【写真】開会式で堂々とした行進を披露する浦和学院、花咲徳栄の両ナイン=22日午前、甲子園球場(埼玉新聞)
第85回選抜高校野球大会は22日、兵庫県西宮市の甲子園球場で例年より4校多い36校が参加して開幕した。開会式では埼玉から10年ぶりの2校出場となった浦和学院と花咲徳栄が、堂々の入場行進を行った。
澄み切った青空の下、開会式は午前9時にスタート。前回優勝で、史上初の3季連続甲子園大会制覇に挑む大阪桐蔭高を先頭に同準優勝の光星学院高(青森)が続き、南から北の順番に行進。東日本大震災の津波被害を受けた、21世紀枠のいわき海星高(福島)や、今大会限定の「東北絆枠」で出場した山形中央高も元気よく歩を進めた。
鳴門高(徳島)の河野祐斗主将が「東北をはじめ全国の困難と試練に立ち向かっている人たちに、大きな勇気と希望の花を咲かせることを誓います」と力強く選手宣誓した。
埼玉県勢は両校ともに上位の期待が懸かる。浦和学院の森士監督は「いよいよ本番。とにかく初戦が大事」と話し、花咲徳栄の岩井隆監督も「緊張感を切らさず、初戦を迎えたい」と気持ちを引き締めていた。
浦和学院は大会3日目の24日に土佐(高知)と、花咲徳栄は6日目の27日に県岐阜商とそれぞれ2回戦を争う。
◇「決勝で会おう」 がっちり握手
【写真】「決勝で会おう」。浦和学院・山根(左)花咲徳栄・根建の両主将が再会を約束し、握手を交わす(埼玉新聞)
埼玉が全国に誇り、ともに日本一を掲げる両雄が、聖地独特の雰囲気を存分にかみ締めた。
浦和学院は3季連続の甲子園とあって、オーラさえ感じる文句なしの行進を披露。自身も3度目となる竹村は「埼玉の看板を背負っていることを意識した」。手と足がぴったりそろった白地に縦じまのユニホームが、緑の芝にひときわ映え、まずは開会式で“日本一”ぶりを見せ付けた。
行進曲「花は咲く」に乗って26番目に登場した花咲徳栄は2年前の夏以来だが、ナイン全員が初の経験だ。若月は「お客さんが多くて、拍手と歓声が響き渡っていた。気持ち良かった」と思わず笑みがこぼれた。一塁側内野席から観戦していた岩井監督は「堂々と落ち着いて歩いていた。やっと少し全国区になったかな」と頬を緩めた。
両校の選手たちは行進の出番を待っている間、談笑していたという。話題はもちろん、“実現なるか3度目の頂上決戦?”だったそうだ。
浦和学院・主将の山根は「一戦ずつ頑張って勝ち上がるから、決勝で戦おう」。対する花咲徳栄・主将の根建も「決勝で当たって、今度はリベンジする」。4月3日の再会を約束し、がっちりと握手。そして視線を合わせた。
◇あす土佐戦 実戦意識し調整
24日に土佐(高知)との初戦を迎えるチームは22日、午前9時からの開会式に参加した後、午後3時から大阪市の舞洲ベースボールスタジアムで2時間の練習に臨んだ。
キャッチボールに続いて投手の犠打処理やけん制、野手の狭殺、バント練習を含めた3カ所フォーメーションを実施。シート打撃ではレギュラー組が守備に付き、控え組に対してエース左腕小島と右腕山口が登板した。
その後は入れ替わり、カウント1-1からスタメン組が右上投手を打ち込んだ。飛球アウトが目立ち、選手たちが集合し狙いを確認する場面もあった。
開会式を無事終え、主将の山根は「甲子園に足を踏み入れ、やっぱり緊張感があって身が引き締まった」と話し、二塁手の贄は「開幕したなという感じ。あとは試合に向かって進むのみ」と気合を入れ直していた。
◇浦和学院×土佐 監督対談
【写真】健闘を誓う浦和学院の森士監督(右)と土佐の西内一人監督(埼玉新聞)
3日目第3試合で対戦する浦和学院の森士監督と、土佐の西内一人監督が対談し、互いの印象などを語った。
―相手の印象。
森「古豪。高校野球の原点で、見本となる全力疾走、全力プレーを心掛けているチーム」
西内「どの選手も野球を知っていて、基本に忠実。隙がない」
―警戒する選手。
森「宅間君、高橋君のタイプの違う両投手。捕手の南君は下級生だが、打線の中心でもある」
西内「左の小島君。右の内角に入ってくる直球が素晴らしい。打者も竹村君をはじめ、ミートが上手」
―期待する選手。
森「小島を中心に守備を固めてもらいたい。右の山口は本来の調子が戻ってきた。打線は、竹村と3~5番が機能してくれないと点が入らない」
西内「宅間から高橋の継投になるので何とか最少失点に抑えてくれないと。打者では1番森下、4番南。左の3番織田は左投手でも対応できる」
―理想の展開
森「ロー(スコア)ゲーム。必死に食らい付いて戦う」
西内「3、4点も取れないので、もっと少ない点で勝負」
(埼玉新聞)