23日に開幕する春季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が20日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、各地区予選を勝ち上がった39校に、選抜大会出場の浦和学院を加えた40校の対戦カードが決定した。昨秋の県大会優勝で第1シードの浦和学院は蕨、同準優勝で第2シードの春日部共栄は栄北と2回戦でそれぞれ対戦する。
昨秋の県大会3位の第3シード鷲宮は南稜、同4位の第4シード浦和実は北本と2回戦でぶつかる。連覇を目指す花咲徳栄は2回戦で所沢中央と対戦。昨秋の県大会で42年ぶり8強と躍進した慶応志木は東農大三と1回戦、初出場の狭山経済は大宮東と2回戦を争う。
上位2校が関東高校大会(5月14日から5日間・千葉)に出場。ベスト16が全国高校選手権埼玉大会(7月9日開幕)のシード権を獲得する。
今大会は東日本大震災の影響を考慮し、夜間照明は点灯しない。そのため各球場とも原則2試合で、第1試合は9時30分開始となる。鳴り物応援は自粛とし、国旗、大会旗は半旗として掲げる。
大会は全試合有料で、一般500円、中高生200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者は有料)、障害者(障害者手帳の提示必須)と介添え者1人、小学生以下の入場は無料となる。
◇夏を見越し再出発
第1シードは昨秋の関東大会王者で、選抜大会に出場した浦和学院。甲子園ではらしくないミスが出て鹿児島実に悔しい逆転負けした。森監督は再スタートとなる今大会について「秋のままでは足りないところがある。夏を見越して少しでも戦力を上げたい」と話す。
主将の小林は夏に照準を定めつつ、「負けていい試合はない。頂点を狙うことを考えている」と闘志満々。関東大会は春の3連覇と秋春連覇も懸かっており、指揮官は「できる限りチャレンジしていきたい」と締めた。
◇昨年の悔しさ糧に
第2シード春日部共栄は春7年ぶりの県大会制覇、6年ぶりの関東大会出場を目指す。本多監督は「秋から打撃は良くなった。課題はここというときの守備力」とチーム状態を冷静に分析する。
昨秋の関東大会準々決勝では終盤失策が絡んで、水城(茨城)に3点差を逆転された。今大会はこの苦い経験を払拭するための場でもある。主将の薮内は「一球の重みをあらためて学んだ。春はまず県大会で優勝し、関東大会でいい経験を積んで、夏を迎えたい」と強い意欲をのぞかせた。
◇秋のリベンジ 上位進出狙う
昨秋の県大会ベスト4で、シードの鷲宮と浦和実が虎視眈々とさらなる上位進出を狙っている。
秋の関東大会に出場した鷲宮の柿原監督は「もう一回出直しだ」と選手に言っているという。増渕、栗田の両左腕を軸にしぶとさは健在で、主将の遠藤も「秋は忘れて一から戦いたい」と話す。
関東に進めなかった浦和実の辻川監督は「夏を有利に戦うためにも春はきちっとやらなければ」と意気込む。冬場は打力強化に励み、主将の上地は「目標は関東大会」と秋のリベンジを誓った。
◇全員野球で春の初陣へ
1985年創部の狭山経済が初出場した2008年秋の県大会に続き、春の県大会に初進出。西部地区大会は代表決定戦でシードの川越工に延長十回サヨナラ勝ちした。
3年目の岩田監督は「全員でやることがモットー。一人だけ抜けている子はいない。何とか力を合わせてやりたい」と全員野球を心がける。
初戦の相手は大宮東。チーム最高成績は08年秋の県ベスト16で、主将の小林は「それを越えて自分たちが一番強い代になれればいい」と、部史に名を刻む気概を見せた。
◇部員16人で夢の続きを
1996年に川越農から川越総合に校名変更して以来、初の県大会に名乗りを上げた。新チームは10人でスタートし、現在も部員は16人と人数には恵まれてはいないが、沢田監督は「夢物語。これを目標に努力してきた」と感慨深そうに語る。
西部地区の代表決定戦では延長十回に決勝点を奪って大井を撃破。選手たちは試合後に泣いて喜び合ったという。主将の佐藤は「勝ったときは本当にうれしかった。ここまで来たら夏のシードを狙いたい」と、すっかりやる気に満ちていた。
(埼玉新聞)
◇春季県大会 浦学など4校シード 23日開幕
春季高校野球県大会(県高野連など主催)の組み合わせ抽選会が20日、上尾市のスポーツ総合センターであった。地区予選を勝ち上がった39校にセンバツ出場の浦和学院を加えた40校が、県営大宮など県内4球場で23日から熱戦を繰り広げる。
地区予選では、シード38校のうち15校が敗退した。このため県大会は実力伯仲で拮抗した戦いが予想される。
昨秋の県大会4強はシードで2回戦から出場する。佐藤拓也投手を擁する浦和学院、打撃で成長をみせた春日部共栄、栗田拓実、増渕雅也の両左腕投手が2枚看板の鷲宮、機動力を増した浦和実だ。
県大会の上位2校は、来月14日から千葉県で開催される関東大会に出場する。
一方、高野連は東日本大震災を受け、県大会について▽大会旗などの半旗掲揚▽スタンドでの鳴り物応援の禁止▽節電のため球場の照明使用を避け、試合開始を30分繰り上げる--などを決めた。
緊急地震速報があれば、原則として試合を中断する。
(毎日新聞埼玉版)