84回選抜高校野球大会第6日は27日、第2試合から2回戦に突入。浦和学院(埼玉)が接戦の末、2-0で三重(三重)を制し、02年第74回大会以来10年ぶりとなる8強進出を決めた。
浦和学院・佐藤、三重・三浦の両エースによる行き詰まる投手戦。浦和学院は0-0で迎えた8回、2死満塁から山根が右前打を放ち貴重な2点を先制。エース佐藤が緩急をつけたテンポのよい投球で三重打線を散発3安打に抑え、9三振を奪い、2点を守りきった。
三重は3、8回に得点圏に走者を送ったが後が続かず。6回まで無安打投球と力投したエース・三浦を援護することができなかった。
(スポニチ)
◇浦和学院の佐藤、2試合連続の完投
浦和学院の右腕佐藤は、辛抱強く投げ抜いた。相手投手の三浦も好投を続け、7回まで両者無得点。「延長15回まで投げるつもりだったので、落ち着いていた」。8回に先制しても低めを丁寧に突く投球は最後まで変わらず、被安打3の完封。7回にはチーム初安打となる二塁打を左越えに放ち、3番打者としての役割も果たした。「次も投打で活躍したい」。2試合連続の完投で、8強一番乗りだ。
(朝日新聞)
◇浦和学院の佐藤、三塁踏ませず
浦和学院の佐藤は三塁を踏ませなかった。球の切れと低めへの制球がよく、9三振を奪って3安打完封した。
1回戦で2失点完投した右腕は、一回を三者凡退とし、波に乗った。「試合前に立ち上がりを意識して、いつもは30球前後だけど、約40球投げ込んだ」と話した。均衡を破る殊勲打を放った山根について「絶対に打ってくれると信じていた」とねぎらっていた。
明石主将「苦しかった。終盤に制球が乱れたので、いけると思った」
林崎捕手(佐藤について)「昨秋とスピードは変わらないが、切れは全然違った」
(サンスポ)
◇監督談話
浦和学院・森監督 何とか勝てた。佐藤はよく投げた。切れ、テンポ、リズムが良かった。山根が初球からしぶとく打ってくれた。次も今まで通り一戦必勝で戦いたい。
三重・沖田監督 三浦は絶好調だったが、八回に先頭打者を四球で出したのが悔やまれる。細かい制球が課題。佐藤君は見事な投球で、うちは外角の球に手が出なかった。
(時事通信)
◇山根、殊勲の一打
浦和学院の2年生、山根が殊勲の決勝打を放った。打線は三重の三浦にてこずっていたが、中盤から「球が見え始めた」と山根。0-0の八回、2死満塁で打席を迎え、初球から狙ってフルスイング。高めの直球に詰まりながらも、「打った瞬間(安打ゾーンに)行くと思った」と言う。感触通り、打球は右前へ落ち、2者をかえした。
1回戦は8番で2安打2打点。この日は、いきなり5番に昇格。初めてクリーンアップを任されたが、早速その期待に応えた。3安打完封のエース佐藤も「絶対に打ってくれると信じていた」と後輩の一打を喜んだ。
(時事通信)
◇浦和学院、接戦制し10年ぶりの8強
第84回選抜高校野球大会6日目の27日、関東代表の浦和学院は第2試合で三重と対戦した。浦和学院はエースの佐藤が9三振を奪う好投でリズムをつくると、八回表に山根が2死満塁から中前適時打で2点をもぎ取り、10年ぶり4度目の8強入りを決めた。
「浦和学院のお兄ちゃんがんばって!!」。東日本大震災のボランティアで選手らが訪れた宮城県石巻市立鹿妻、渡波両保育所の子供たちから贈られた横断幕が三塁側アルプスから見守る中でゲームは始まった。両エースの投げ合いで立ち上がりから緊迫した投手戦となり、浦和学院は捕手の林崎、三塁手の木暮、中堅手の石橋らがエースをもり立てた。
八回表、3四死球で2死満塁とすると、5番の山根が右前に値千金の適時打を放った。待望の先制点にアルプスの盛り上がりは最高潮。ヒーローの母、詠子さん(45)は「これまで打てていなかったので、神様に何とか死球でもいいから1点をお願いしますと祈っていました」と、感極まって目に涙を浮かべながら話した。
佐藤は硬軟織り交ぜた巧みな投球で相手打線に的を絞らせず、散発3安打完封でチームを8強一番乗りに導いた。一塁手の明石は小学生から浦和学院の大ファンで、いつも校歌や応援歌を歌っていた。母の幸恵さん(42)は「子供が歌うので、覚えてしまった」と試合後の校歌を熱唱、「次もまた、歌いに来る」と気合を入れていた。
(産経新聞埼玉版)