【写真】自慢の商品を手にする片岡誠一さん=東大成工場直売店(さいたま市北区)で(毎日新聞埼玉版)
さいたま市西区の製菓会社「喜多山製菓」は、浦和学院野球部の飛躍とともに成長してきた。社長の片岡誠一さん(47)は同高同窓会会長で野球部のOB。野球部で教えられた「努力」「感謝」を胸に事業を拡大してきたといい、「大舞台で日ごろの成果を存分に発揮してほしい」と、後輩にエールを送っている。
片岡さんは、1978年の学校創立と同時に作られた野球部の1期生で、一塁手として活躍した。大学卒業後、新潟県の大手製菓会社に3年半勤めた後、89年にさいたま市中央区の実家に戻り、自宅を改装して念願の製菓会社を起こした。
当時は家族経営でせんべいを焼く機械が一台あるだけ。売り上げが上がらない時には、野球部が86年夏に初めて甲子園に出場した感動を思い出し、「夢や希望は必ずかなう」と勇気づけられたという。
「目的を明確にして努力すること、周りに感謝することは、野球部にも企業経営にも通じるものがある」と話す片岡さん。今では本社を同市西区に移し、工場2軒、直営販売店4店、従業員70人を数えるまでに大きくした。
片岡さんは「野球部の頑張りを仕事の励みにした」と話す。今も厳しい練習に明け暮れるナインに、温かいまなざしを向けている。
(毎日新聞埼玉版)