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浦和学院、選抜V2へ 慶応志木と初戦 秋季県大会21日開幕

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【写真】抽選会でくじを引く各校の主将ら=17日午後、スポーツ総合センター(埼玉新聞)

 21日に開幕する秋季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が17日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、各地区を勝ち抜いた出場39校の対戦相手が決定。5季連続の甲子園出場を目指す選抜大会の覇者・浦和学院は、初戦の2回戦で慶応志木の挑戦を受けることとなった。

 抽選会ではまず、県大会出場校によるシード校(A、B)を選ぶ投票を実施。浦和学院と春日部共栄が32票ずつで並び、決選投票で第1シードに浦和学院、第2シードに春日部共栄が収まった。Bシードには2連覇とともに2年連続の選抜大会出場を狙う花咲徳栄(31票)、今夏準優勝の川越東(22票)が選出され、抽選で花咲徳栄が浦和学院ゾーン、川越東が春日部共栄ゾーンに入った。

 引き続き35校の主将らが予備抽選順に番号を引いた。春日部共栄は越ヶ谷と、花咲徳栄は久喜北陽と、川越東は三郷北とそれぞれ初戦の2回戦で対戦する。

 大会は県営大宮など4球場で熱戦が繰り広げられ、順調に日程を消化すれば10月6日に県営大宮で決勝を行う。上位2校には第86回選抜大会への最終関門となる関東大会(10月26~30日・茨城)へ出場権が与えられる。

 県大会は準々決勝から有料で一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添え者1人、小学生以下は無料。

◇浦学、共栄らシード軸

 ここ数年に比べ、ずばぬけたチームはおらず浦和学院、春日部共栄、花咲徳栄、川越東のシード勢を軸に展開されそう。

 選抜大会2連覇を狙う浦和学院はエース小島が健在。球のキレ、制球は全国屈指だ。課題は攻撃力。3番も担う左腕の負担を軽くするために1番津田、熊倉、酒本の4、5番、木村ら下位も奮起し1点ずつもぎ取れるか。

 初戦の慶応志木は菊地、衛藤の右の2枚看板を擁する好チーム。16強で対戦しそうな本庄第一は奥田、町田の3、4番や籔中、村田バッテリーら攻守で粘っこい。ここを抜ければ4強は順当。

 春日部共栄は投打で前チームの主力がけん引。投手陣は金子、倉井の左2枚に渡辺ら右も3枚が準備。攻撃では1番小林や守屋、三浦の主軸を要に破壊力抜群。ただ打線は水もの。まずは守備からリズムをつくりたい。

 8強でエース左腕酒井ら守備力のある栄北や松山、川口の公立勢が待ち構えるが、ベスト4は堅い。

 連覇を狙う花咲徳栄は主力が大幅に入れ替わった。選抜出場メンバーの1番多田、3番古川が引っ張りたい。エース右腕井上の球質は県内トップクラス。だが初戦の久喜北陽は機動力があり、新人戦では完封負けしている。16強では投打で高水準の浦和実、8強では速球派右腕佐々木や強打が売りの今夏4強の市川口、右下投げの水野が力強い本庄東、埼玉栄などが待つ。

 今夏準優勝の川越東は西部地区代表戦で、聖望学園を延長十四回サヨナラで下した。高橋尚、高橋佑の左2枚や3番渡部、捕手で4番長野ら投打の柱が頼もしい。8強では左腕上條が強力な市川口と右腕坂井を擁する立教新座の勝者が相手か。

 春、秋通じ初の県大会出場の山村学園、山村国際、33年ぶりに県大会に駒を進めた小鹿野の戦いぶりも楽しみだ。

◇全員で甲子園帰る 浦和学院

 選抜大会2連覇を狙う浦和学院は第1シードに収まった。現在、ともに県内では初の快挙となる4季連続甲子園出場中で選抜大会には3年連続で駒を進めている。だが同じ舞台にたどり着くには今回が最もつらく険しい道のりになるだろう。

 絶対的エースの左腕小島は健在だが、野手は遊撃を守る1年生津田以外は入れ替わったように、例年の強力打線に比べると物足りない。地区大会の代表決定戦でも大宮東に5安打に抑えられた。

 主将も務める小島は、「地区予選もぎりぎり。県大会でも、どの試合も接戦になると思う。自分たちは技術はないので、いかに1点をもぎ取れるか」と危機感を募らせる。

 今は当然、攻撃力アップを最重要課題に、さまざまなケースを想定してのシート打撃などに取り組んでいるという。

 それでも、これまでもそうだった。どんな状況でも勝ち進むことで時間を稼ぎ、一戦ごとに強さを手に入れていくのが浦和学院のスタイルであり持ち味だ。

 森監督も「大きな大きな目標にはなるけど、来春、みんなで選抜旗を持って甲子園で行進できるように頑張りたい」と希望を抱き、ナインの成長に期待を寄せている。

◇挑戦者魂前面に 春日部共栄

 第2シードに入ったのは総合力で県内一との呼び声が高い春日部共栄。それでも主将の小林は意に介さず、「自分たちが一番弱いと思っている。挑戦者として頑張りたい」と、足元を見つめる。

 前チームから投打の中心の大半が残り、新人戦から快勝続き。14日の練習試合で作新学院(栃木)と4-4、3-1の接戦を演じたことが引き締めるきっかけになった。

 今夏は不本意な形で4回戦敗退。本多監督は「悔いの残らないように一日一日を過ごそうとやってきた。選手も気合が入っている」と目を光らせた。

◇チーム力で一歩ずつ 花咲徳栄

 2連覇とともに2年連続の選抜大会出場を大目標に掲げるBシード花咲徳栄は初戦の2回戦で久喜北陽の挑戦を受ける。主将の古川は「まだ力はないし弱い状態。目の前の試合を全力で戦って、最終的には連覇を狙いたい」と気合を入れ直す。

 前チームから残ったレギュラーは古川と多田のみ。若月、関口、楠本のようなスター選手がいない分、古川は「打撃では後ろにつなげていかないと点が入らない。チームワークで勝っていきたい」と、相当な覚悟を持って大会に臨むつもりだ。

◇激戦区制し手応え 川越東

 今夏準優勝のBシード川越東は2回戦で好右腕福本を擁する三郷北との対戦が決定。西部地区予選では聖望学園、狭山ヶ丘、城西大川越と同組になり「厳しい山だと思ったが、そこを抜ければ県でチャンスだといい方向に捉えた」と主将の渡部。代表決定戦で聖望学園を延長十四回の末に3-2で下した。

 前チームほどの打力はないものの、高橋尚らタイプの違う3人の左腕は強力。「機動力を生かして、目の前の相手に集中したい」と上位進出を誓った。

◇兄弟校そろって初の県大会出場 山村学園・山村国際

 兄弟校の山村学園と山村国際がそろって春秋通じて初の県大会に進出。

 山村学園の涌井主将は「ベンチ、スタンドを含めて一つになって戦う気持ちが生まれた。目標はベスト8」と気合十分。技巧派左腕の藤川、1番堀田を中心としたつなぐ打線で勝負に出る。

 夏の主力がそのまま残る山村国際は「チームは変わっていないが、気持ちを入れ替えた。テーマの男気で一戦一戦挑戦したい」と小川主将。好不調の波が激しいエース菊池の出来が初勝利への鍵となりそうだ。

◇33年ぶりの舞台 全力プレー誓う 小鹿野

 正智深谷を破って33年ぶりの県大会出場を果たした小鹿野。「去年の代から3年がいない。どこのチームよりも完成している」と山野主将。フルスイングを身上とする打線の中でも3番島田、4番山野は勝負強い。

 組み合わせ抽選では目標とする第1シード浦和学院の近くを引き当て「自分たちは挑戦者」と思わずニヤリ。全員野球での全力プレーを誓った。

◇食らい付いて狙う王者撃破 慶応志木

 選抜王者・浦和学院の隣に飛び込んできたのは慶応志木だ。柴田監督は「県大会でやりたいなと思っていた。(勝つ)チャンスがあるとすれば初戦ですから」とまんざらでもない様子だった。

 金星を挙げるには我慢しながら守って最少失点差で後半勝負に持ち込む展開が理想的。主将の恩河も「食らい付き、少ないチャンスをものにして勝ちたい」と力を込めた。

◇春の甲子園も休養日を設定 来春から実施

 来春の第86回選抜高校野球大会の運営委員会が17日、大阪市内で開かれ、32校(一般選考28校、特別枠4校=21世紀枠3、神宮大会枠1)が出場して来年3月21日から甲子園球場で行うことを決めた。決勝は4月1日の予定。また、今夏の全国選手権大会で導入された準々決勝翌日の休養日を選抜大会でも初めて設けることも決まった。

 出場校を決める選考委員会は来年1月24日、組み合わせ抽選会は3月14日にいずれも毎日新聞大阪本社で行われる。

 休養日を設けることに伴い、従来は2日間に分けていた準々決勝4試合を1日で行う。ただし、準々決勝までに天候不良などで2日以上順延となった場合は休養日をなくし、準々決勝翌日に準決勝を実施する。

 選抜大会は地方大会から引き続き開催される選手権大会とは疲労の蓄積具合が異なることや、夏ほど気温が高くないことから必要性を問う声もあったが、選手の健康面を重視して導入することになったという。

(埼玉新聞)

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