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仲間と挑戦!目指せ頂点!浦和学院・月山隼平選手「亡き恩師の思いと共に」

 テレ玉の高校野球注目校を紹介するシリーズ特集「仲間と挑戦!目指せ頂点!」にて浦和学院が紹介されました。

浦和学院「亡き恩師の思いと共に」

 昨日開幕した夏の高校野球埼玉大会。高校球児の中には大切な人の形見のグローブを手に最後の夏に臨む選手がいます。

 浦和学院高校野球部。去年の夏の大会では花咲徳栄を破り、2年ぶりに夏の甲子園出場を果たしました。しかし、新チームで戦った去年の秋はベスト4。今年春はベスト16で敗退。今大会のシードは獲得したものの、不本意な成績に終わりました。

 今はその悔しさをバネに、甲子園出場を目指して日々汗を流しています。

 「今年の3年生はスーパースターのような選手がいない学年なので、その分全員一体となって、3年生だけではなく3学年全員で全員野球で戦って、優勝を目指してやっていきたい。」

 そう意気込む副キャプテンの月山隼平選手。最後の夏を特別な思いで臨みます。インタビュー中に大切に抱える使い込まれたグローブ。

 「これは三浦先生が使われていたグローブです。」

 三浦先生こと三浦貴コーチ。浦和学院の卒業生で、プロ野球の巨人などで活躍。2009年に現役を引退後、教員免許を取得し、浦和学院で教員として勤務しながら野球部のコーチも務めていました。

 しかし、2022年3月、大腸がんが見つかり休職。治療に励みながら、体調が良いときには野球部の指導にあたっていました。

 「去年は三浦先生には特に内野の守備を見てくれていました。自分にとっては恩師のような存在です。」

 月山選手は現在、セカンドとして活躍していますが、入部したときはキャッチャーでした。入学後に思い通りにボールが投げられなくなり、1年生の秋に監督のアドバイスで内野手にコンバートしました。

 その後、慣れないポジションに苦しむ月山選手を支えたのが、三浦コーチでした。

 「特に基礎を大事にしろとずっと言われてきました。もちろんノックも打ってもらったりしたが、一番は手でボールを転がして捕ったり、股割りの姿勢をしっかり作れと言われたり、練習では基礎的な部分の方が多かったです。」

 月山選手の基礎を作り続けた三浦コーチ。そのサポートもあり、去年の春の大会、2年生でセカンドとしてスタメン入り。夏の大会もレギュラーで活躍するほどに成長しました。少しでもいいプレーやいい結果を出して、三浦先生に恩返しをしたかったと話す月山選手。

 しかし、去年7月24日、埼玉大会決勝の4日前、三浦コーチは45歳の若さで亡くなりました。

 「グラウンドでは弱い姿をまったく見せない方だったので、まずは信じられないというところが一番大きかった。もちろんショックもあったが、やはり夏の大会中ということもあって、どうしても優勝するところを見せたいというのは一番感じました。」

 三浦先生との突然の別れに驚きを隠せない一方で、決勝戦に向かって前を向かなければならない。複雑な気持ちを抱えたまま迎えた決勝前日。決勝の舞台を三浦先生とともに戦いたいと思った月山選手。

 「三浦先生のグローブを使って一緒にグラウンドに立ちたいと思ったので、コーチに『使わせていただけますか?』と言って使わせてもらいました。」

 恩師のグローブとともに挑んだ決勝戦。月山選手の思いが三浦コーチに届いたのか、グローブに三浦コーチの魂が宿ったように感じる出来事がありました。

 「打球が飛んできたときに、そのときは気づかなかったが、スタンドにいた仲間から『ボールが半分見えていたよ』と試合が終わったあとに聞いた。グローブから半分ボールが出ている状態だったと思うが、そこはこのグローブだったから捕れたのかなと、試合が終わったあとに聞いて感じた。」

 強豪・花咲徳栄を相手に7-2で打ち勝ち、三浦コーチに優勝と2年ぶりの甲子園出場を届けました。

 「三浦先生に必ず優勝していい報告をすると決めて臨んだ決勝戦だったので、試合中はずっと優勝のことしか頭になくて、いつもは緊張してしまったりするが、あの時は緊張は一切せずにプレーできた。」

 三浦コーチが長年使い込んできたグローブのため、甲子園以降はここぞというときに使うようにし、普段はお守りのように大切にしているという月山選手。

 「三浦先生に言われてきたことというのは、ずっと自分の中で基礎の部分になっているところではあるので、そこはずっと変わらずに練習中も日頃から意識して取り組んできました。これから野球を続けていくうえでも、三浦先生はずっと基礎の部分になっていくと思います。」

 月山選手にはグローブとともに大切にしている言葉があります。

 「三浦先生がずっと大事にしていた“一瞬に生きる”という言葉が、自分の中ですごく大事にしている言葉です。日頃から一瞬一瞬がすごく大事なんだよとずっと三浦先生に教えていただいたので、その一瞬というものをすごく大事にして生きていけという意味だと思います。」

 “一瞬に生きる”。その言葉を胸に、月山選手は今年も仲間と、そして三浦先生とともに、157校142チームの頂点を目指し、あさって初戦に挑みます。

(7月12日・テレ玉「ニュース930 plus」より)

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