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高校野球埼玉大会、来月11日開幕 徳栄が優勝候補筆頭、昌平が対抗馬 大会展望

【写真】緊張した面持ちでくじを引く各チームの主将ら=18日午後、さいたま市大宮区のソニックシティ

 7月11日に開幕する第106回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が18日、さいたま市大宮区のソニックシティ大ホールで行われ、出場142チーム(157校)の対戦相手が決まった。開会式は7月11日、県営大宮で午前11時から実施する。

 秋春制覇でAシード花咲徳栄は、2019年以来5年ぶりの夏の甲子園出場を懸け、初戦の2回戦で越谷東とぶつかる。春季県大会準優勝のAシード昌平は八潮南と対戦。同4強のBシード勢は山村学園が越谷南、春日部共栄が深谷一と顔を合わせる。昨夏王者のDシード浦和学院の初戦は正智深谷に決まった。

 選手宣誓は第106回大会にちなんで106番のくじを引き当てた豊岡の片岡恭二郎主将(18)が務める。開会式後の開幕試合は羽生実・羽生一・児玉・深谷の連合チーム-所沢商のカードに決まり、午後1時30分から開始する。

 決勝は同28日に実施予定で、優勝校が全国高校野球選手権(8月7~23日・甲子園)に出場する。今大会は開会式と開幕試合は入場無料。同12日以降の全ての試合が有料で、一般800円、身分証明書を提示した中高生は200円。引率された少年野球、中学生チーム(引率者・保護者は有料)、障害者(障害者手帳を提示)と介添え者1人、小学生以下は無料となる。また、今大会より1回戦から勝者チームの校歌斉唱が導入される。

花咲徳栄、5年ぶり王座へ闘志

 強打を武器に2019年以来、5年ぶりの夏の王座奪還を狙うAシード花咲徳栄の初戦は越谷東に決まった。主将の生田目は「夏は追われる立場。気持ちで負けないようにしたい」と決意を新たにした。

 秋、春と県大会を制したが、ともに関東大会準々決勝で守備の乱れから大量失点し敗戦。生田目は「時間がない中で一球一球をどれだけ大事にできるかが大切」とチームにハッパをかけ、内野、外野、投手陣、各所で細かな守備を詰めてきた。

 成長を遂げた投手陣は、エース上原、岡山、今井、和久井の140キロ超えの4人の右腕に制球力の高い左腕額川が並ぶ。打撃は出塁率の高い1番斎藤、50メートル5秒台と俊足の2番目黒、ミート力抜群の3番生田目に、つなげる右の大砲石塚ら強打者が、自慢のバットで猛威を振るいたい。

 昨夏は決勝で浦和学院に2-7で敗れ、あと一歩及ばなかった。勝利にこだわり続け、県内無敗の王者として迎える今夏。「勝ちという信念を持ってやってきた。最後の夏も全部勝ち切って甲子園を決めたい」と主将の目は闘志に満ちていた。

昌平、得点力向上で悲願へ

 投打で能力の高い選手がそろった昌平は、Aシードから悲願の甲子園出場を狙う。初戦の相手は八潮南に決まり、主将の畑田は「一人一人が今までやってきたことを最大限に発揮して、どんな形でも上に進みたい」と一戦必勝の構えだ。

 県大会は2季続けて準優勝。最大目標である夏に向けてつながりのある打線に鍛え上げた。岩崎監督は「春までは、(選手たちは)分かっていてもできないもどかしさを抱えていた」と言う。状況に応じた打撃を徹底したことで得点力の向上を図った。

 例年の強打に加えて、7人がそろう投手力がチームの強み。左腕石井と右の本格派佐藤を軸に守備から試合の流れをつくる。畑田は「目標は甲子園での1勝。そのために今大会を最後まで勝ち切りたい」と気を引き締めた。

徳栄が優勝候補筆頭 総合力高い昌平が対抗馬 大会展望

 初めてソニックシティで行われた組み合わせ抽選会は、夏への期待と不安が入り交じった特別な緊張感に包まれた。

 各校の主将が抽選箱から引いた番号の発表を、選手らは固唾(かたず)をのんで見守り、選手宣誓が豊岡の片岡主将に決まると会場は拍手に沸いた。出場142チームの対戦相手が決まり、選手たちは真っすぐな目で集大成の夏を見据える。

 今大会は秋春連覇の花咲徳栄が優勝候補の筆頭格。昌平、山村学園、春日部共栄などシード勢が後を追う。さらに右腕中村謙を擁し39年ぶりに春8強入りした熊谷商、昨夏覇者のDシード浦和学院などの実力校を中心に白熱の戦いが繰り広げられそうだ。

 花咲徳栄は切れ目ない打線で立ちはだかる。対抗馬となるのは、秋春準優勝で総合力の高い昌平。春季県大会4強の山村学園は、最速146キロの左腕西川を軸に最少失点を貫きたい。春日部共栄は佐藤隆、平尾、成井の中軸の奮起が鍵を握りそうだ。

 Cシード立教新座、西武台、埼玉栄も地力は十分。三井、月山ら甲子園経験者で巻き返しを期す浦和学院と正智深谷が当たる2回戦は注目の一戦だ。身長190センチ、体重103キロの4番中村を筆頭に攻撃型野球を掲げる聖望学園、エース大戸を柱にしぶとく戦う坂戸などはノーシードから上位を狙う。

 上尾は飯島、藤村、幸の三本柱で挑む。163センチの左腕宮城と193センチの右腕峯のタイプの異なる二枚看板で試合をつくる川越東や、最速144キロ左腕冨士に加え3年右腕陣が台頭した大宮東も面白い存在。プロ野球・オリックスの宇田川優希投手の弟・宇田川健を擁する川口市立も台風の目となりそうだ。

注目の開幕カード 羽生実・羽生一・児玉・深谷連合 vs 所沢商

 夏の熱戦を告げる開幕カードは、羽生実・羽生一・児玉・深谷の連合チームと所沢商に決まった。注目の一戦を引き当てた所沢商の臼井主将は「初の県営大宮球場での試合なので、そこでできる喜びと緊張がある」と表情を引き締めた。

 対する連合チームの帖佐主将(羽生一)は「一番最初の試合で注目度がある。後悔のないようにしたい」と気合十分だった。約2週間前に結成されたばかりだが、仲の良さをアピールするなど選手同士のコミュニケーションも問題ない。

大役実現に「楽しむ」 選手宣誓の豊岡・片岡主将

 大会回数と同じ「106番」のくじを引き、豊岡の片岡恭二郎主将が選手宣誓に決まった。抽選会前日に仲間から「106番引いてこいよ」と声をかけられ、力がこもった右手が希望通りの番号を引き当てた。

 普段は緊張しないタイプという。だが大役が現実のものとなり、「人生で一番緊張している」と苦笑いで話した。宣誓の言葉は顧問らと考え、今まで野球を続けさせてくれた保護者への感謝を込めるつもりだ。「一度きりの経験なので楽しめるような準備をしたい」と気合十分で本番に臨む。

(埼玉新聞)

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