第41回明治神宮野球大会第4日は16日、神宮球場で高校と大学の準決勝を行い、高校の部で浦和学院(関東)が日大三(東京)に2-5で敗れ、決勝進出はならなかった。
浦和学院は四回2死一、二塁で先発佐藤が日大三の6番清水に先制適時打を許し、続く7番菅沼に決勝の左越え3ランを浴びた。
打線は相手を上回る7安打を放ったものの、五回1死満塁で無得点に終わるなど好機に一本が出ず、敵失と内野ゴロで2点を返すにとどまった。
◇戦評
浦和学院は好機に適時打が出ず日大三に力負け。先発佐藤が四回に浴びた3ランが最後まで重くのしかかった。
佐藤は四回に制球を乱して2四球などで走者を背負い、2死一、二塁から先制適時打、次打者に決勝3ランを浴びた。
打線は7安打ながら一~三回の無死の走者を生かせず、五回1死満塁でも2者凡退。2点を返すのが精いっぱいだった。
◇1年エース力尽く
頼みのスーパールーキーが力尽きた。浦和学院の1年生エース佐藤は5回4失点で降板。「いい打者だと打ち取れず簡単に四球を出してしまう。自分の課題がはっきりわかった」と殊勝に答えた。
県大会からほぼ一人で投げ抜き、疲れからか球威、制球とも本調子ではなかった。しかし、森監督も舌を巻くマウンド度胸や投球術で悪いなりに試合をつくってみせた。
「制球と切れを磨き、全国で通用する投手になりたい」。秋がデビューの右腕にとって初黒星が今後の糧になるはずだ。
◇強豪の勝負強さ実感
浦和学院の秋の快進撃は10連勝で止まった。今春の選抜大会準優勝の日大三に投打で力負け。森監督は「前半にうちが点を取れず、ワンチャンスで持っていかれた。強豪の勝負強さを感じた」と素直に認めた。
エース佐藤が四回につかまった。安打と連続四球で無死満塁。併殺で2死一、二塁としたが、6番清水に先制打を許すと、続く7番菅沼に初球の甘いカーブを左翼席に運ばれ3ランを浴びた。
佐藤は「甘いところに投げられず、厳しく攻めて四球になった」と反省。本塁打を痛打されたカーブについて捕手・森は「ボールでいいのに、カウントを取りに行ってしまった」と悔やんだ。
打線は三回まで毎回先頭が安打で出たがその後が続かず、五回1死満塁でも無得点。相手エース吉永の140キロ超の直球と決め球のフォークに苦しめられ、主将の小林は「追い込まれると難しい。その前の球をいかに捕らえるか」と唇をかんだ。
打線が投手を育てるという方針でチームは大きく伸びたが、ここから先の壁は高い。「今まで佐藤におんぶに抱っこだった投手力、守備力を上げたい」と森監督。総合力をキーワードに、春までの研さんを約束した。
(埼玉新聞)
◇制球を磨きたい
浦学のエース、佐藤は四回、四球が続いた。「甘いところに投げられない。厳しく攻めた中で打ち取れない焦りがあった」。円陣を組み、森捕手から「思いっきり投げろ」と励まされたが、気持ちを切り替えられず、得意のカーブを捕えられ3点本塁打を浴びた。リズムを取り戻せないまま六回から中山にマウンドを譲った。「制球を磨き全国で通用する投手になりたい」
◇チームを立て直す--浦和学院・森士監督
前半の投手戦で相手は少ないチャンスをものにした。佐藤頼みではなく、攻撃が投手を育てるチームに立て直していきたい。
◇流れ引き寄せ課題--浦和学院・小林賢剛主将
思い通りの試合ができない中、いかに流れを引き寄せるかが課題だと痛感した。精神、技術の両面を強化していきたい。
(毎日新聞埼玉版)