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浦学、追われる夏”痛感” エース江口、仲間に感謝 第97回全国高校野球埼玉大会

 第97回全国高校野球選手権埼玉大会は26日、県営大宮球場で準決勝を行い、白岡と花咲徳栄が28日の決勝に駒を進めた。決勝進出は白岡が初。花咲徳栄は優勝した2011年以来、4年ぶり4度目。白岡に敗れた選抜大会4強の浦和学院は、春夏連続の甲子園出場を逃した。

 ノーシードから勝ち上がってきた白岡は、会心のゲーム運びでAシード浦和学院に4-1で快勝した。

 一回に2死一、二塁から平塚の中前打で先制すると、同点の二回には、2死から好機をつくり鳥海の中前打で勝ち越し。さらに七、九回にも矢部のタイムリーでそれぞれ1点ずつを追加し突き放した。

 先発の右腕谷中は、スライダーの切れと制球がさえ、強力打線相手に6安打1失点で完投。五回の2死満塁では荒木の強烈な投ゴロを体に当て打ち取るなど再三のピンチも二回以降は無失点に抑えた。

 浦和学院はエース左腕江口が、本来の出来とは程遠かった。打線はリードされた焦りからか、相手投手の術中にはまり、低く速い打球を徹底できず、飛球が多かった。

 Cシード花咲徳栄は、24年ぶりに4強入りした松山を猛打で圧倒。12-2の六回コールドで下した。

 一回に大滝、里見、楠本の3連打と敵失で4点を先制すると、二回にも岡崎の2点三塁打などで3点を奪うなど、その後も攻撃の手を緩めず着実に加点。六回までに11安打で10得点を挙げた。

 先発の右腕鎌倉は7安打を浴びながらも、要所を締め5回を2失点。後を受けた左腕の2年生高橋は、六回の無死満塁を無失点にしのいだ。

 31年ぶりの決勝進出を狙った松山は、ここまでの立役者となったエース左腕北島が二回途中でノックアウト。打線は9安打を放ちながらも好機で畳み掛けられず、10残塁で2点止まりだった。

 決勝は1日の休養日を挟み28日、県営大宮で午前10時にプレーボール。

◇追われる夏“痛感” 強打沈黙「力不足」
試合に敗れベンチに引き揚げる浦和学院の選手たち

試合に敗れベンチに引き揚げる浦和学院の選手たち

 一度狂った歯車は最後までかみ合わなかった。今春の選抜大会4強で優勝候補の筆頭に挙げられていた浦和学院が準決勝で姿を消した。快進撃を続ける白岡に1-4で屈した。森監督は「相手投手を打ち崩せなかったのが敗因の全て」と脱帽するしかなかった。

 白岡先発谷中の120キロ台後半の直球と縦に割れるカーブのコンビネーションを前に、5試合で43得点の打線が沈黙した。先制された直後の一回、2死二塁から高橋の内野安打の間に諏訪が生還しすぐさま同点としたが、得点はこの1点止まり。

 二回からは1-2のこう着状態となった。二、四~七回と得点圏に走者を置いたが、流れを引き寄せる一本が出なかった。六回1死三塁で西野が強攻し鋭い打球を放つも二塁手に好捕されるなど、勝負運にも見放された。「江口を何とかしたかったが、思い通りにいかなかった」と西野。

 好機を逃すと七回、左腕江口が3点目を許し、勝利の2文字はかすんだ。7四死球と江口は制球に苦しみ、本来の姿から程遠かった。4失点のうち3点が四死球で出した走者を本塁にかえす結果に。

 チームは昨秋から県内公式戦で17連勝中と王者としての道を歩んできた。3回戦で川口に敗戦を喫した昨年同様、追われる者の難しさを痛感した夏。1年の夏に甲子園の土を踏んだ津田は「本当の重圧をはねのけるだけの力がなかった。地力不足です」と現実を直視した。

◇エース江口、涙止まらず 仲間に感謝
五回表白岡1死一、二塁、ピンチの場面でマウンドに集まる浦和学院の投手江口(右)と捕手西野(2)=県営大宮

五回表白岡1死一、二塁、ピンチの場面でマウンドに集まる浦和学院の投手江口(右)と捕手西野(2)=県営大宮

 「何としても戻りたかった」舞台への挑戦が終わった。浦和学院のエース江口は白岡に破れ、甲子園の道が絶たれて涙が止まらなかった。「チームに迷惑を掛けてしまって申し訳ない」と謝罪ばかりが口を突いた。

 一、二、七回の失点は全て四死球絡みだった。立ち上がりから自らの投球で流れを逸し、「初回から試合を壊してしまった。焦ってしまって」と唇をかむ。「気持ちの勝負だと思っていた。自分が負けてしまった」と九回には連打で痛恨の4失点目を喫した。

 今春の選抜大会で4強に入り、夏こそは全国制覇と意気込み「どこのチームにも負けられないというのがあった」と江口。支えてくれた仲間との3年間に感謝しながらバスに乗り込み、掛け付けた応援団からはねぎらいの拍手が送られた。

◇昨夏の悔しさぶつけられず

 優勝候補と呼ばれた王者が昨夏3回戦敗退に続いて、今夏もまさかの準決勝敗退。主将の渡邊は「昨夏に悔しい思いをしたので、その悔しさを今夏にぶつけたかった」とうつむく。

 昨夏に引退した元部員も練習場に顔を出し、部員たちを気遣っており、今夏は先輩や控えで試合に出られなかった3年生の思いに報おうとしたが、「後半で点が入り、焦ってしまった」と悔し涙を流す。「後輩たちには厳しい練習の中で大きくなって」とエールを送った。

(埼玉新聞)

◇負けられぬ重圧 投打空回り

 春の選抜大会4強の浦和学院。「甲子園に戻るためには、どの学校にも負けることができない」。その気負いが、江口奨理投手(3年)の力みにつながった。

 立ち上がり、制球に苦しみ、先頭打者に四球を許した。三振と内野ゴロで2死二塁までこぎつけたものの、四球のあと適時打を浴びてしまう。「エースなら、ランナーを出しても点は取られない。何としてでも…」。気持ちが空回りしていた。

 二回も2死から死球で出した走者に盗塁を許し、適時打で勝ち越された。投球のミスを突かれた主戦のあせりは、打線にも影を落とした。

 ベンチの森士監督は「スイングが大振り気味だ」と感じていた。打者に指示し、「修正できていくイメージはあったが、回が進むごとに、ずるずると」。中軸の山崎滉太選手(3年)は2安打を放ったが、「相手バッテリーはタイミングを外しにくる配球で、よく研究していると思えた」と話した。

 春の関東大会を制したが、森監督は「夏はどの学校も力の差はなくなる。特に勢いに乗る公立校は油断できない」と考えていた。事実、昨夏は3回戦で川口に敗れた。

 今大会は2回戦からの準決勝までの5試合すべてで、「打倒浦学」を掲げた公立校を破ってきた。この日も接戦を予想し、エース江口の先発で勝負に出た。「相手投手は一人で投げ、気迫があった。個人個人の戦いで負けたのが敗因」。勢いにのまれた試合を監督は振り返った。

(朝日新聞埼玉版)

◇浦和学院・江口奨理投手 「もう一度」の夢破れ涙

 「自分が初回から試合を壊してしまった」。今春、選抜4強にチームを導いたエースは悔しさにうなだれ、振り絞るように話した。

 「埼玉県に優勝旗を持ち帰る」と入学した浦和学院。エースまでの道のりは順風満帆ではなく、1年の夏には視神経の炎症で視界が狭まる病気を患った。落ち込みはしたが、母の奈美さんが「チームの皆に励ましてもらっていた。本人も諦めなかった」と話すように、2年の秋にはマウンドに戻ってきた。

 今大会は準決勝まで16回を投げ18奪三振、自責点1と結果を出した。しかし、白岡戦では「気持ちの焦りが出た」という。失点し追いついた後の2回にも1点を失い、七回には四球から適時三塁打を許した。

 「もう一度甲子園に立とうと思ってやってきた。最後の最後で自分のピッチングができず悔しい」。あふれる涙は止まらなかった。

(産経新聞埼玉版)

◇浦和学院3年・江口奨理投手 乱れた制球、止まらぬ涙

201507270707 甲子園の舞台に戻ることはできなかった。試合が終わってすぐ、球場裏の駐車スペース。「みんなに迷惑をかけてしまった」。優勝候補の筆頭チームを引っ張ってきた左腕エースは帽子を深くかぶってうずくまり、涙を流し続けた。

 春のセンバツではベスト4進出の立役者となり、全4試合で完投した。「精神面でもっと強くなり、必ず優勝する」。夏の甲子園での全国制覇に向け、「走者を出しても点を取られないピッチング」を意識して練習を重ねてきた。

 だが、この日は初回から制球が定まらない。一回の先頭打者に四球を与え、後続の適時打で1点を先制された。二回にも死球を与えた後の適時打で2点目を献上。「思うように球を投げられず、焦った」

 得点圏に走者を出す度、西野真也捕手に「今までやって来た気持ちを全部込めて投げろ」と励まされた。しかし、自慢の制球力は最後まで戻らなかった。七回に1点を奪われ、九回にも1失点。完投できずにマウンドを降りた。

 母の奈美さんは「すごいプレッシャーの中でよく戦った。『頑張ったね』と声をかけたい」と失意の息子を気遣った。

(東京新聞埼玉版)

◇甲子園への思い重圧に 浦和学院3年・江口奨理投手

 九回1死一、二塁から、白岡の4番・矢部陸哉選手(3年)に適時二塁打を打たれ、試合を大きく決定づける4点目を喫すると、おもわず天を仰いだ。試合後、「全部自分のせい。みんなに申し訳ない」と涙をぬぐった。

 初回から直球が高めに抜けた。2四球と1本の適時打で先制を許すと二回にも失点。尻上がりに調子を上げるのが本来の持ち味だが、この日はなかなか調子がつかめず、制球が定まらない。大量失点こそ許さないものの、六回を除き毎回出塁を許した。

 今春のセンバツ準決勝敗退の経験から、どんな局面でもマウンドでは冷静さを保つつもりだった。しかし「今日は自分が一人で焦っていた。『もう一度甲子園の舞台でやりたい』という思いが出すぎた」。

 母奈美さんは「すごい重圧がかかったはず。よくがんばった」とねぎらう。エース左腕は「今度こそこの悔しさを次に生かしたい」。そう誓って球場を後にした。

(毎日新聞埼玉版)

 試合結果
 準決勝 7月26日(県営大宮球場)
TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
白岡 1 1 0 0 0 0 1 0 1 4 8 0
浦和学院 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 6 0
【浦】江口、榊原-西野【白】谷中-荒井
▽三塁打:矢部(白)▽二塁打:諏訪(浦)荒井、矢部(白)
 浦和学院打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
諏訪 4 2 0
3 0 0
津田 3 0 0
高橋 3 1 1
荒木 3 0 0
山崎 3 2 0
渡邊 3 1 0
西野 3 0 0
H 鈴木 1 0 0
江口 3 0 0
1 榊原 0 0 0
H 梶山 1 0 0
30 6 1
 白岡打撃成績
位置 選手名 打数 安打 打点
鳥海 4 2 1
堀口 4 0 0
伊藤 3 1 0
矢部 3 2 2
平塚 4 1 1
谷中 5 0 0
溝端 4 0 0
大木 4 1 0
荒井 3 1 0
34 8 4
 投手成績
TEAM 選手名 球数 被安打 奪三振 四死球 失点/自責
浦和学院 江口 8 1/3 147 8 4 7 4/4
榊原 2/3 4 0 0 0 0/0
白岡 中村 9 152 6 6 5 1/1
TEAM 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 併殺 残塁
浦和学院 6 5 2 1 0 0 9
白岡 4 7 1 2 0 0 11

 白岡の右腕谷中が6安打1失点完投。打線も8安打4得点し浦和学院に快勝した。白岡は1-1の二回、2死から死球と盗塁で好機を広げ鳥海の中前適時打で勝ち越し。七、九回には矢部が三塁打、二塁打と2打席連続タイムリー長打で加点した。谷中は直球、変化球を外角いっぱいに決めた。浦和学院は左腕江口が7四死球8安打4失点と精彩を欠いた。打線も連打は1度だけ。好機でも一打出ず。

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