【写真】甲子園に向け、バスに乗り込む浦和学院の選手=2日午前、浦和学院高校
第105回全国高校野球選手権埼玉大会で激戦を勝ち抜いて優勝した浦和学院の選手らが2日、甲子園球場に向けて出発した。
出発に際し、石原正規(まさのり)校長は「最高のパフォーマンスを発揮できるよう健康管理に留意して、一日でも長く向こうで戦ってくるように」と激励した。
選手らは、職員や生徒らからの声援に手を振って応え、決戦の舞台へと向かった。
今年のチームが標榜するのは、足を絡めながら積極的に先取点を奪う「超速攻野球」だ。昨年のチームには打撃力の高い選手が多く、「超攻撃野球」を掲げていたが、埼玉大会の決勝で聖望学園に0-1で敗れた。森大監督は「『いつか点が取れるだろう』と思っていた」と振り返った。その反省を生かし、「超速攻野球」では、相手をスピード感で圧倒し、試合の主導権を握ることを目指す。今年の同大会では思惑通り、7試合すべてで先取点を奪い、一度もリードされることはなかった。
さらに、選手全員が合言葉のように共有するのが「得点圏での打撃」だ。好機で自分の役割を明確にすることで、犠飛や、内野手の間を抜けていく打球を飛ばし、1点をもぎ取る。
同大会で中軸を任された喜屋武も「チャンスでの1本を求められている」と得点圏での打撃を意識している。4強入りした昨春のセンバツを経験した一人だが、憧れの舞台に緊張し、個人としては悔しい結果になった。最後の夏、チームを勝たせる一打を狙う。
後ろを打つ1年生の西田は聖地での試合に胸を躍らせている。印象深い試合として挙げるのは平成21年の決勝。新潟県代表の日本文理が6点を追う九回2死から猛烈な追い上げを見せ、愛知県代表の中京大中京に迫った。動画を繰り返し見て、「甲子園は何があるかわからない」と感じたという。「1年生らしくがむしゃらにプレーする」と誓った。
甲子園での全国大会は3日に組み合わせ抽選会が行われ、6日に開幕する。
(産経新聞埼玉版)