準決勝を実施し、Aシードの浦和学院と花咲徳栄がそれぞれ勝って、決勝に進出するとともに来春の選抜大会出場への最終関門となる関東大会(10月30、31日、11月2、6、7日・茨城)の出場権を獲得した。関東大会出場は浦和学院が5年ぶり18度目、花咲徳栄は2年ぶり14度目となる。
浦和学院は、上尾に3-2で競り勝った。一回無死二、三塁から金田が2点適時打を放ち、先制。さらに一、二塁とすると、高山のタイムリーで3点目を奪った。花咲徳栄は聖望学園に13-0で五回コールド勝ち。一回に前田の2点適時打など、この回だけで9安打10得点。五回にも加点した。
決勝は28日、県営大宮で午前10時にプレーボール。浦和学院が5年ぶり16度目、花咲徳栄が2年ぶり7度目の優勝を懸けて対戦する。
浦学、先制逃げ切り 気迫と執念上回る
ともに勝負強さを備える浦和学院と上尾の対決は、互いに譲らぬ好試合となった。それでも、気迫と執念でわずかに上回った浦和学院に勝利の女神が振り向いた。森監督は「勝つのは大変ということを痛感した」と大きな1勝を手にした。
準々決勝の大宮東戦では、互いに2桁安打を放つ乱打戦で打線が存在感を発揮した。一方で準決勝では、遊撃手の金田が「投手戦になるだろうと思った」と話すように、一回にもぎ取った3点をしぶとく守った。一回に上尾の先発倉持から1死も取られることなく3点を奪うが、2番手川口を攻略できず、二回以降はゼロ行進。
そんな状況にエース宮城は「気持ちに左右されず、淡々とアウトを取るだけ」と落ち着いていた。左打者に対しては外角低めの直球で勝負し、右打者に対しては内角への変化球を有効に使い、10安打を浴びながらも2失点完投。食らい付く上尾打線にエースの意地を見せた。
紙一重の戦いを制して手にした関東切符。次は、秋の王者を狙う。金田は「守備からしっかりリズムをつくりたい」と意気込んだ。
上尾、反撃も一歩及ばず
40年ぶりの関東大会出場へ伸ばした上尾の手は、わずかに届かなかった。高野監督は「もう一本という部分でしのがれた。外野の間を抜くような安打が出なかった」と悔しさをにじませた。
2番手で登板した川口が追加点を与えずに好投を続けると、流れを引き寄せた。四回に野口のスクイズ、八回には金丸のソロ本塁打で1点差に迫った。相手を上回る10安打を放ったが、得点圏に走者を進めた二、六、七回の好機で安打が出ず無得点。2-3の九回には、2死二塁としたが後続が倒れ万事休した。
大きく成長した今大会だったが、指揮官は「長打が出る出ないは大きい」と課題も露呈。主将の金丸は「フルスイングを意識し、強いスイングを身に付けたい」。力強く冬を越し、今度こそ相手を一歩上回りたい。
(埼玉新聞)
夏の投げ込み成果示す完投 浦和学院・宮城投手
九回、浦和学院のエース宮城誇南投手(2年)は2死から安打と暴投で、同点のピンチを迎えた。でも自信のあるストレートを軸に、最後の打者を中飛に仕留めて試合を締めた。「1人で完投できるように」と夏場に投げ込んだ成果もあり、この日は143球を投げ切った。「関東大会でも、静かに闘志を燃やしたい」と意気込んだ。
(朝日新聞埼玉版)
浦和学院、上尾に競り勝って5年ぶりの関東大会へ 左腕・宮城が2失点完投
浦和学院はエース左腕・宮城誇南(こなん)投手(2年)が上尾打線に10安打浴びるも粘りの投球で2失点完投。チームを2016年以来5年ぶりの秋季関東大会出場に導いた。
「完投できたのが一番の収穫。とにかく淡々とアウトを取ることだけに集中していた」
173センチ、70キロ。決して大きな体格ではないが、丁寧に両コーナーをつく投球が持ち味。今夏の甲子園大会後からは「完投できる投手」を目指して秋季大会までに1000球ほどの投げ込みをしてきた。その成果はしっかりと現れて、この日は143球を投げ切った。
宮城について森大監督は「甲子園が終わってから、今後は大学やプロで活躍するためにも完投できるようにならないと通用しないという話をしてきた。今日は最後まで球が落ちなかったので、やってきた成果はでている」と成長を喜んだ。
関東大会は茨城県で10月30日から開幕予定。宮城は「春の関東大会でレベルの高さを痛感した。まずは2勝して選抜に出られるようにしたい」と意気込んだ。
(サンスポ)
浦和学院5年ぶり関東大会切符、宮城2日連続先発で初完投も「全然大丈夫」
浦和学院が1点差で逃げ切り、5年ぶり18回目の関東大会出場を決めた。
決勝進出も、5年ぶり18回目。夏の甲子園後から指揮をとる森大監督(30)は「やっぱり、勝つのって大変だなと思いました」と振り返った。
エース宮城誇南(こなん)投手(2年)が、2日連続で先発。前日の準々決勝大宮東戦では、立ち上がりに相手打線につかまった。その反省をふまえて「自分は、初回がいいと波に乗れるタイプなので、今日は初回にこだわって気持ちは120%で投げました」と3者凡退に仕留めた。
1点差まで迫られたが、9回2死二塁のピンチを抑え、やっと笑みを浮かべた。公式戦は初完投で「疲れは多少あるけど、まだまだ全然大丈夫です」。甲子園から戻り、完投する体力をつけるため合計1000球の投げ込みをするなど練習を積み重ねてきた。「完投できたことが、成果だと思います」と手応えをつかんだ。
関東大会に向けては、「春の関東大会で、レベルの高さを感じた。関東も1戦必勝でいきたい」と意気込んでいた。
(日刊スポーツ)
試合結果
秋季県大会・準決勝(9/26・県営大宮)
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
上尾 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 10 | 1 |
浦和学院 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 3 | 6 | 0 |
【浦】 | 宮城-高山 |
【上】 | 倉持、川口-金丸 |
本 | 金丸(上) |
二 | 金丸(上) |
打撃成績
浦和学院 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑤ | 八谷 | 3 | 1 | 0 |
④ | 大内 | 4 | 1 | 0 |
⑥ | 金田 | 4 | 1 | 2 |
⑧7 | 伊丹 | 3 | 0 | 0 |
② | 高山 | 4 | 3 | 1 |
③ | 藤野 | 3 | 0 | 0 |
H | 森 | 0 | 0 | 0 |
3 | 大勝 | 0 | 0 | 0 |
⑦ | 鍋倉 | 2 | 0 | 0 |
7 | 小林 | 0 | 0 | 0 |
H | 當銘 | 1 | 0 | 0 |
8 | 江口 | 0 | 0 | 0 |
① | 宮城 | 2 | 0 | 0 |
⑨ | 喜屋武 | 3 | 0 | 0 |
計 | 29 | 6 | 3 | |
上尾 | ||||
位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 |
⑧ | 石川 | 5 | 1 | 0 |
⑦ | 太田 | 4 | 0 | 0 |
H | 岡安 | 1 | 0 | 0 |
② | 金丸 | 3 | 2 | 1 |
③ | 駿河 | 4 | 2 | 0 |
⑤ | 中村 | 4 | 1 | 0 |
⑥ | 野口 | 3 | 1 | 1 |
④ | 大西 | 4 | 2 | 0 |
① | 倉持 | 0 | 0 | 0 |
1 | 川口 | 3 | 0 | 0 |
⑨ | 佐藤 | 4 | 1 | 0 |
計 | 35 | 10 | 2 |
投手成績
浦和学院 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
宮城 | 9 | 10 | 10 | 0 | 1 | 2 | 2 |
計 | 9 | 10 | 10 | 0 | 1 | 2 | 2 |
上尾 | |||||||
選手名 | 回 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
倉持 | 0/3 | 4 | 0 | 0 | 1 | 3 | 3 |
川口 | 8 | 2 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 |
計 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 | 3 | 3 |
チーム成績
TEAM | 攻撃 | 守備 | |||||
三振 | 四死球 | 犠打 | 盗塁 | 残塁 | 失策 | 併殺 | |
浦和学院 | 4 | 3 | 2 | 1 | 7 | 0 | 0 |
上尾 | 10 | 1 | 2 | 1 | 9 | 1 | 0 |
浦和学院は一回に奪った3点を守り切り、上尾に競り勝った。浦和学院は、一回に先頭の八谷、大内の連打で好機を築くと金田が2点適時打を放ち先制。死球で一、二塁とし、高山のタイムリーで追加点を奪った。投げては、エース宮城が10安打2失点で完投した。上尾は相手を上回る10安打を放ったが、好機で1本が出なかった。