東部地区「花咲徳栄、投打でリード」
地区をリードするのは、昨秋の県大会を制し、4年ぶりの選抜大会出場を決めていた花咲徳栄。昨夏の甲子園を経験した左腕高森や主軸井上を中心に、投打のバランスは抜群で隙が少ない。阪神甲子園球場での大分商との交流試合を終えた2日後の8月12日に今大会の初戦を迎える。長距離移動で選手に疲れが出ないか懸念されるが、層の厚さでカバーしようと試みる。
昨秋の県大会で8強入りした昌平は、1年生から4番を担う渡辺や、昨季時点で高校通算26本の本塁打を放っている2年生吉野創ら強打者がそろっている。
実力のある春日部共栄は課題としていた守備力を高めた。力のある4番平尾の前に走者をためて得点を狙う。左腕の三枝ら投手陣も調子を上げる。
西部地区「中軸に厚み 聖望学園が軸」
聖望学園が地区の軸となりそうだ。広角に打てる大型遊撃手の蔵田をはじめ、杉谷、大橋と中軸に厚みがある。最速140キロを超える本格派右腕の園田にも期待がかかる。
昨秋の県大会16強の川越東は蔭山、吉藤ら豊富な投手陣が強みだ。中嶋、伊藤をはじめ長打を狙える打線も頼もしい。同じくベスト16入りした武蔵越生は、攻守にバランスがある。
昨夏の選手権埼玉大会で準優勝だった山村学園は、攻守の仕上がりが注目される。秋は地区予選で敗退したが、成田ら主軸の打線がつながれば、地区を盛り上げる存在になりそうだ。
公立校も上位を狙う。川越工は昨夏に登板経験のある真家がエース。市川越は、中学時代にU15日本代表に選出された投手の米永がチームを引っ張る。安定して結果を出す西武文理、狭山ケ丘など私立校の躍進も期待される。
南部地区「昨秋県4強の3校など激戦」
昨秋の県大会で4強入りした3校がひしめく激戦区。県準優勝で関東8強の西武台は、制球力が高い左腕増田と伊沢のバッテリーがチームを引っ張る。長打力のある松木を中心に打撃力の高さに定評がある。
浦和学院は最速148キロの右腕美又が注目だ。攻めは、里の長打力が魅力。犠打や盗塁などの機動力も絡めて、得点を狙う。公立校で唯一、昨秋の県準決勝に残った川口市立は、右腕川原と主将西沢の息の合ったバッテリーが試合を巧みに運ぶ。のびのある直球が武器の原口が控える。
浦和実の豆田はキレのある直球が持ち味。埼玉栄は内田が投打の要で、硬軟織り交ぜた配球で打者に的を絞らせないようにする。
昨夏の選手権埼玉大会4強の大宮東も地力がある。左腕のエース河内を中心に守りを固める。昨秋、県大会に出場した大宮北、浦和も上位を狙う。
北部地区「正智深谷や熊谷工など混戦か」
4地区の中で最も出場チーム数が少ない。混戦の可能性がある。軸となりそうなのは、昨秋の県大会出場校だ。正智深谷は、右腕のエース北田に、控えの左腕島田という投手陣の構え。
古豪・上尾と熊谷工は公立校対決の好カード。上尾は秋葉、金子らが主軸。犠打や足を絡めた攻撃で得点を狙う。熊谷工は右サイドの福島、左腕の門倉がともに先発できる実力がある。長打力のある小島が主軸の熊谷商も上位を狙う。
私立勢では、秀明英光は、制球力のある塚本と、速球が持ち味の岩井がマウンドに立つ。小技でつなぐ攻撃が強みだ。本庄東は、直球で勝負する右腕藤田が守りの軸となる。
伊奈学園は、エース相原を中心に上位をうかがう。東農大三は、力のある主軸の松本がチームを引っ張る。本庄第一は先制して勢いをつけ、右腕松崎を軸に守りを固める。
(朝日新聞埼玉版)