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浦学、川越東にコールド勝ちで決勝進出 公式戦初先発の細澤が5回2安打無失点

【写真】浦和学院先発の細澤

 第11日は準決勝を行い、Aシード浦和学院とDシード花咲徳栄が決勝に進出した。決勝進出は、浦和学院が3年連続21度目、花咲徳栄が4年ぶり9度目となった。

 2年連続で4強入りした花咲徳栄は、7-6で秋春王者のAシード昌平に競り勝った。1点を追う五回に増田のタイムリーと斉藤の2点適時二塁打で3点を奪い逆転。七回は木田のスクイズ、九回には上原の左越えソロでそれぞれ1点ずつ加え、投げては木田、上原の継投で逃げ切った。

 3年連続で準決勝に駒を進めた浦和学院は9-0でノーシード川越東に七回コールド勝ちした。一回に西田の適時二塁打で先制すると、三回に喜屋武の右越えソロで追加点を奪った。その後も得点を重ねて先発全員安打の14安打9得点と打線が奮起した。

 決勝は28日、午前10時から県営大宮球場で花咲徳栄-浦和学院のカードで行われる。埼玉大会決勝での顔合わせは、6年ぶり2度目となる。浦和学院は2年ぶり15度目、花咲徳栄は4年ぶり8度目の栄冠を狙う。

浦和学院、猛打健在 9得点完勝 先発全員14安打

3回裏浦和学院1死、喜屋武が右越えソロを放つ。捕手石川

 これまでの全5試合で2桁安打と浦和学院の強力打線は準決勝でも健在だった。先発全員安打となる14安打9得点で七回コールドの完勝。森監督は「決勝のことは考えずに一戦一戦戦ってきた結果。集中して試合に望めた」とチーム状態の良さをうかがわせた。

 一回、西田が2死三塁の好機で「走者をかえすことが自分の役目」と低めの変化球をうまく合わせ右中間へ先制の適時二塁打。1年生ながら今大会18打数7安打という好調さが評価され、準々決勝からの4番に抜てきされている。

 2-0で迎えた四回には主将江口の適時二塁打で追加点。「1死三塁は得意なシチュエーション」と力まずに外角の直球を振り抜き、チームを勢い付けた。江口は五回にも2打席連続の適時打を放つ。「公式戦初先発で力投する細澤を楽にしてあげたかった」とチーム全体を見渡す主将の役目を全うした。

 投手陣は4投手の盤石のリレー。3番手でマウンドに上がったエース伊藤は肩に違和感を抱えながらも志願の登板。3回戦では1/3、5回戦でも1イニングしか投げてない背番号1だが、「決勝を勝つことを考えると戦力になってもらわなければ」と指揮官は大一番を見据えていた。

 「打線は好調な選手から採用している」と森監督。今大会、打撃に苦しんでいた喜屋武にも一発が飛び出し、体制は万全だ。2年ぶりの夏の頂点を目指して決勝は花咲徳栄と激突する。前回大会の決勝では聖望学園に0-1で惜敗。指揮官は「昨年の悔しさをバネにここまで来た」と1年前とは異なる結末を描いていた。

喜屋武、夢に届け会心HR

 14安打9得点で七回コールド勝ちした打線に勢いを与えたのは、3番喜屋武の一振りだ。1-0の三回1死から甘く入ってきたスライダーを見逃さず、チーム2点目となる右越えソロを放った。

 今大会の序盤は4番を担っていたが、25日の準々決勝埼玉栄戦から3番に入った。出塁率の高い1、2番をより生かすため、森監督から3番で打点を稼ぐよう指示されたという。試合を重ねるごとに調子も上向きで「バントや足も絡めて得点できている」と手応え十分だ。

 初めて甲子園の土を踏んだのは、2022年選抜大会。チームは4強に進むが、自身は8打数1安打。緊張で積極的なスイングができずに悔やんだ。再びあの場所へ―。残すのは決勝のみとなった。昨年、決勝で聖望学園に敗れた時、先輩たちから「来年頼んだぞ」と託された。喜屋武は「自分たちが先輩の悔しさを晴らす」と21年以来の王座奪還の舞台が整った。

 名前は夢が咲くと書いて「夢咲(ゆめき)」。一番の夢はもちろん埼玉の頂点だ。「あと一つ勝つ」。必ず夢を咲かせてみせる。

細澤、逆境で光る変化球

 自らを「打ち取るタイプの投手」と語る細澤が公式戦初先発で堂々の内容。準決勝まで今大会2試合に登板し、計1失点と安定の投球でチームを助けてきた。「緊張するがやるしかない」とマウンドに上がった。

 二回に打球が脚を直撃。痛みから踏ん張りが利かなくなったが「パニックになってしまったが、変化球中心のピッチングスタイルに変えて、それがかみ合った」と冷静に修正した。5回を被安打2無失点に抑えた細澤は「自分を信じて一戦必勝で甲子園をつかみ取る」と決勝戦へ力を込めた。

(埼玉新聞)

浦和学院、7回コールドで川越東を下し決勝進出 28日に花咲徳栄と対決

1回裏浦和学院2死三塁、先制右中間適時二塁打を放ち喜ぶ西田

 浦和学院が14安打9得点で7回コールド勝ちし、決勝進出を決めた。

 2年ぶり15回目の優勝をかけて、28日に花咲徳栄との決勝戦に臨む。

 初回、2死三塁で4番の西田瞬内野手(1年)が右中間へ適時二塁打を放ち先制。3回には3番喜屋武夢咲外野手(3年)が右越えへソロを放ち2点目。4回、5回も打線がつながり、3点、4点と確実に加点していった。

 投げては、先発の細沢貫道投手(3年)が5回2安打無失点と試合をつくった。

 2戦連続でスタメン出場した背番号18の主将・江口英寿外野手(3年)は、2点リードの4回1死三塁で中堅へ適時二塁打を放つなど2安打2打点と起用に応えた。「特別なことはしない、今までやってきたことをやるだけ」と、すでに視線は28日の決勝戦へ。森大監督(32)も「明日の準備がすべて」と引き締めた。

(日刊スポーツ)

浦和学院が7回コールドで決勝進出 決勝は花咲徳栄と

勝利した浦和学院ナイン

 浦和学院が7回コールド勝ちで決勝進出を決めた。

 初回、2死3塁から1年生の4番・西田瞬一塁手の右中間を破る先制二塁打で勢いづくと、3回には3番・喜屋武夢咲(きゃん・ゆめき、3年)の右越えソロが飛び出し追加点を奪った。その後も4回と5回に得点を積み重ね、14安打9得点と川越東の投手陣を攻略した。投げては4人の投手が完封リレー。森大監督(32)は「ピッチャー陣の頑張りが今年の浦学を支えてくれている」とたたえた。

 2年ぶりの夏制覇まであと1勝。決勝戦は花咲徳栄と戦う。森監督は「選手たちが決勝での勝利の扉をこじ開けてくれると信じている。僕も監督として夏の甲子園は出場していないので、名将・岩井監督率いる花咲徳栄にチャレンジャーの気持ちで挑みたい」と力を込めた。

(スポーツ報知)

浦和学院・細澤貫道投手、6年ぶり先発 5回無失点

浦和学院の先発細沢

 準決勝の大舞台。浦和学院の細澤貫道(3年)にとって6年ぶりの公式戦先発登板だった。「思いっきり自分の球を投げ込もう」。5回を投げ、被安打2、無失点の力強い投球を見せた。

 細澤は当初メンバー選考から漏れ、スタンドから試合を見守るはずだった。しかし、諦めきれずに「どうしても投げたい」との思いを森大監督にLINEで直談判。メンバー決定直前の練習試合で好投し、土壇場でメンバー入りした。

 小学校入学と同時に野球を始めた。中学校では身長が10数センチ伸びた。成長にともなう肩の痛みで投げ込みができず、練習は走り込みばかり。逃げたくなることもあった。

 プレーができるようになってから全国大会に出場し、1イニングを三者凡退に抑えた。「野球をする楽しさを実感し、自信もついた」。強豪校に入り甲子園に行きたいと、浦和学院の門をたたいた。

 中学時代の走り込みで培った下半身の強さをいかしつつ、ウェートトレーニングやピッチング練習を重ねた。115キロほどだった球速は138キロに上がった。

 目標まであと1勝。「最期まで諦めずに甲子園をつかみ取れるように頑張ります」

(朝日新聞埼玉版)

浦和学院・喜屋武ソロ「三浦先生の分まで甲子園に」

3回、ソロを放つ浦和学院・喜屋武

 浦和学院の沖縄出身、喜屋武夢咲(きゃん・ゆめき=3年)が3回に右越えソロを放つなど、14安打9得点の猛打で川越東に7回コールド勝利した。

 13年からコーチを務め、同校OBで巨人などでも活躍した三浦貴さんが大腸がんのため24日に45歳の若さで急逝。喜屋武は「三浦先生の分まで絶対に甲子園に行きたい」と決勝を見据えた。

 森大監督は21年秋の就任以降初の夏切符へ「(花咲徳栄との)頂上決戦を制したい」と決意を込めた。

(スポニチ)

信頼厚い2主将

 複数主将システムを取る浦和学院。主将の江口英寿(3年)が高いマネジメント能力でチームをまとめ、「ゲームキャプテン」の外野手、小林聖周(同)がプレーヤーとして背中を見せる。江口は試合中も森大監督の横に座り、作戦や状況判断を提案。「僕の代わりのような存在」と森監督からの信頼も厚い。

 長打を狙う選手が多い中、犠打などの小技や守備が得意で、5回戦までは控えや途中出場だったが、準々決勝から9番打者で先発出場。準決勝は2安打1死球で全打席出塁し、ヒットはいずれも適時打と躍動した。「慣れない先発投手で奮闘する細澤を支えたかった」と、組織を支える自認が原動力だ。

(毎日新聞埼玉版)

浦和学院、急逝の恩師に捧げる圧勝…元巨人の三浦貴コーチ「大会に集中してほしい」と遺言

5回2死3塁、この日2本目の適時打を放つ浦和学院・江口

 浦和学院は初回二死三塁から4番西田の適時二塁打で先制。三回には3番喜屋武の本塁打で追加点を挙げた。四、五回にも長短打を集めて計7点を奪い、勝負を決めた。先発登板の細沢は5回を被安打2に抑え、その後は投手3人の継投で得点を許さなかった。

 川越東は初回、4番石川の内野安打などで作った二死一、三塁の好機で先制できなかった。その後も得点圏まで走者を進めたが、あと一本が出なかった。

「先生の思いに負けないように結果出す」

 浦和学院は、同校のエースとして1996年に春夏連続で甲子園に出場した三浦貴コーチが24日に直腸がんで急逝するという悲報に見舞われる中、決勝進出を決めた。

 三浦さんは東洋大を経て、2000年のドラフト3位で巨人に入団。西武でもプレーした。引退後、2013年から浦学のコーチとして選手たちを指導してきた。昨年1月に直腸がんが判明したものの、今月11日の初戦にはスタンドから応援していたという。三浦さんは45歳だった。

 チームには、25日の試合終了後に森大監督から訃報が伝えられ「大会に集中してほしい」との三浦さんの遺言が伝えられた。

 選手たちは「試合で結果を残すことが一番の恩返しだ」と誓い合い、この日の試合に臨んだ。試合後、小林聖周選手(3年)は「三浦先生なら『俺のことより、自分たちを見つめ直せ』と言うと思う。先生の思いに負けないように結果を出す」と話していた。

好走でチーム支える

 浦和学院の主将、江口英寿(3年)が、四回一死三塁の好機で直球をコンパクトに打ち返し、打球が中前に転がる間に一気に二塁を陥れる好走塁を見せた。

 先発出場することは多くなかったが、今年3月の関西遠征中、森大監督から「チーム全体を支えてくれ」と主将に指名された。昨春の選抜高校野球大会で4強入りした1学年上のチームと比べ、「今年はスター選手がいない」と感じ、「守備と走塁で流れを作る全員野球」の重要性を仲間に訴え続けてきた。

 準々決勝からスタメン入りし、自分の言葉通りの積極走塁を決めた。森監督も「主将としての自覚がプレーに良い影響をもたらしている」と信頼を深めていた。

(読売新聞埼玉版)

試合結果

全国選手権埼玉大会・準決勝(7/26・県営大宮)

TEAM123456789HE
川越東0000000  040
浦和学院101340x  9141
【浦】細澤、月野、伊藤、田中-篠塚、齋藤
【川】名取、井上、津村、立石-石川
喜屋武(浦)
小林、細澤(浦)
西田、石田、江口(浦)

打撃成績

 浦和学院
位置選手名打数安打打点
小林421
月山411
1月野000
1伊藤000
1田中000
喜屋武421
R9山田000
西田311
河内420
篠塚310
4小栗100
石田221
細澤111
2齋藤000
江口222
28148
 川越東
位置選手名打数安打打点
柴崎210
山中200
首藤310
石川320
河井100
山根200
H池田100
稲田300
芹沢200
H千葉100
名取100
1井上100
1津村000
1立石000
2240

投手成績

 浦和学院
選手名安打三振四球死球失点自責
細澤5221000
月野1200000
伊藤2/3001000
田中1/3010000
7432000
 川越東
選手名安打三振四球死球失点自責
名取3 1/3710144
井上1 1/3400044
津村1/3210011
立石1110000
61430199

チーム成績

TEAM攻撃守備
三振四死球犠打盗塁残塁失策併殺
浦和学院3141611
川越東3220500

浦和学院は長打6本を含む14安打9得点で快勝した。一回2死三塁から4番西田が適時二塁打を放ち先制すると、三回には3番喜屋武の右越えソロで追加点を奪った。四、五回にも得点を重ねた。投げては公式戦初先発の細澤が5回を無失点で抑えた。川越東は3度得点圏に走者を置くが、4安打と相手投手陣を攻略することができなかった。

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