【写真】メンバーに入れなかった3年生一人一人と抱き合う主将の明石(右から2人目)、佐藤(中央)ら浦和学院のメンバー=2日午後、同校グラウンド(埼玉新聞)
関西入りを翌日に控えたチームは2日、同校グラウンドで午前、午後の2部練習を実施。午後の練習前には、甲子園メンバー18人を発表した。
メンバーは埼玉大会を戦った20人から選出された。優勝投手で、選抜大会でもエースナンバーを背負った佐藤拓也が、引き続き背番号1。県大会では12番だった三塁手の高田涼太が5番に昇格した。左翼手の山根佑太が5から7番へ。左腕の小島和哉が1年生で唯一のベンチ入りを果たした。
ポジション別では投手が6人、捕手が1人、内野手が6人、外野手が5人。学年別では3年が10人、2年が7人、1年が1人選ばれた。
チームは3日午前に埼玉を出発し、午後に新幹線で大阪に到着する。
森監督は、「『いよいよ、戦地の聖地に向かうぞ』と、胸躍る気持ち」と、独特の表現で心境を語る。甲子園出場決定の翌々日から4日間、ナインはハードな練習で体をいじめ抜いてきた。指揮官は「この暑さの中でも、走り込んできた成果は出ているようだ。これからは仕上げの段階に入る」と力を込めた。
◇悲願達成へ心は一つ
思いを託す者と思いを託される者-。勝負の世界には必ず存在する。
高校球児なら誰しもが憧れ、夢見る聖地・甲子園。浦和学院ナインは春夏連続でつかみ取った。だがベンチ入りできるのはたったの18人。最後の夏を迎えた3年生も9人が念願を果たせず、森監督にとっても苦渋の決断だったに違いない。
この日のメンバー発表。メンバー18人、森監督、スタッフがメンバーに入れなかった3年生一人一人と握手を交わし抱き合い、最後は「初めて」(森監督)という全員の胴上げで締めくくった。涙あり、笑顔あり。浦和学院らしい絆の深さを象徴するワンシーンだった。
埼玉大会からは、内野手の木村と外野手の安室が涙をのんだ。それでも木村は「甲子園を決めるあの舞台にいられただけで幸せだった。メンバーのことを第一に、やれることをやる」。選抜では打席にも立った安室も、「思いきりプレーしてほしい」。ともにありったけのエールを送った。
仲間の男気にエース佐藤は「泣きながら応援してくれた3年生の思いも背負って全力で戦いたい」と決意に満ちた表情。県大会の背番号12から5に昇格した三塁手の2年生高田は選抜大会時、サポートメンバーの一員だった。「5番をもらったうれしさはあるけど、入れなかった人、特に3年生の分まで頑張る」。感謝の気持ちをグラウンドで表現するつもりだ。
戦うのは18人のメンバーだけではない。応援団長を務める西尾は、「日本一熱いスタンドにしてみせる」と全力応援を約束。悲願の全国制覇へ、浦和学院ナインの心は一つだ。
◇甲子園メンバー
①佐藤拓也 (3年)
②林崎龍也 (3年)
③明石飛真 (3年)主
④緑川皐太朗(3年)
⑤高田涼太 (2年)
⑥竹村春樹 (2年)
⑦山根佑太 (2年)
⑧西岡伸朗 (3年)
⑨笹川晃平 (3年)
⑩山口瑠偉 (2年)
⑪池山颯人 (3年)
⑫森戸佑樹 (3年)
⑬石橋 司 (3年)
⑭小島和哉 (1年)
⑮吉川智也 (3年)
⑯渡邊 剛 (2年)
⑰涌本亮太 (2年)
⑱服部将光 (2年)
(埼玉新聞)