21日に開幕する秋季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が17日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、出場35校の組み合わせが決定した。
抽選会では、本抽選の前に県大会出場校によるシード校(A、Bシード)を選ぶ投票を行い、今夏の全国高校選手権に出場した花咲徳栄が最多の27票で第1シードに決定。21票で並んだ春日部共栄と昌平は再投票の結果、昌平が第2シードとなった。Bシードは春日部共栄と16票の浦和学院が選出され、抽選により、浦和学院が花咲徳栄ゾーン、春日部共栄が昌平ゾーンに入った。
引き続き各校の主将が予備抽選順にくじを引き、秀明英光が花咲徳栄、草加が昌平、川越工が浦和学院、城西大川越が春日部共栄とそれぞれ初戦の2回戦でぶつかることが決まった。また、県大会出場を決めていた庄和は部内の嫌がらせや暴力などの問題行為が発覚したため、出場を辞退した。
大会は県営大宮など4球場で行われ、国体開催期間(28日~10月2日)の中断を挟み、決勝は10月6日、県営大宮で午前10時試合開始。上位2校が秋季関東大会(10月19~21、26、27日・群馬)に出場する。今大会の8強は、来年の春季大会で地区予選には出場せず、県大会から登場する。
県大会は1回戦から有料で、一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者、保護者は有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添者1人、小学生以下は無料。
シード4校軸に混戦
今夏甲子園出場の花咲徳栄を中心に、昌平、春日部共栄、浦和学院のシード校や浦和実、聖望学園、埼玉栄などが追い掛ける展開になりそうだ。
2年ぶりの優勝を狙う花咲徳栄は歴代と変わらぬ強打だ。長打力に加え率も見込める田村、井上、中井の中軸が健在。投手陣もエース左腕高森を筆頭に、安定感のある右上の須田、右上から直球を投げ下ろす鈴木、右サイト気味の生方と粒ぞろいで、投打に隙は少ない。
第2シードに推された昌平は千田、角田、吉野創、渡辺、吉野哲の1~5番がそのまま残った打線が武器。さらに長打力のある沼生、俊足の島田が加わり、攻撃の厚みが増した。テンポ良く投げる宮坂、制球力のある市来の両右腕の出来次第では頂点を狙える布陣だ。
2連覇を目指す春日部共栄は高橋正、菊地の左2枚と右横の三枝、右上の早坂の4投手を総動員し、最少失点でしのぐ。打線は増田、平尾、石崎の3~5番の得点力に期待。浦和学院は1年生右腕の三奈木がエースで4番を担う。投げては140キロ近い直球と変化球で打たせて取り、勝負強い打撃で攻撃をけん引する。
浦和実はエース右腕豆田が調子を上げてくれば簡単には打たれない。松本、金子の両右腕が負担を軽減できるか。聖望学園は最速142キロの右腕園田と制球力に優れる右サイドの清水の今夏も経験した二枚看板が鍵だ。
埼玉栄は最速146キロの速球が武器の右腕内田とキレで勝負する左腕田村に注目。西部地区大会で今夏の埼玉大会準優勝の山村学園にコールド勝ちした狭山ヶ丘はエースで4番の清水が投打の要だ。今夏も背番号1だった右腕北田を擁する正智深谷も上位をうかがう。
苦い思い出払拭を Bシード浦和学院
今夏の埼玉大会では4回戦で浦和実に完封負けした浦和学院はBシードに収まった。森監督は「早く負けてしまった分、この夏を新チームの練習に費やしてきた。その成果を出したい」と意気込みを語った。
エース右腕で4番の三奈木ら1年生が多いが、投手を軸とした守りからリズムをつくり、打線はつないで得点を狙う。「昨年は県大会で結果を出せなかった。関東大会に出場できるように頑張りたい」と主将の金丸。苦い思い出を払拭できる秋にしたい。
(埼玉新聞)