第87回選抜高校野球大会(21日から12日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が13日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで行われ、一昨年の覇者、浦和学院は第3日の第3試合で、史上3校目の春連覇を目指す龍谷大平安(京都)との対戦が決まった。
2年ぶり10度目出場の浦和学院は、昨秋の県大会で3年ぶりに優勝すると、関東大会では2年ぶり5度目の制覇を達成。各地区大会の優勝校が出場する明治神宮大会では準優勝した。エース左腕江口ら安定感のある投手陣と、切れ目のない強力打線が強み。
3季連続出場となった龍谷大平安は、3年連続39度目と史上最多出場を誇る。昨秋の京都府大会で2連覇を達成すると、近畿大会でも4強入り。昨春の優勝にも貢献した左腕高橋が健在で、打線も4番西川を軸に穴がない。
浦和学院の森士監督は、「初戦から強豪が相手になった。近畿勢との対戦で注目を浴びることに喜びを感じながら戦う」と話し、津田翔希主将も「先輩方が残した成績に恥じないプレーをしたい。目の前の試合を全力で戦い、全員野球で挑みたい」と決意を新たにした。
県勢としては、昨夏の甲子園大会初戦で春日部共栄が対戦し、5-1で勝っている。
◇浦学、挑む屈指の好カード 3日目第3試合 前回覇者・平安 |
第87回選抜高校野球大会(21日から12日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が13日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われ、1回戦のカードが決まった。一昨年優勝の浦和学院は、史上3校目の春連覇を狙う龍谷大平安(京都)と顔を合わせる。
82年ぶりに出場する21世紀枠の松山東(愛媛)は二松学舎大付(東京)と対戦。昨夏の全国制覇を果たした大阪桐蔭は東海大菅生(東京)と、昨秋の明治神宮大会王者の仙台育英(宮城)は神村学園(鹿児島)と相まみえる。開会式の選手宣誓は、敦賀気比(福井)の篠原涼主将が務める。
甲子園練習は16日から3日間(浦和学院は16日)。大会は日程が順調に消化されれば4月1日に優勝校が決まる。
◇「門出」の初戦に全力 |
主将の津田が17番のくじを掲げた瞬間、抽選会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。2年ぶりの全国制覇に挑む関東王者・浦和学院と、史上3校目の春連覇を狙う前回王者・龍谷大平安。新旧王者の激突は1回戦屈指の注目カードとなった。
吸い寄せられるように対戦が決まり「13年前もそうだった。引くのではないかと思っていた」と森監督。脳裏によみがえっていたのはエース左腕須永(現巨人)を擁した74回大会。優勝候補に挙がった平安(当時)との1回戦を7-1で制し、勢いに乗って8強入りを果たした。
昨夏の甲子園では春日部共栄が開幕戦で龍谷大平安の春夏連覇を阻み、埼玉勢への雪辱を誓って目の色を変えてくることも想像に難くない。
主将の津田は「伝統と経験のあるチームで投手力が高い」と相手の印象を挙げ、森監督も「日程や組み合わせを見ると、勝った方が波に乗っていける」と初戦突破に全力を注ぐ姿勢を強調する。
互いに選抜大会優勝直後の夏は甲子園の初戦で敗れ、新チームへの移行に苦心したことも共通する。森監督は「優勝は過去のこと。両チームにとって門出となる試合」と大一番を新たなスタートに位置付けた。
◇浦学、一番の激戦区へ 大阪桐蔭、仙台育英が軸 |
第87回選抜高校野球大会は21日に甲子園球場で開幕する。昨夏に全国制覇を果たし、史上5校目の夏春連覇を視野に入れる大阪桐蔭、好投手の佐藤世を擁して昨秋の明治神宮大会を制した仙台育英(宮城)を中心にした展開が予想される。
大阪桐蔭は左腕田中を含め、昨夏の経験者も豊富。4割に迫るチーム打率に加えて9試合で1失策と守備も鉄壁で、穴は見当たらない。九州王者の九州学院(熊本)と2回戦でぶつかる可能性もあるが、力を出し切れば4強まで一気に勝ち上がりそうだ。
東北勢悲願の甲子園大会優勝を目指す仙台育英は、打線も長打力を備える。波乱がなければ、昨夏4強入りし、エース兼4番の平沼が引っ張る敦賀気比(福井)と2回戦で顔を合わせる。
春連覇に挑む龍谷大平安(京都)と、神宮大会で準優勝した浦和学院との対戦は1回戦屈指の好カード。同じブロックには、四国大会を制した英明(香川)、最速152キロの高橋を擁する県岐阜商、エース小川を軸に堅守が自慢の近江(滋賀)が入り、一番の激戦区となった。
強打を武器に昨秋の地区大会を制した天理(奈良)と静岡、抜群の機動力を誇る高崎健康福祉大高崎(群馬)も虎視眈々(こしたんたん)と上位を狙う。
21世紀枠で出場する豊橋工(愛知)桐蔭(和歌山)松山東(愛媛)の3校は、4年ぶりに一般枠の出場校から1勝をつかみたい。
◇対戦校の横顔 龍谷大平安「史上最多出場の古豪」 |
昨春の優勝校。3年連続出場で、史上最多の39度目。OBに衣笠祥雄(プロ野球元広島)、桧山進次郎(元阪神)、炭谷銀仁朗(埼玉西武)ら。
昨秋は京都府大会で優勝、近畿大会ベスト4。Vメンバーのエース左腕高橋は右足を胸元まで引き上げるしなやかなフォームから最速142キロの直球を投げ込む。
打線は前チームほどの怖さはないが、4番西川は打率3割7分9厘でパンチ力も兼ね備える。8番高橋も打率4割を超え、2番吉村、5番城島と巧打者が並ぶ。冬場の積み上げ次第で打順を大きく変更してくる可能性も高い。
◇一球も気が抜けぬ 龍谷大平安・原田英彦監督の話 |
よく似たチーム同士で、一球も気が抜けない試合になる。正直、当たりたくなかった。
◇気持ち高まった 龍谷大平安・江口時矢主将の話 |
強い相手との対戦が決まり、気持ちが高まった。チーム一丸で戦いたい。
(埼玉新聞)
◇78年ぶり直近2年V校対決 |
「おお~!」。浦和学院の津田翔希主将(3年)がクジの番号を読み上げると、会場からこの日一番のどよめきが起こった。いきなり実現したセンバツ王者同士による対決。森士(おさむ)監督(50)が「当たりたくなかった」と話せば、龍谷大平安の原田英彦監督(54)も「当たったら嫌だなと思っていた」と苦笑いで応じた。
両校は02年センバツ以来の再戦。その際は浦和学院が7-1で勝利した。森監督は「タイプ的に似ているチームカラー。(原田)監督がしぶとい方です」と気を引き締める。最近2年の覇者同士が対戦するのは、1937年に岐阜商と愛知商が対戦して以来、78年ぶりだ。
両監督は、初対戦の年から十数年来の友人関係にある。沖縄での春季キャンプでは練習試合を行い、お互いが優勝した時には、いの一番に連絡を取り合ってきた。センバツ制覇後の夏にかけての再始動の難しさなど、共通の悩みも数多くあった。意見交換し、鼓舞し合い、強いチームを作ってきた。
浦和学院ナインは汗を流してくれた先輩たちへ、最高の恩返しを誓う。津田主将は「自分たちの野球ができれば勝てる」と自信を見せる。背景には、先輩の支えがあった。浦和学院には「引退」がない。1学年上の先輩は、夏の県大会敗退の翌日から練習を手伝ってくれた。今春、早大に進学する2年前のV左腕・小島和哉も打撃投手を買って出てくれた。強い球を打ち返し、打力を磨いた。「ありがたかった。優勝して成長した姿を見せたい」。主将は熱い決意を語った。
昨夏は、同じ埼玉の春日部共栄が龍谷大平安の春夏連覇を阻止。浦和学院も京都勢には2戦2勝と負け知らずだ。「勝った方が上に行くと思う。最高のパフォーマンスを出して挑んでいきたい」と森監督。初戦に勝利し、勢いそのままに2年ぶりの頂点へ駆け上がる。
(スポーツ報知)
◇14年V平安vs13年V浦学 主将「ごめん」 |
2年ぶり優勝を狙う浦和学院(埼玉)は、昨春の王者、龍谷大平安(京都)との“日本一対決”に挑む。
浦和学院・津田翔希内野手(3年)が引いた「17番」のクジは、春連覇を狙う龍谷大平安の左隣だった。「くじ運が全くないんです。(チームメートには)『ごめん』って言います」と、主将の口からは強気の野球スタイルと真逆の本音がついて出た。13年春以来2年ぶりの優勝旗奪還へ向け、いきなり強力なライバルが立ちはだかった。
それでも、負けるわけにはいかない。13年センバツのV左腕で、今春早大へ進学した小島和哉投手(18)らへの恩に報いるためだ。「夏に負けた後も3年生がノックを打ってくれたりして、ずっと練習に付き合ってくれました」。昨夏の県大会は、まさかの3回戦敗退。立て直し、秋の関東大会を優勝するまでには上級生の支えがあった。「勝って優勝することで恩返しがしたいです」と誓った。
この冬、多い時は1日2000スイングを敢行。強打の「浦学打線」はさらにパワーアップし、龍谷大平安のプロ注目左腕・高橋奎二投手(3年)に挑む。森士監督(50)は「最終的には勝った方が上までいけるのではないか。そういう試合にしたい」と、7-1で勝利した02年1回戦以来の再戦を“頂上決戦”のつもりで戦う。
龍谷大平安は初戦からV校対決となった。昨春王者は13年センバツVの浦和学院との対戦が決まり、原田英彦監督(54)は「プレッシャーにどれだけ対処出来るか。出来なかったらえらいことになる」と気を引き締めた。エース左腕・高橋奎二は「良い打線と聞いている。しっかり抑えて、やるからには(センバツ)連覇を狙いたい」と意気込みを語った。
(日刊スポーツ)
◇浦学、まさかの珍事 “春王者対決”に苦笑 |
第87回選抜高校野球大会(21日から12日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が、大阪市内で行われた。一昨年優勝校の浦和学院(埼玉)は、昨年優勝の龍谷大平安(京都)と第3日第3試合で激突。主将の津田翔希内野手(3年)は“春王者対決”を制して、再び全国制覇することを誓った。春の前回、前々回優勝校が対決するのは、1937年の愛知商-岐阜商以来、78年ぶり史上2度目となる。
まさかの顔合わせに、浦和学院・津田も苦笑いするしかない。運命の抽選は、吸い寄せられるように龍谷大平安の隣へ。「実際、1回戦では当たりたくなかった。仲間にはゴメンと言います」。自らクジ運の悪さを認める主将は、バツが悪そうに本音を漏らした。
前回&前々回のV校対決は、センバツ史上2度目の珍事だ。森士監督(50)は「縁を感じずにはいられない」と話す。龍谷大平安・原田監督とは、甲子園で初対戦した02年以来の親交があり、お互いの優勝時にすぐに祝福の連絡を取り合った仲。「優勝を経験した後のひずみを抱えている、チーム状況もよく似ていると感じた」と、相手の事情を分かるがゆえのやりにくさもある。
といっても、気後れはない。津田は「決まったからには勝つしかない」とキッパリ。昨春V左腕・高橋の経験を警戒しつつ「どう打ち崩すかを考えていこうと思う」。好機に畳み掛ける打線のつながりは、2年前をほうふつとさせる。
センバツ制覇時のエース・小島ら、旧3年生は年明けまで練習をサポート。卒業式前日の今月6日には「センバツで頑張れ」と激励を受けた。「先輩たちへの恩返しのためにも、この大会は優勝したい」と津田。いきなりの大一番をモノにして、再び頂点まで駆け上がる。
(デイリースポーツ)