(18日・上毛敷島ほか)
第3日は準々決勝4試合が行われ、浦和学院が千葉明徳を1-0で下し、準決勝に進んだ。帝京(東京)、常総学院(茨城)、富士学苑(山梨)もそれぞれ勝ち、4強が出そろった。
浦和学院は5回、1死1、3塁で石田が決勝点となる先制打を放った。エース羽倉-萩原の継投もさえ、千葉明徳を3安打に抑えて零封した。
第4日は19日、準決勝2試合が行われ、浦和学院は帝京と対戦する。
【戦評】
浦和学院が千葉明徳を3安打完封。三塁を踏ませることなく、1点を守り切った。
浦和学院は得点圏に進むものの、決め手を欠いた。だが、0-0の5回2死1、3塁で石田が貴重な先制打。それが決勝点になった。守っては羽倉と萩原の継投で無失点に抑えた。野手も踏ん張り、2塁に走者を置いたのは1度だけ。堅守で投手陣を援護した。
▼“守りの野球”進化
浦和学院が味わいの違う顔を見せた。攻撃力の目立った2回戦(初戦)とは一転、守備力の光った戦いぶり。森監督は「ピッチャーを中心として守ることに成長を感じた」とナインをたたえた。
エース羽倉と萩原の両投手の奮闘を野手がしっかりと支えた。4、6、8回には捕手久保と遊撃手山崎が好連携。3度も二盗を阻止した。8回には併殺も決まり、試合を通して二塁ベースを踏ませたのは2度だけ。6回から登板し、無安打に抑えた萩原は「野手のおかげ」と頼もしげに振り返った。
攻撃面では夏へ向けた積極性を披露。成功はしなかったものの、3度も三盗を試みた。「足でプレッシャーを掛けようとした。意識は持っているが、まだつかめていない」と森監督。課題を挙げたが、バージョンアップの予兆を残した。
春季県大会の抽選会の際に森監督は言った。「うちは弱いからコメントは聞かなくていいよ」。だが、ノーシードから埼玉の頂点に駆け上がり、関東の4強に駒を進めた。そして、王座まであと2つ。秘めた可能性に、まだ底は見えない。
▼「両打ちで素質開花」石田大樹選手
虎の子の1点をもぎ取ったのは2年生の石田だった。同時に失策と盗塁失敗も。石田は「ミスがあるから次につながる」と強気に前を向いた。
先頭打者でスイッチヒッター。県大会では7試合でチーム一の打率4割8分1厘を誇り、出塁率も5割6分3厘と力量を発揮した。この日も5回に右前に決勝打を放ち、勝機を呼び込んだ。浦和学院に進学後、「中学と違って高校生は変化球も切れてくる。両方で打った方がいい」と本格的に左打ちにも挑戦。沈着冷静なチャンスメーカーは「長打よりとにかく出塁したい」と話した。
(埼玉新聞)