【写真】第95回全国高校野球選手権記念埼玉大会の組み合わせ抽選会で、くじを引く参加156チームの主将たち=18日午後、さいたま市民会館おおみや(埼玉新聞)
7月10日に県営大宮球場で開幕する第95回全国高校野球選手権記念埼玉大会の組み合わせ抽選会が18日、さいたま市大宮区の市民会館おおみやで行われ、出場156チームの対戦相手が決定した。
選抜大会で初優勝し、続く春季県大会、関東大会も制したAシード浦和学院は、史上初の4季連続甲子園出場を目指し、初戦の2回戦で志木の挑戦を受ける。
選抜大会出場、県大会準優勝のAシード花咲徳栄は狭山工との対戦が決定。県大会3位でBシード鷲宮は新座と、同4位のBシード埼玉栄は市川越とそれぞれ初戦を争う。春季県大会準々決勝で浦和学院と延長十二回の死闘を演じたCシード春日部共栄は、春日部東とぶつかる。前回大会から認められた連合チームは2チーム出場し、星野は夏の大会は初出場になる。
選手宣誓は、第95回大会にちなんで95番カードを引いた所沢中央の中野秋嵩主将が務め、開会式後の開幕試合は大宮西-秀明英光という好カードになった。
開会式は午前11時、開幕試合は午後1時半にプレーボール。決勝は28日午前10時から県営大宮球場で実施され、優勝校が全国高校選手権(8月8~22日・甲子園)への出場権を獲得する。
◇“1強”では終わらせない!! 第95回高校野球埼玉大会、対戦カード決まる
【写真】156チームが参加して行われた第95回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会(埼玉新聞)
第95回全国高校野球選手権埼玉大会の組み合わせ抽選会が18日、さいたま市民会館おおみやで行われ、出場156チームの対戦カードが決まった。選抜大会に続く春夏連続甲子園制覇を目指す浦和学院は、初戦の2回戦で志木と対戦することになった。
春季県大会優勝の浦和学院と準優勝の花咲徳栄のAシード、3位の鷲宮、4位の埼玉栄のBシード校に続き、同大会16強以上のC、Dシード勢、その後にノーシード校が予備抽選番号順にくじを引いた。
シード勢は2回戦から登場。春夏連続の甲子園出場を目指す花咲徳栄は狭山工と顔を合わせ、鷲宮は新座の挑戦を受ける。埼玉栄は市川越と対戦が決まり、2回戦屈指の好カードとなった。
選手宣誓は第95回大会にちなみ、95番のくじを引いた所沢中央の中野秋嵩主将が務め、開会式後の開幕戦は大宮西-秀明英光に決まった。
大会は7月10日に県営大宮球場で開幕。順調に日程を消化すると、決勝は28日、同球場で実施し優勝校が全国高校選手権(8月8~22日・甲子園)に出場する。
◇ハイレベルな戦いに 展望
近年にないぐらいハイレベルな試合が展開されそうだが、その中でも優勝争いは選抜大会で初優勝し、春季県大会、関東大会と公式戦14連勝中のAシード浦和学院が不動の軸。追うのは、選抜大会に出場したAシード花咲徳栄と、県大会準々決勝で浦和学院と延長十二回の死闘を演じた春日部共栄だ。昨年準優勝のDシード聖望学園や県大会4位のBシード埼玉栄、県大会3位のBシード鷲宮など、公立勢の意地にも期待をしたい。
■8強で春の再現か 浦和学院-春日部共栄ゾーン
リードする浦和学院に春日部共栄が迫る。浦和学院は絶対的エース左腕小島を軸に山根、高田、木暮ら打線も強力。春日部共栄は西沢、倉井、金子の強烈な左3枚を打線が援護できるか。8強で両校の激突が濃厚で春の再現だ。狭山ヶ丘、西武台のDシードや松山、熊谷商、上尾の古豪勢は一泡吹かせたい。妻沼・武藤、熊谷工・田川、埼玉平成・佐々木は好投手。
■初戦から好カード 川越工-埼玉栄ゾーン
シード勢が有力だが初戦から好カードが多く波乱含みだ。埼玉栄-市川越は大注目。埼玉栄は右腕芝崎、市川越は中山、上條の両左腕が頼もしく実力は互角。Cシード川越工は小林、坂本の右2枚に加え、3番太田ら打線も活発。ただ栄北との初戦から気が抜けない。聖望学園は川畑、寺田と投打の軸をそろえる。Dシード慶応志木や昌平、小松原らも侮れない。
■力拮抗の最激戦区 鷲宮-市川口ゾーン
力が拮抗する最激戦区でどこが4強に進んでも不思議ではない。右腕エース大塚を軸に攻守でしぶとい鷲宮は、右腕平良が力強い本庄第一と対戦しそうな4回戦が最初のヤマ。Cシード市川口は黒沢ら打線に破壊力があるが、初戦の所沢北は粘り強い。Dシード勢の武南は森幹、坂戸西は宇津木と好左腕がけん引。朝霞-正智深谷、富士見-大宮東は1回戦の好カードだ。
■徳栄は一歩リード 川越東-花咲徳栄ゾーン
花咲徳栄が頭一つリードし、どこが挑戦権を獲得するか。花咲徳栄はエース右腕関口の復調が好材料。1番森や4番若月ら大技、小技が使える打線が投手を支える。5回戦ではDシード浦和実や南稜、所沢商らとの対戦が見込まれる。高梨、小寺の3、4番が打線を引っ張るCシード川越東は、まとまりのある武蔵越生との初戦から油断できない。Dシード白岡や昨年4強の川口も楽しみ。
◇夏へ挑戦者に回帰 浦和学院
春の選抜大会で悲願の全国制覇を達成。続く春季県大会、関東大会も制し、現在公式戦14連勝中のAシード浦和学院は志木との対戦が決定。これを皮切りに、県内史上初の4季連続甲子園を目指す長く険しい戦いをスタートさせることになる。
だが現在のチーム状況はというと、お世辞にも上がっているとは言い難いらしく、森監督も「相手が見えて、ある程度のシュミレーションを立てていかないといけないが、大会に向けて準備を整える方が先だね」と慎重な姿勢を崩さない。
夏を考えれば、他チームと比べ仕上がりも遅れている。練習試合では競る場面も多く、一方的に負ける試合もあったという。主将の山根は「県大会も強いチームばかりで接戦が増える。新チームが始まった時のように挑戦者の気持ちで戦いたい」。浦和学院らしくもう一度、原点に立ち返り、再び頂点を目指す体勢を確立していくつもりだ。
本番まであと3週間。森監督は「今までの集大成(となる夏)に焦点を合わせて準備する。そんな覚悟で選手たちにはやってもらいたい」と奮起を期待した。
◇自分たちの野球を 花咲徳栄
2年ぶり3度目の栄冠をつかみ、甲子園でのリベンジに燃える花咲徳栄は、初戦の2回戦で狭山工との対戦が決定した。
だが主将の根建は「どことやってもいつも通りやるだけです」と意に介さない。岩井監督も「目標はウラガクとしたいところですが、自分たちの戦いに集中したい」と足元を見つめる。
選抜大会帰りの春季県大会前は敗戦を引きずっていたが、その時とは打って変わり、士気も雰囲気も高まってきた。戦力的にも鍵を握る右腕関口の安定感が増し、チームも好循環になっているようだ。「相手が決まったので、いつも以上に気が引き締まる。トクハルの野球を自分たちができれば、どこにも負けない。全力で戦い抜くと心に決めてやっていく」。根建は、その表情に自信をみなぎらせた。
◇春の勢い夏でも 鷲宮
Bシード鷲宮は初戦で新座を迎え撃つ。春季大会では地区予選ノーシードから県3位と躍進。7年ぶりの関東大会でも勝利を挙げるなど、大きな経験を積んだ。それでも柿原監督は「春は過去。課題を克服して夏に臨みたい」と引き締める。
主将の小林颯は「体力を残して万全の状態でやりたい」と順当に勝ち進めば4回戦で激突する本庄第一戦を見据える。取りこぼしを防ぐためにも「確実に打ち勝つ力をつけたい」と打撃向上を掲げ、磨き上げた先行逃げ切りで春の再現を狙う。
◇初戦から全開で 埼玉栄
Bシードの埼玉栄は初戦からアクセル全開で臨む。市川越との2回戦は屈指の好カード。対戦相手が決まるのを待っていた主将の鎌田は「どこが来てもいいと思っていた。頂点を目指しているのでどのチームでも一戦一戦集中してやりたい」と気持ちを新たにする。
春の県大会は3位決定戦で鷲宮に敗れ4位。関東大会にあと一歩届かなかった。それ以来、全体練習後の室内打撃練習に力を入れ、自信をつけた。鎌田は「春の悔しさを糧に、みんなで甲子園を目指す」と力強かった。
◇“当たり札”に「夢だと思った」 選手宣誓 所沢中央・中野主将
【写真】95番のくじを引き、選手宣誓の大役に意気込む所沢中央の中野秋嵩主将(埼玉新聞)
所沢中央の中野秋嵩主将が選手宣誓の大役を引き当て、会場中から拍手喝采を浴びた。95番の番号札を手中に収め「人前で話すのは苦手ではないけど(機会が)多くはないので」と目を丸くした。
抽選順は132番目。「最初に触れた札を取ろうと思っていた」と導かれるように“当たり札”を右手でつかみ取った。埼玉球児の代表に決まり「夢だと思った。引いた瞬間の気持ちは一生忘れない」と力を込めた。
宣誓の内容については「今はまだ全然想像ができない」と困り果てた様子だが、村上監督らと相談して決めるという。担任で現代文を教える岩田教諭も頼もしい味方だ。
開幕に向け「大会が引き締まるような宣誓がしたい。最後の夏は悔いの残らないように一戦一戦ぶつかっていきたい」と決意に満ちていた。
◇全国王者との対戦びっくり 志木
「2番、志木高校」―。そう読み上げられると、どっと沸いた会場とは対照的に、くじを引いた主将の中川の表情は引きつっていた。全国王者・浦和学院の隣に収まり「びっくりしました」。自分の席に戻るとチームメートも「お疲れ」と苦笑いしていたという。
今回は、鈴木監督が育成功労賞を受賞したことで、特別な大会になるはず。中川は「先生にとって記念の大会。自分たちの中でも一番の経験になる。力を発揮し、いい勝負ができれば」とただでは終わらないつもりだ。
◇創部2年目で緊張の初出場 星野
2003年に星野女から校名変更した星野が創部2年目で夏初出場。主将の田辺は初の抽選会の雰囲気に「緊張する。2番のくじだけは引かないように」と話していたが、相手は日高に決まった。
2年生10人、1年生44人でバッテリーも1年生の若いチーム。両翼90メートル、センター120メートルの立派なグラウンドを持つ。放課後は2時間半の活動に限られる中、工夫して練習を積んできた。昨秋から大会に出場し、秋春ともに地区初戦敗退しただけに、田辺は「公式戦初勝利」を目標に掲げた。
◇史上初4校連合 夏の舞台に感謝 上尾鷹の台、上尾橘、大宮商、岩槻北陵
上尾鷹の台6人、上尾橘5人、大宮商2人、岩槻北陵7人で結成した史上初の4校連合。主将を務める上尾鷹の台の大草は「大会に出られるのがうれしい」と夏の舞台に立てることに感謝する。
昨秋に連合をつくり、平日は各校で、土日は1校のグラウンドに集まって練習を積んできた。それぞれのチームのやり方があり、初めは合わなかったが「1年経つのでチームワークが出てきた」という。初戦は草加東との対戦が決まった。大草は「まずは全力でやること」と開幕を見据えた。
◇結束力で勝利狙う 越生、鶴ヶ島清風
【写真】連合チームで出場する越生・藤永(右)と鶴ヶ島清風・木村が固く握手を交わす(埼玉新聞)
越生・鶴ヶ島清風の連合チームは2回戦で坂戸西に挑戦。チームを束ねる鶴ヶ島清風の木村主将は「全力でプレーして勝利をつかみ取りたい」と公式戦初勝利に燃える。越生の藤永主将も「打ち勝つチームなので一打席一打席を大切にしたい」と必勝を誓う。
週1、2回は互いの学校で合同練習。体重100キロを超える右腕原の投球にも期待が膨らむ。ともに過ごす時間が少ない分、密に連絡を取り合っている。木村も「仲のよさはどこにも負けない」と笑みを浮かべた。
(埼玉新聞)