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早大・小島和哉投手、集大成のシーズンへ 自信の直球「魂込めて」

 8日に神宮球場で開幕する東京六大学野球秋季リーグ戦で早稲田大学の小島和哉投手(浦和学院高出、4年)が大学野球最後のシーズンに挑む。

 浦和学院高時代は2年生の春の選抜大会で優勝投手に輝き、早大入学後も六大学リーグで現役最多の18勝を誇る世代屈指の左腕だ。侍ジャパンの大学日本代表に名を連ねるチームの絶対的エースであり、主将も務める精神的な支柱でもある。

 早大の6季ぶりの栄冠へ「何としても優勝して、監督を胴上げしたい気持ちでいっぱいです」と聖地・神宮球場のマウンドで大車輪の活躍を誓っている。

エースで主将・小島和哉、自信の直球「魂込めて」

 主将として初めて挑んだ春季リーグ戦は4勝3敗、防御率2・29とまずまずの成績を残した。小島自身も「点数を付けるなら80点ぐらいの出来」と振り返る。

春の手応え

大学最後のシーズンへ、大車輪の活躍を誓う早大のエース小島和哉=8月30日、西東京市東伏見の安部球場

 当然チームが3位だったこと、前半の2カード(立大、明大)で2敗したことは反省点に挙げつつも、大きな手応えを得たシーズンだった。

 意識したという投球回数は実に63イニング。これはリーグ断トツの数字だ。8試合に登板し、1試合平均で約8回投げたことになり「明治の3戦目(5回を自責点7)以外は試合をつくれた」。

 最終週は既に優勝が決まっていた慶大に1戦目は敗れたが「何としても秋につなげる試合にしたかった」と志願の連投で2戦目に勝ちをつけると、主将の思いがチームに乗り移り、3戦目は1年生2人の完封リレーで勝ち点を奪った。

 もう一つの収穫は、背番号10の生命線である直球のスピードと切れが増したことだ。

 早慶戦の1戦目では、自己最速を2キロ更新する147キロをマークした。それでも高校時代からそうだったように、球速を求めず、「リリースの瞬間に力を入れることと、(左)腕の通り道だけを意識した」。その結果が好循環を生み、球の伸びも上々だ。指先の感覚も良く、表情からも自信がみなぎっている。

後輩から刺激

 さらなるレベルアップを目指した今夏は、怒涛(どとう)の日々を過ごした。

 7月1日からは侍ジャパン大学代表として米国での「日米大学野球」に参戦。そのまま日本に戻らずオランダでの国際大会「ハーレム・ベースボールウイーク」に臨み見事に優勝。同24日に帰国し、31日から8月15日は早大としてブラジルへ遠征して試合を重ねた。帰国後もオール早慶戦(岐阜)、六大学オールスター戦(長野)に出場した。

 日本代表の投手らとの時間や体の大きな外国人選手との対戦など学べることはたくさんあった中で「勝ってくれると本当にうれしいし、あの一生懸命に野球をする姿を見ると刺激になります」と少年のような笑顔で思い返すのが母校の活躍だ。自身が2年次以来、5年ぶりに夏の甲子園に出場した浦和学院の後輩たちがベスト8まで進んだ。

 8月28日に神宮球場で開催された大学日本代表と浦和学院から渡邉、蛭間が選出された高校日本代表との壮行試合では実際に蛭間と対戦。右腕渡邉が投げる姿も目の当たりにし「2人とも雰囲気がある。後輩たちが頑張っているから、自分も頑張ろうという気持ちになりますね」とうれしそうだ。

決意の秋

 たくさんの刺激をもらい、挑む大学野球生活4年間の集大成の秋。卒業後の進路はプロ一本と決めているが、その前に絶対的エースとして、主将として、成し遂げなければならないことがある。

 自身が1年次に春秋連覇を達成して以来、優勝から遠ざかっているだけに「プロへの思いはしまっておいて、リーグ戦に勝つことだけを考える。自分の原点の高校時代をもう一度、思い出して一球一球に魂を込めて投げたい。それに尽きます」と言葉に決意を込めた。

 開幕週で対戦する法大には春季は1、3戦目でともに9回1失点で完投勝利を挙げた。内容も完璧に近く「春のいいイメージだけを持っていきます」とまずは大事な初戦を力強く見据えている。

小島和哉(おじま・かずや)

 早稲田大学野球部4年で主将を務める。プロ注目の左腕。浦和学院高では3度の甲子園出場で2013年春には全5試合に先発し、チームを初の全国制覇に導く。早大入学後は1年春からマウンドに立ち、全日本大学選手権ではチームの日本一に大きく貢献。東京六大学リーグ通算18勝11敗、防御率2・55。直球の最速は147キロ。177センチ、81キロ。鴻巣市出身、22歳。

(埼玉新聞)

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