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浦和学院、埼玉栄を下し4強 森大監督「今の浦学には三浦先生の魂宿っている」

【写真】4回、浦和学院・石田の中前適時打に喜ぶ森監督(中央左)らナイン

 第10日は準々決勝を行い、Aシード昌平と浦和学院、Dシード花咲徳栄、ノーシード川越東が準決勝に駒を進めた。4強入りは昌平が2年ぶり3度目、浦和学院が3年連続26度目、花咲徳栄が2年連続14度目、川越東が5年ぶり5度目となった。

 昌平は2点を追う八回に桜井の適時打などで3点を奪い、8-7でDシード東農大三に逆転勝利した。川越東は継投策で逃げ切り、3-0でDシード春日部東に完封勝ちした。浦和学院はDシード埼玉栄に7-0で快勝した。花咲徳栄は10-0でDシード秀明英光に五回コールド勝ちした。

 第11日は26日、県営大宮で準決勝を実施。昌平-花咲徳栄(午前9時)、川越東-浦和学院(同11時半)の組み合わせで決勝進出を争う。

浦学、小技絡め得点刻む

8回表浦和学院2死三塁、江口がセーフティースクイズを決め加点した

 序盤からコツコツと点を積み重ねた浦和学院は、投打がかみ合い3年連続の4強入りを決めた。森監督は「決勝戦のつもりで(残り)3試合を戦おうと言った中で、非常に頼もしい試合をしてくれた」と満足の表情を見せた。

 この日は、長打4本を含む11安打7得点と強打が注目されがちだが、4犠打と小技を絡めた堅実な野球も目を引いた。象徴的なのは、5-0の八回2死三塁。9番江口が初球から意表を突くセーフティースクイズで追加点を挙げた。

 昨チームまでは「超攻撃野球」をテーマに強打でビッグイニングをつくり打ち勝ってきた。だが、喜屋武は「夏は一つのプレーで流れが変わる。確実に点を取ることが大切」。秋春の県決勝で好機に1本が出ず準優勝と苦い思いを続けただけに、バント練習などで得点の引き出しを増やしてきた結果が、今夏に実を結んでいる。

 投げては先発鈴木と渡邉の継投で完封リレーを披露。まず、鈴木が「秋も春も伊藤が頑張ってくれた分、カバーしたい」。エース伊藤が不調な中、同じ左腕としてこの日は直球を主体に五回まで被安打3。六回からは右腕渡邉が「絶対打たせたくなかった」と春季県大会3回戦で7回7安打5失点と打ち込まれた相手に最速145キロの直球を武器に凡打の山を築いて無安打に抑えた。

 多彩な攻撃に盤石な継投策を発揮。森監督は「今年は20人が全員エースであり、主力であり、主軸」。金田(ロッテ)らタレント集団を率いて選抜4強入りした昨季までとは一味違う武器を磨き続けて、夏の頂点に駆け上がるつもりだ。

浦和学院、主将初先発でチームに貢献

 背番号18の主将江口が、9番中堅手で今大会初先発。「試合に出る時も、ベンチにいる時も、モチベーションは変わらないが、どんな時も自分の仕事を全うしたい」と1安打1打点を記録した。

 昨秋まで背番号8の小林が主将を務めていたが、1番打者の切り込み隊長であり、守備の要である小林に、これ以上負担をかけさせまいと、自ら主将を買って出た。つなぐ打撃を心がけている江口は、4打席目に技ありのセーフティースクイズでチームに貢献した。

埼玉栄、散髪3安打 悲願遠く

 14年ぶりの準決勝進出を目指し、Aシード浦和学院相手に踏ん張ったが、力負けした。山田監督は「力不足。完敗。技術、体力で浦和学院が上回っていた」と脱帽した。

 先発の山下は一回に中犠飛を許し先制点を与える苦しい立ち上がり。「二回以降は制球が良くなった」と持ち味の打たせて取る投球を心掛け、二、三回を「0」で切り抜けた。

 ロースコアの展開のうちに反撃に出たい打線は、六回2死三塁の好機を築くも中軸が二直に倒れた。五回以降はノーヒットに抑えられ、得点を刻むことはできなかった。3番の楯は「投球間隔が短く、タイミングを合わせるのが難しかった」と肩を落とした。

 両校は春季県大会の3回戦でも対戦し、この時は敗れはしたが7得点を挙げていた。雪辱を期した一戦にチームは「絶対に勝ってやるんだ」と闘志を奮い立たせて試合に臨んでいた。

 敗れはしたものの、埼玉栄の持ち味である「チーム力は発揮できた」と山下は言う。七回1死満塁の場面でも「強力な守備陣が後ろにいるので安心して投げられた」と相手の4番を併殺に打ち取るなど、一丸となった戦いを最後まで貫いた。

 山田監督は「今の3年生は技術や体力のない代だったが、よくここまでやってくれた」と一戦ごとに成長してきた選手たちをたたえた。

(埼玉新聞)

浦和学院が準決勝進出 死去の三浦貴先生にささげる1勝 森大監督「コーチとして一番の存在だった」

 三浦先生、見ていますか-。浦和学院が埼玉栄に快勝し、準決勝進出。24日に死去した、同校OBでコーチだった三浦貴さんにささげる弔い星となった。

 森大監督(32)は「自分にとって兄弟子。最後まで支えてくれていた」と言葉を絞り出せば、森士前監督(59)も「熱い指導者。コーチとして一番の存在だった」としのんだ。チームにとって大きな存在だった。

 三浦さんは今年4月にも、特守と特打で熱心に指導する自身の姿をYouTubeで配信していた。この日は失策はゼロで、打線も力強い打球を連発。恩師の教えを存分に生かした。2本の二塁打でチャンスメークした三井雄心内野手(3年)は「チーム全体としても良い雰囲気で勝てた」とうなずいた。

 選手には訃報は試合後に伝えられた。「今の浦学には三浦先生の魂が宿っている」と森大監督。甲子園まであと2戦、負けられない理由がそこにある。

(デイリースポーツ)

浦和学院、準々決勝で埼玉栄に快勝 急逝した三浦コーチへ天国に良い報告を!

 2年ぶり15度目の夏の甲子園出場をめざす浦和学院は、準々決勝で埼玉栄と対戦。一回に先制し、その後も攻撃を続け2投手の継投で無失点の快勝だった。

 24日に急逝した三浦貴コーチ(享年45、元巨人など)の報に接して最初の試合で、4番から3番に代わった喜屋武夢咲外野手(3年)が一回四球、暴投犠打で迎えた1死三塁で中堅に犠飛を放ち先制。4番に1年生の西田瞬内野手(1年)、5番に夏初スタメンの三井雄心内野手(2年)というクリーンアップが活躍し、4強入りを決めた。

 森大監督は、「打順変更がはまった。初回に3人で、ノーヒットで1点というのは相手にとって響く。三浦コーチ(の逝去)の知らせは僕のところには届いてはいるが、『俺のことより大会に集中』と前監督を通じていわれていたので、選手には知らせていない。僕にとって兄弟子。(霊前に)いい報告ができるようにがんばっていきたい」と話した。

 8強入り後、再チェックし、打順や選手交代を進め、甲子園切符の奪回にかけている。

(サンスポ)

浦和学院4強、急逝の三浦貴コーチに弔い星届けた!森大監督「今の浦学には三浦先生の魂が宿っている」

ホッとした表情で勝利をかみしめる浦和学院ナイン

 埼玉では強豪・浦和学院が埼玉栄に7-0で完勝し、4強進出。打線は11安打7点、投げては2投手が完封リレーと躍動し、24日に急逝したプロ野球・巨人、西武でプレーした三浦貴(たか)コーチ(享年45)に弔い星を届けた。

 指導を受けていた選手たちが、澄んだ青空の下で躍動した。打っては11安打7得点、守っては無失策と野手を担当していた三浦コーチの教えを遺憾なく発揮。森大監督(32)は「今の浦学には三浦先生の魂が宿っている」と視線を空に向けた。

 突然の訃報だった。22年3月に大腸がんが見つかり、休職。懸命な治療により一時は寛解し、今年3月に復職。だが、6月末に再び体調を崩し、今月24日未明に容体が急変し、帰らぬ人となった。

 生涯野球人を貫いた。現役引退後、13年に母校のコーチに就任。プロでの経験を生かし、身ぶり手ぶりを交えながら後進に技術を伝授した。18年に夏の甲子園へ出場した際には、練習中に打球が顔に直撃。入院したが、準々決勝では病院から直行して試合前ノックを打った。今大会前も体調が優れない中グラウンドへ顔を出し、チームを激励。森監督には「俺のことより大会に集中してほしい」との言葉を伝えていたという。

 この日、観戦に訪れた同校の前監督で、三浦さんの恩師の森士(おさむ)氏(59)は、23日にお見舞いへ足を運んだことを明かした。「今大会が終わるまではへたるなよって言ったんだけど」と悔しさをにじませた。21年までは監督とコーチの間柄として時間を共にしており、「これからを嘱望されていた人材。無念でしかない」と声を詰まらせた。

 三浦コーチを兄弟子と慕う森大監督は「最後まで浦学に対して陰ながら支えてくれた」と感謝を口にした。聖地まであと2勝。天国に吉報を届けるため、教え子たちは最後まで諦めずに戦い抜く。

(スポーツ報知)

試合結果

全国選手権埼玉大会・準々決勝(7/25・県営大宮)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
浦和学院 1 0 0 2 1 0 0 2 1 7 11 0
埼玉栄 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2
【浦】 鈴木、渡邉-篠塚、齋藤
【埼】 山下、岡田-倉田
月山(浦)
三井2、名波(浦)倉田(埼)

打撃成績

 浦和学院
位置 選手名 打数 安打 打点
小林 4 2 0
月山 3 1 0
喜屋武 1 0 1
R9 山田 0 0 0
西田 2 0 1
6 小栗 1 1 0
三井 2 2 0
R5 河内 2 2 1
篠塚 2 0 1
H 濱野 1 0 0
2 齋藤 0 0 0
石田 3 1 1
H3 名波 2 1 1
鈴木 2 0 0
H1 渡邉 2 0 0
江口 4 1 1
31 11 7
 埼玉栄
位置 選手名 打数 安打 打点
越前谷 3 0 0
井上 4 0 0
4 0 0
新川 4 1 0
倉田 2 1 0
内野 3 0 0
長岡 3 0 0
中村 3 1 0
山下 1 0 0
H 丸目 1 0 0
1 岡田 0 0 0
28 3 0

投手成績

 浦和学院
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
鈴木 5 3 3 0 0 0 0
渡邉 4 0 3 2 1 0 0
9 3 6 2 1 0 0
 埼玉栄
選手名 安打 三振 四球 死球 失点 自責
山下 8 9 3 4 2 6 6
岡田 1 2 1 0 0 1 0
9 11 4 4 2 7 6

チーム成績

TEAM 攻撃 守備
三振 四死球 犠打 盗塁 残塁 失策 併殺
浦和学院 4 6 6 0 9 0 0
埼玉栄 6 3 2 1 6 2 1

浦和学院は11安打7得点で快勝した。一回1死一、三塁から西田の中犠飛で先制するなど、小刻みに得点を重ねた。投げては鈴木、渡邉の継投で無失点に抑えた。埼玉栄は3安打と相手投手陣を攻略することができなかった。

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