦学、4強入り濃厚 浦和学院-朝霞ゾーン |
浦和学院の4強入りが濃厚。切れ目のない打線に加え、選抜大会4試合を投げ抜いたエース左腕江口ら投手陣の充実ぶりが際立つ。終盤の粘りを武器に秋春8強入りしたCシード朝霞は、浦和学院への挑戦権を得て公立勢の意地を見せたい。
Dシード昌平は継投のタイミングが鍵になる。同じく慶応志木は叡明との対戦が予想される3回戦がヤマ。大宮北のエース右腕青柳はプロ注目の逸材。初出場の細田学園は坂戸西に挑む。1回戦の富士見-小鹿野も見応えがありそうだ。
◇実力校多数で混戦 成徳大深谷-春日部東ゾーン |
ノーシードに実力校が並び、多くのチームに4強のチャンスがある。3年生17人で夏に臨むBシード成徳大深谷は所沢北との初戦から気が抜けない。Cシード春日部東は滑川総合とぶつかる4回戦がポイント。浦和実も投打で地力がある。
埼玉栄-上尾は1回戦屈指の好カード。さらに登坂、永光と右の二枚看板を擁するDシード市川越が待ち構え、このブロックを制したチームが勢いに乗る可能性は高い。昨夏3回戦で浦和学院を破った左腕中島が健在の川口にも注目だ。
◇聖望、共栄が中心か 聖望学園-春日部共栄ゾーン |
Bシード聖望学園が抜群の安定感を誇る右腕松本を軸に8強までは順当か。5回戦で対戦が予想される本庄第一-春日部共栄の勝者と4強入りを争う形となりそうだ。昨夏覇者の春日部共栄は正遊撃手清水の復帰で攻守の厚みが増した。
久喜北陽、正智深谷もDシードとしての意地を見せたい。春日部-武南も好カードで、聖望学園戦へ勢いづけるか。エース左腕北島の松山は春日部共栄とぶつかる4回戦が正念場。まとまりのある立教新座、秀明英光も力がある。
◇序盤から激戦必至 川越東-花咲徳栄ゾーン |
強豪がひしめく最激戦区。Aシード川越東は高橋、磯川、浅見、篠原と投手陣が充実。打撃の向上も顕著だ。花咲徳栄は2年生左腕高橋と右腕鎌倉の両輪がけん引。プロ注目の大滝が4番に座る打線も強力で、2校とも序盤は危なげない。
Dシード勢は初戦から白熱。西武文理-蕨の機動力対決は見もの。ふじみ野-大宮東も好試合になりそう。山村学園、所沢商、狭山ヶ丘と地力のあるチームが名を連ね、下級生主体で臨む市川口と強打の栄北の2回戦も目が離せない。
(埼玉新聞)