12日の仙台育英(宮城)との初戦に向けて調整を進めるチームは9日、兵庫県伊丹市の伊丹スポーツセンターで午前10時から2時間の練習を行った。
アップの後、一塁側、マウンド、三塁側の3カ所で投手のバント処理の練習を実施。フィールディングのほか、けん制、ランダウンプレーなど密な連係とフォーメーションを確認し、仙台育英など機動力を絡めてくるチームへの意識を高めた。
マウンド上では河北や渡辺ら投手陣が森大コーチからけん制について指導を受けた。「県大会と甲子園ではボークの取られ方が少し違う。(右投手は)右足を軸に回転するようにすれば取られにくい」と2008年夏に甲子園のマウンドを経験している森大コーチの言葉は効果的だ。
その後、手投げ2カ所とマシン1カ所で打撃練習。打撃投手はメンバー入りしている右腕近野と左腕下薗が務め、力のある球をレギュラー組の打撃陣が打ち込んだ。
エース河北、甲子園用けん制「コツつかめた」
ブルペンで捕手を座らせて45球を投げたエース右腕河北は「体のバランスのズレがあったが、良くなってきた。いい状態に仕上がってきている」と手応えを口にした。7月23日の南埼玉大会決勝以来、実戦からずいぶんと遠ざかっているが、しっかりと初戦に合わせて調子を上げている。
関西入りしてからは、甲子園でのけん制球の投げ方について教わってきた。この日も森大コーチにお手本を見せてもらい、「以前のように足を横に出すとボークを取られやすい。くるっと回るように」と自分なりに解釈している。
「最初は投げづらかった」という甲子園用のけん制も、「(同じ先発候補の)渡邉とも『こんな感じかな』って話しながら繰り返してだんだんとコツがつかめてきた」と板に付いてきた。
近野、打撃投手務め「生きた球を」
背番号18の右腕近野が「仲間のために生きた球を」とヘッドギアを着けてフリー打撃の投手を務めた。レギュラー組の打撃陣に40~50球を投げ、「みんなバットも振れているし、調子が上がってきている」とチームメートの好調ぶりを喜んだ。
一方で、南埼玉大会の準々決勝以降は登板していなかっただけに、いつ出番が来てもいいように万全の態勢で機会を待ちたい気持ちも当然ある。「自分の準備でもあるし、全力で投げた。いい感じはつかめた」と納得の表情で汗を拭った。
(埼玉新聞)