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浦学中心にV争い・全国高校野球埼玉大会あす開幕

 第91回全国高校野球選手権埼玉大会は10日、県営大宮球場で開幕。山村学園が初出場するなど、昨年より1チーム増の158チームが参加し、29日の決勝まで甲子園出場を懸けた熱い戦いを繰り広げる。春季関東大会王者で、県史上初の4連覇を狙う浦和学院、4年ぶりの出場を目指す春日部共栄など有力シード校が優勝争いの中心になりそう。だが、ノーシード勢にも実力校がひしめき、序盤から目を離せない戦いになりそうだ。

 Aシードで昨夏に県史上初の3連覇を成し遂げた浦和学院が優位か。対抗は総合力の高い春日部共栄。これを昨秋県大会覇者の花咲徳栄、春の県大会準優勝の埼玉栄、同4強の武蔵越生、武南など私立勢が追う。ノーシードでは昨年、北埼玉大会を制した本庄一、昨秋の関東大会8強の川口青陵が怖い存在だ。

 浦和学院は、春季地区大会から関東大会まで公式戦11連勝中。昨夏の甲子園メンバー3人を擁するなど経験値も一歩抜きんでている。左腕エース羽倉を軸とした守備力、小粒ながら萩原大、島津、久保の中軸が勝負強い打線と攻守のバランスが取れている。

 春日部共栄は今大会屈指の右腕中村の存在が大きい。捕手西村との息もぴったりで、143キロの速球と変化球のコンビネーションは攻略しづらい。打線もつなぐ野球に長打力がついて、得点力が増した。

 花咲徳栄は得意の機動力のほか、上位から下位まで打線にそつがない。主砲永田、5番五明は好機で畳み掛ける。守っては制球力が生命線の右のエース東谷、変化球が武器の左腕五明とタイプの異なる投手が並ぶ。

 埼玉栄は春に急成長した左腕芹沢、右腕竹内と島野が3本柱。女房役の林を軸に守備も安定した。打線は俊足好打の伊藤ら中軸が鍵。武蔵越生は右のエース今野が中心の堅守が売り。武南も白井と2年生穴沢の好投手をそろえ、打線の奮起が鍵を握る。

 昨秋、春と振るわなかった本庄一は、夏にしっかりと照準を合わせて虎視眈々と連続出場を狙っている。川口青陵も左腕野川だけでなく戦力アップに力を注いできた。このほか左ゾーンは聖望学園、鷲宮、春日部東、上尾、右ゾーンは富士見、坂戸、所沢商などがしのぎを削る。

◇浦和学院-越ヶ谷ゾーン「大会随一の激戦区」

 昨夏の南埼玉大会優勝の浦和学院と、同北埼玉大会を制した本庄一の2強対決になるかが注目。だが、地力のあるチームも点在し、番狂わせの予感も。今大会一番の激戦区といえる。

 浦和学院は昨春の選抜大会準優勝の聖望学園との対戦が見込まれる5回戦がヤマ。主砲城戸、左腕佐藤ら選抜大会経験者が残っており、気が抜けない。順当なら準々決勝で当たる本庄一はエース伊藤、左の萩原が好調。打線は1-3番に奧田、湯山、田村の甲子園メンバーを並べてきそうだ。

 このほか右の谷内が大黒柱の越ヶ谷、好右腕佐野を擁する八潮南、右の野本幸と左の田口を柱とした堅守の鷲宮、昨夏の北埼玉大会で27年ぶり4強の熊谷商、市川口など実力校がひしめく。

 滑川総合-松山は1回戦屈指の好カード。右の速球派村田と制球力のある右腕戸沢の好勝負に期待したい。

◇花咲徳栄-武蔵越生ゾーン「シード勢がけん引」

 昨秋、春の実績ではBシード武蔵越生、Cシード花咲徳栄の準々決勝進出が有力。だが、春日部東、上尾とシード勢の難敵が立ちはだかる。

 花咲徳栄は順当ならば5回戦で春日部東と対戦しそう。春日部東は攻守にそつがない。投手陣は左の千葉、右の五十嵐ら制球力がある。打線は長距離ヒッターの小新井と西田らが厄介な存在で、小技も駆使するしぶとさがある。

 武蔵越生は上尾とぶつかりそうな5回戦が難所か。右の今野を軸に内外野とも守備は鍛えられている。小林大ら攻撃陣は手堅い。上尾は機動力と長打力を備え、主砲滝田を中心にどこからでも得点が期待できる。投げては1年生左腕のエース伊藤をはじめ、控え投手も豊富。

 攻守で粘り強い川越東、つなぐ野球の市川越、好投手がそろう西武文理、基本に忠実な早大本庄が上位をうかがう。

◇春日部共栄-埼玉栄ゾーン「好投手そろい踏み」

 4年ぶりの栄冠を狙う春日部共栄が4強へ向けて有利といえる。プロ注目の右腕中村は抜きんでた存在。しかし、春の県大会準優勝の埼玉栄、富士見や豊岡などがくせ者で、油断は禁物だ。

 春日部共栄は5回戦での対戦が濃厚なDシード富士見が要注意。富士見は右の本格派の竹生を柱に、投手陣が充実している。春日部共栄打線にどこまで食い下がれるか。

 埼玉栄は4回戦でぶつかりそうな成徳大深谷がヤマか。成徳大深谷はエース中田に土田ら右の好投手が名を連ね、打線も4番大塚が振れてきた。

 5回戦はしたたかな公立勢との対決が予想される。豊岡はエース古賀の投球からリズムをつくる。大井は昨夏の南埼玉大会で選抜大会準優勝の聖望学園を破っており、侮れない。大宮西はエース木村と柳田の両右腕が安定してきた。越谷西や坂戸西もまとまりがある。

◇武南-坂戸ゾーン「実力校集まり混戦」

 実力校が集まった混戦ブロック。春の県大会で初の4強入りした武南、同ベスト8の坂戸らシード勢、ノーシードも川口青陵、立教新座、栄北など好チームが並ぶ。

 武南は3回戦で川口青陵と顔を合わせそう。川口青陵は左腕エース野川のほか、右の布施と板垣の調子が上向き。主砲候補の小野はパワーヒッターだ。

 5回戦は、昨夏の南埼玉大会で準優勝した主砲木村、エース矢部らが残る立教新座、4番加瀬田を中心に重量打線の栄北、最速145キロの直球が武器の右腕土屋が引っ張る所沢商のいずれかが上がってきそう。

 坂戸は初戦の2回戦で走攻守で抜け目のない東農大三と対戦し、いきなり正念場を迎える。4回戦では、昨夏5試合を一人で投げ抜いた右腕エース植木が力強い浦和実が待ち構える。

 エース寺田が投打の軸の越谷東や和光、秀明英光、正智深谷も面白い。

(埼玉新聞)

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