国体開催で中断していた秋季県高校野球大会は10月1日に再開。県営大宮、市営大宮両球場で準々決勝を行い、ベスト4が決定する。浦和学院、花咲徳栄、春日部共栄の3校が順当に勝ち進んだほか、川越東、狭山ヶ丘、山村学園、西武台の私学勢、公立校で唯一8強入りした上尾が関東大会の切符を懸けて火花を散らす。いずれも甲乙付け難い好カードとなった準々決勝を展望する。
◇浦和学院vs川越東「因縁対決、右投手が鍵」 |
昨秋の県大会決勝、春の県、関東大会の決勝で浦和学院が3連勝した因縁の残る一戦。両チームとも特長的な左打線を相手取る右投手の出来が勝敗の分かれ目。多彩な攻撃で1点を取りにいくスタイルを継続する川越東は速球派の島田が度胸よく内角を攻め切れるか。ここまでエース榊原の安定感が際立つ浦和学院はバント安打などの小技を封じれば優位に立てる。
◇狭山ヶ丘vs山村学園「初4強へ、譲らぬ意地」 |
どちらも勝てば初の4強入りとなる。西部地区同士の意地がぶつかり合う注目カード。3回戦でBシード聖望学園を破って勢いに乗る山村学園は3試合続けて6得点以上と打線が好調。気迫で押していく左腕佐々木を援護できるか。1番川村ら上位打線が活発な狭山ヶ丘は4番永田の勝負強さを生かす攻撃に期待。エース右腕藤野も得意の変化球を低めに集めたい。
◇上尾vs花咲徳栄「県内屈指左腕に挑む」 |
県内屈指の左腕高橋昂を擁する花咲徳栄が地力で大きくリード。主力の一部が28日の和歌山国体を戦った疲労は不安材料だが、大きな影響はなさそう。打撃戦、投手戦のどちらでも優位は揺るがない。つなぐ意識の高い上尾打線は好左腕を一気に攻略し、マウンドから引きずり下ろせば勝機が広がる。山下、阿部、渡辺とタイプの違う右腕3人の起用法も鍵になる。
◇春日部共栄vs西武台「夏の激闘、再現なるか」 |
夏の3回戦で西武台が3-2と競り勝った試合が記憶に新しい。前チームからエースナンバーを背負う左腕唐沢は、この試合で三回から九回まで零封。正確に四隅を突く制球力は健在で、1回戦から3試合で2失点と抜群の安定感を誇る。雪辱に燃える春日部共栄は3番関谷を軸とする打線が上り調子。配球面に課題を残しているバッテリーの負担を減らせるか。
(埼玉新聞)